南アフリカ共和国ウォーターバーグ白金族プロジェクト阪和興業への譲渡が完了
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:細野 哲弘)は、3月6日、南アフリカ共和国でのウォーターバーグ白金族金属JVプロジェクトにおいて、契約者としての地位の一部を、阪和興業株式会社(代表取締役社長:古川弘成氏、以下「阪和興業」)へ譲渡しました。
JOGMEC は、南アフリカ共和国ブッシュフェルド複合岩体北部において、カナダのプラチナム・グループ・メタルズ社(PTM社)およびムノンボ社とウォーターバーグ白金族金属(注1)JVプロジェクトを共同で実施しており、2011年11月に初めて白金族金属鉱床を発見しました。本プロジェクトは、資源量(注2)242百万トン、平均品位3.38グラム/トン 4E(プラチナ、パラジウム、ロジウム、金)と大規模で、機械化採掘が可能であることから、1オンスあたりの生産コストが他の南ア白金族鉱山と比較しても低く、さらにパラジウム含有比率(63.04%)が最も高いと評価されています。
2017年10月には南アフリカ白金族金属生産量第2位のインパラ社を新たに開発パートナーとして迎え入れ、南アフリカにおける鉱山操業の豊富なノウハウと、地金の精錬能力が本プロジェクトに付加され、一段と開発実現性が高まりました。
その後、JOGMECは、本プロジェクトにおける契約者としての地位21.95%のうち、9.755%を日本企業に譲渡すべく、2018年2月に入札を行った結果、阪和興業が落札しました。その後の交渉を踏まえ、10月24日に譲渡契約の締結に至り、今般、南アフリカ共和国関係当局からの承認が得られ、譲渡手続きが完了いたしました。
現在本プロジェクトは最終FS調査の段階にあり、この完了後、インパラ社が開発を行うかどうか決定いたします。仮に開発が決まれば、阪和興業は、本プロジェクトからインパラ社が生産する地金を安定的に購入する権利を有することから、同社を通じて将来の日本の白金族金属やニッケルを始めとする金属鉱物資源の安定供給が期待されます。同社は本事業に参入することにより、自動車用排気ガス浄化触媒と燃料電池に使用される白金族金属、二次電池に使用されるニッケル等の金属資源を確保することとなり、これは将来の日本の金属鉱物資源の安定供給に資するものです。
JOGMECは、今後とも資源探査を通じて新しい価値を創造し、我が国企業が関与する鉱山開発の促進に貢献してまいります。
(注1)用語説明
白金族金属:プラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムおよびオスミウムの 6元素の総称。特にプラチナおよびパラジウムは、自動車用排ガス触媒や産業用用途として重要な役割を果たす。
(注2)資源量について
2018年10月25日に最新の資源量が発表され、精測鉱物資源量と概測鉱物資源量で242百万トン、平均品位3.38グラム/トン 4E(プラチナ、パラジウム、ロジウム、金)、含有白金族金属量819.3トン、カットオフ品位2.5グラム/トンとなりました。埋蔵量は現在実施中の最終FSの中で更新される予定です。
■ プロジェクトの概要
対象地域 | ウォーターバーグ(Waterberg)およびウォーターバーグ・エクステンション(Waterberg Extension)地域 |
鉱区面積 | 1,118平方キロメートル |
概要 | 首都プレトリアの北北東約270キロメートルに位置し、白金族金属を胚胎するブッシュフェルド岩体の北端に位置するが、地表は表土で覆われ、ブッシュフェルド岩体の露出がないことから、これまで積極的な調査が行われていなかった地域。アクセス至便、年中探鉱可能。 |
周辺の開発状況 | モガラクエナ鉱山(Mogalakwena):ウォーターバーグ地域の南70キロメートルに位置する。アングロ・アメリカン・プラチナム社(Anglo American Platinum Limited、本社:南アフリカ)が露天採鉱法で生産を行っており、金属量(埋蔵量および資源量ベース)の合計は295.7百万オンス(約9,197トン、プラチナ、パラジウム、ロジウム、金の合計)。(出典:ORE RESERVES AND MINERAL RESOURCES REPORT 2017, アングロ・アメリカン・プラチナム社) プラットリーフプロジェクト:ウォーターバーグ地域の南82キロメートルに位置する。JOGMEC出資案件。本格的探鉱実施中。 |
■ プラチナム・グループ・メタルズ社(Platinum Group Metals Ltd.)
本社 | カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー |
設立 | 2000年 |
概要 | 白金族金属の鉱山開発を目的とし、南アフリカで探鉱・開発を実施している。南アフリカのヨハネスブルグに現地会社を有し、現在、本プロジェクトのオペレータを務める。 |
■ インパラ・プラチナム社(Impala Platinum Holdings Ltd.)
本社 | 南アフリカ共和国ハウテン州ヨハネスブルグ |
概要 | 南アフリカ白金族生産第2位、世界の白金生産の約4分の1を担う。主要なオペレーションは南アフリカのブッシュフェルド複合岩体およびジンバブエのグレートダイクにて行われている。 |
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http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_000051.html?mid=pr_190307
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