【槇原敬之】7/9(水)に行われた東京ガーデンシアター公演の模様を9/28(日)WOWOWプラスでテレビ初独占放送!これに先駆けて映像制作密着レポート(後編)を公開!
松井菜穂さん(WOWOWディレクター/プロデューサー)と勝田正志さん(撮影監督)が率いるチームによる『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary "Showcase the
Live!”』の撮影に密着してから約1か月半。松井さんのオフライン編集が終わり、本編とエンドロールのラフ映像が出来上がりました。

オフライン編集とは──僕も初めて聞いた言葉でしたが──16人のカメラマンが撮影した16本の素材を同期させ、16分割した画面で一度に見られるように編集した「マルチ」を見ながら、映像編集ソフトを使ってベストの画(え)をつなぎ、1本のラフ映像にまとめていく作業です。

松井さんは完全にひとりでこの作業を行うそうで、その間は「他の映像は基本、まったく見ない」のだとか。その理由が松井さんらしいと思いましたが、「世に出てるものって“正解”なんです。自分はまだ世に出てないものを作ってるので、だいぶ違ったら“大丈夫かな?”って不安になるじゃないですか。そうするとプラスになることは何もないので」。たしかに!
サラッと書きましたが、16分割の映像から「これ!」という画を選んで選んで、つないでつないで2時間半の映像を作るのがどれほど大変な作業か、想像もつきません。そんな生みの苦しみを経て、命からがら(大げさかもしれませんがそう言いたい)完成させたラフ映像に、「カラコレ(color correction=色補正)」「グレーディング(色演出)」や音声のミキシング、テロップの挿入といった高度な演出を施して「完パケ(完全パッケージ)」に持っていくのがオンライン編集。これら撮影後の作業を総称して「ポスプロ(ポストプロダクション)」といいます。
なんと僕はこのたび、カラコレの作業に立ち会うことができました。作業を行うのは株式会社ARKのオンラインエディター/カラリスト 清田直登さんとオンラインエディター/コンポジター藤木智次郎さん、場所は同社が所有する溜池山王の映像編集スタジオ「Oliv」です。松井さんと勝田さん、WOWOWのアシスタントプロデューサー毛塚琴音さんも一緒。なんて貴重な機会!
スタジオに到着すると、巨大なメインモニターに映像が映し出されていました。清田さんはカラコレ用の大型パネルとディスプレイ 2 台(これもでかい)を据えたデスクに向かい、その後ろの別のデスクでは藤木さんがやはり機材を並べて別の仕事をしています。二人には松井さんから指示を書き込んだ書類が渡されていて、これを参照しながら清田さんはカラコレ、グレーディング、藤木さんは曲タイトルテロップの制作を同時に進めていくのだそうです。


「意味のないカットはない」と言い切る松井さんの、この指示が「客席の灯りは星座」「槇原さんに伸びる照明は空からの階段」といった具合に、実に細かくて具体的! カットごとに求められる作業が一目瞭然です。曲タイトルテロップは、フォントからグラデーションの色の具合まで指定されていました。清田さんいわく「ここまで書いてくれる方はまずいない」そうです。「指示が明確だから分業できるんです。全体的な色の方向性含め、お任せの方もいらっしゃいますが、シークエンスの整理ができていなかったり、指示が明確でないと、本来クリエイティブに使いたい時間をそれ以外に使うことになるので大変ありがたいです」


色補正はカット単位。彩度や明度を上げたり下げたり、色調を変えたり、(槇原さんの場合はやっていないそうですが)肌のトーンも調整できます。清田さんに松井さんの映像の特徴を尋ねると、まず出たのが「カットを長く使用する」。2時間半で約1800カットで、通常は2600~2800カット、この直前に清田さんが手がけたあるバンドは3800カットに及んだそうです。「カットを長く使用するので、観ている方もしっかりとそのカットを認識できる。カメラマンさんも嬉しいんじゃないでしょうか」
今は音に合わせてカットを細かく割っていく作品が多いです。たしかにキレがよくなるし、かっこいいですよね。ワンカットを長く見せ、必ずしも音で切らない松井流は、それとは違うものを見せようとしている。では何を見せようとしているのか? 僕なりに言葉にすると「ストーリー」ということになりますが、清田さんの指摘で膝を打ったのが「芝居をやってる方たちのつなぎ方に通じるものがある気がします。舞台を見てるみたいな」というものでした。槇原さんとバンドメンバーがそれぞれに見せ場を与えられ、役柄を演じ、インターアクトする舞台俳優たちのように見えるのです。
清田さんは「どうやったらこれが撮れるのか、打ち合わせを見てみたい」と言いますが、僕が7月に東京ガーデンシアターの控室で目にした打ち合わせはあっさりしたものでした。そう言ったら「そうなんですか? それでここまで撮れるんですか!?」と驚いていました。事前に「こういう画を」と指定するよりも(ゼロではないけれど)、カメラマン個々の技量とセンスを信頼して自由に動いてもらい、16本の素材から答えを探していくわけですね。松井さんは「私はOL」と言いますが、これほどアーティスティックなOLはなかなかいないでしょう。
勝田さんの名参謀ぶりも圧巻です。長い経験に裏打ちされた「見る目」と持ち前のコミュ力で、あちこちで一緒に仕事をした人から優れたカメラマンやエディターを覚えておき、案件ごとに声をかける。ツアー前半だけでなく撮影前日の公演も下見します。「私は勝田さんにオーダーできた時点でもうオッケー、安心っていう感じなんです」と言う松井さんの信頼の厚さ!
最後になりますが、完パケ映像も拝見しました。中身については触れませんが、本編もエンドロールも(おまけも)すばらしく、とにかくユニークです。みなさんはレポート前編に引いた勝田撮影監督のカメラマン各位への指示「知らなかった曲を初めて聴いて、好きになってもらいたい」を覚えていらっしゃるでしょうか? そのテーマを生かした演出が施されています。僕はポスプロ前の段階でその仕掛けを松井さんから聞かされ、感服しました。見てのお楽しみ、気づいたらこっそり教えてくださいね。
文=高岡洋詞
■放送番組情報
2025年9月28日(日)21:00~ 独占放送&配信
『槇原敬之 Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary “Showcase the Live!”』
収録日:2025年7月9日/収録場所:東京ガーデンシアター
▼番組サイトはこちら
https://www.wowowplus.jp/info/makiharanoriyuki
スカパー!番組配信にて放送同時&2週間の見逃し配信あり
スマホ・タブレット・PCなどで放送同時配信と見逃し配信をお楽しみいただけます。
▼ご視聴はこちら
https://streaming.skyperfectv.co.jp/channel-770561
■コラム前編記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000430.000084776.html
■プレゼントキャンペーン
当選者のお名前入り!槇原敬之直筆サイン付「Showcase! Tシャツ」が5名様に当たる
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詳細は番組サイトにて公開中
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