ベンチャーと大企業の連携プロジェクトが事業化に取り組みます!
循環型栽培システム×気流制御技術で生産性向上と脱炭素推進
実証事業の概要・結果
連携企業
株式会社アクポニ、富士工業株式会社 (下線がベンチャー企業)
プロジェクト名
水産養殖と水耕栽培を組み合わせた循環型栽培システム「アクアポニックス」×気流制御による生産性向上及び資源循環の促進
実証事業の概要
・株式会社アクポニは、魚の水産養殖(陸上養殖)と野菜の水耕栽培を組み合わせた無農薬・無化学肥料・無除草剤の循環型栽培システム「アクアポニックス」を開発しています。
・このシステムは、魚の飼育装置と野菜の水耕栽培装置が配管で連結されたもので、魚の排せつ物が、微生物により分解され野菜の肥料となるとともに、魚の飼育水が循環する過程で、水が浄化されることから、化学肥料が不要な環境配慮型の農業を可能にします。
・一方、富士工業株式会社は、気流制御(空気循環の最適化)の技術と、空気環境測定に関する測定機器・設備及びノウハウを有しています。
・そこで、株式会社アクポニが提供する「アクアポニックス」に、富士工業株式会社の気流制御の技術を掛け合わせ、室内の気温等、栽培環境を一定に保つことで、農産物の生産性向上を図るとともに、エネルギー使用量を削減し、脱炭素に資するシステムを実現することを目指しました。
実証期間:令和5年10月から令和6年3月
実証場所:さがみロボット産業特区プレ実証フィールド内(100㎡)
(相模原市南区新戸2607-2(元県立新磯高等学校))
実証内容:野菜(リーフレタス)を栽培(414株)し、魚(ティラピア)を養殖(9匹)する室内環境で、空気循環を最適化するために気流制御を実施。気流制御のある状態と※1ない状態で実験を行い、野菜の収量、電力や水の使用量、二酸化炭素、窒素などの数値を測定。
※1 還流装置を使用しエアコンの風を循環させ室内の温度ムラをなくした状態
実証事業の結果
・リーフレタス1株当たりの平均の収量が、約22%増加(37g→45g)しました。
・エアコンの電力使用量が、約76%減少(1,614kw→385kw)しました。
・なお、「アクアポニックス」により、水耕栽培に必要な水の使用量が減少するとともに、魚の排泄物を分解して肥料化することで、廃棄されていた窒素が全て活用され、化学肥料を生産する際に排出される二酸化炭素の削減にも繋がることが確認できました。
今後の展開
・本実証結果をもとに開発された数理モデル※2を、令和6年7月に、「アクアポニックス」の生産管理を支援する「アクポニ栽培アプリ」へ搭載し、事業化に向けた取組を進めます。
※2 二酸化炭素等の各物質の流れを計算し、環境負荷低減効果を可視化できる機能
・アクアポニックスと気流制御技術を導入した施設において、二酸化炭素や窒素の削減量をアプリから確認できるようになり、資源循環が可視化され、環境への効果測定が可能となることから、農業の生産性と持続可能性の向上、資源循環と脱炭素の推進が期待されます。
取材について
アクアポニックス導入農場の見学など、本実証事業に関する取材は問合せ先(株式会社アクポニ)まで御連絡ください。
【参考1】株式会社アクポニ
住所:横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2階
設立:平成25年4月2日
代表:代表取締役 濱田健吾
事業内容:循環型栽培システム「アクアポニックス」の開発及び導入・運用支援
【参考2】ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)
県内に拠点を持つ大企業と質の高いベンチャー企業による連携プロジェクトを創出するとともに、オープンイノベーションに向けたコミュニティ形成を目的として、大企業・ベンチャー企業・研究機関・支援機関等が参画する協議会「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」を運営する取組。県内で、積極的にオープンイノベーションに取り組むことを希望する企業を随時募集中。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/sr4/cnt/f537611/bak01.html
問合せ先
神奈川県産業労働局産業部
ベンチャー支援担当課長 井上
電話 045-285-0213
産業振興課新産業振興グループ 上野
電話 045-210-5636
(実証事業の詳細・取材に関すること)
株式会社アクポニ 怒和(ぬわ)
連絡先 電話090-2822-4297 電子メールinfo@aquponi.com
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- 経営情報
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- 環境・エコ・リサイクル農林・水産
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