ジェイテクト、工作機械主軸用軸受「ハイアビリーJFAST」を開発
オイルエア潤滑に置き換わるグリース潤滑でカーボンニュートラルに貢献
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:近藤禎人、以下「ジェイテクト」)は、グリース潤滑での高速回転に対応した、工作機械主軸用軸受「ハイアビリーJFAST」を開発しました。
本開発品は、2024年11月5日~10日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」 に初出展いたします。
【開発背景】
ジェイテクトは、JTEKT Group 2030 Visionを掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」になることを目指しています。ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したテクノロジープラットフォームを活用し、これらのコンピタンスを掛け合わせて社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センターの開設を進めています。
ハイアビリーJFASTは、2年前に開催されたJIMTOF2022でのお客様の声を反映して開発されました。
工作機械主軸用軸受は高速回転が求められるため、通常はオイルエア潤滑が採用されますが、機械稼働中は常にエアを使用するため消費電力が大きくなるという課題があります。この課題に対し、ジェイテクトのコンピタンスを生かした保持器設計技術により、グリース潤滑で対応できる高速回転領域を拡大し、省エネさらにはCO2排出量削減を実現するソリューションとして本開発品が生まれました。
【ハイアビリーJFASTの特長】
ハイアビリーJFASTは、グリース潤滑用に最適設計したPEEK樹脂製の保持器を採用した、高速性と低昇温性に優れた工作機械主軸用軸受です。
アンギュラ玉軸受では、世界初のグリース潤滑でdmn値※180万を達成(自社調べ)。軸受の昇温は従来品比約30%低減し、グリース寿命は約20%向上しました。
円筒ころ軸受では、グリース潤滑でdmn値150万を達成。軸受の昇温は従来品比約40%低減し、グリース寿命は約20%向上しました。
この2つの軸受を採用することで、#40サイズで20,000min-1の回転が可能な主軸を提案いたします。これにより、主軸の潤滑方式をオイルエア潤滑からグリース潤滑へ置き換えることができ、主軸エア消費量をオイルエア潤滑に比べて約60%削減します。
※ dmn値:ベアリングの回転性能を表す値。ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1)
【今後の展望】
製造現場のカーボンニュートラル達成に向け、今後ますます工作機械主軸用軸受におけるグリース潤滑の需要が高まると予想されます。ジェイテクトはハイアビリーJFASTを通じて、製造現場の脱炭素化に貢献していきます。
今後もジェイテクトは、お客様をはじめとしたステークホルダーが抱える課題に対し、グループのコンピタンスを生かして最適なソリューションを提供してまいります。
【参考】
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2024年8月27日プレスリリース「第二期中期経営計画を策定」
https://www.jtekt.co.jp/news/2024/004015.html -
2024年10月1日プレスリリース「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)に出展」
https://www.jtekt.co.jp/news/2024/004103.html
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