Sigray社のナノX線CT顕微鏡“TriLambda”を発売
X線CT顕微鏡(コンピューター断層撮影装置)は、X線源と検出器の間で測定物を回転させながら360度全方向からX線(レントゲン)撮影を行い、コンピューターで断層像に再構成して表示する装置です。物体の内部の状態を把握でき、半導体、高機能材料(電池、触媒など)、天然資源、ソフトマテリアルなどの内部構造の解析・検査に利用されています。
キヤノンMJは、2017年10月にSigray社との間で同社製X線分析装置の国内独占販売契約を締結し、蛍光X線分析装置“AttoMap™”とX線吸収分光装置“QuantumLeap”の取り扱いを開始しました。このたび同社が新たに開発したナノX線CT顕微鏡“TriLambda”を国内市場向けに販売します。
”TriLambda”は、特許取得済みの高輝度マルチターゲットX線源と放射光施設で培ったX線光学技術を備えたSigray社のナノX線CT顕微鏡です。業界最高レベルの40ナノメートルの空間分解能と、マルチX線エネルギー(2.7/5.4/6.4/8.0/9.7keVなど)に対応し、重元素から軽元素まで幅広い材料を高コントラストで可視化が可能です。
キヤノンMJは、2019年~2021年の中期経営計画の成長戦略として産業機器分野の強化・拡大に注力しており、製品力とサービス力を高めることで事業の成長を目指しています。今後需要の増加が期待されている半導体、エネルギー、自動車、ライフサイエンス分野の材料研究、非破壊での構造解析や故障解析の分野へのX線分析装置群の拡販を通じて、科学機器分野での事業成長を推し進めます。
製品名 | 価格(税別) | 発売日 |
ナノX線CT顕微鏡“TriLambda” | 3億円 ~3億5千万円※ | 2019年4月1日 |
※ 装置構成や為替レートにより価格は変動します。
<“TriLambda”の主な特長>
・非破壊3次元イメージングにより、同一サンプルを異なる条件下で繰り返し測定が可能
・最大80マイクロメートルの観察視野での測定が可能
・X線吸収コントラストモードとゼルニケ位相コントラストモードを搭載
・マルチX線エネルギー(2.7/5.4/6.4/8.0/9.7keVなど切替え可)により幅広い材料の可視化に対応
・ツイン放物面ミラーコンデンサーにより楕円面タイプに比べ広い観察視野で均一な焦点輝度
・新設計のゼルニケ位相リングにより、ハローアーティファクトを抑制
<Sigray社の概要>
社名:Sigray, Inc.(http://www.sigray.com/)
設立:2013年
本社所在地:5750 Imhoff Drive, Suite I, Concord CA 94520 USA
社員数:30人
事業内容:各種X線装置およびコンポーネントの販売とサービスの提供
保有知財:成立特許9件(US)
CEO:Dr. Wenbing Yun(2000年に3次元X線顕微鏡メーカーである米国Xradia社を起業し、2013年には従業員数100人を超える企業に成長させました。X線顕微鏡に対する貢献が評価され、米国光学会フェローに選出されています。また、これまでに権威あるR&D100アワードを4回受賞しています。)
* ニュースリリースページ
https://canon.jp/newsrelease/2019-03/pr-sigray.html
* X線分析装置ホームページ
https://cweb.canon.jp/indtech/sigray/index.html
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