「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示」でキヤノンのパワープロジェクターが創造的な空間を演出
日本館展示『Cosmo-Eggs│宇宙の卵』 キヤノンのプロジェクターが
スクリーン画面の後方から投影している様子
WUX500ST
ヴェネチア・ビエンナーレは、イタリアの島都市ヴェネチアの市内各所を会場とする芸術の祭典です。1895年に最初の美術展が開かれて以来、120年以上の歴史を刻んでおり、国別参加方式を採る数少ない国際展として世界の美術界の注目を集めています。
服部浩之氏がキュレーターを務める今回の日本館展示のテーマは、「Cosmo-Eggs│宇宙の卵」。
地球規模のとてつもなく長い時間や空間の広がりと、そのなかで生きる人間の存在、そして人と地球や土地との関わりかたに思いを巡らせ、考える場を築くことを目的としています。
本展は、アーティストの下道基行氏が2015年に沖縄の八重島諸島で出会い数年間リサーチと撮影を重ねている「津波石」(大津波により海底から陸上に運ばれた巨石)を起点としています。「津波石」を軸としながら、各アーティスト(作曲家:安野太郎氏、人類学者:石倉敏明氏、建築家:能作文徳氏)と協働することで、静かで穏やかな視覚世界に音楽とことばが重ねられ、統合された一つの空間に多様な身体体験を生み出します。
展示では、日本館ピロティから展示に繋がる大きなビニール製のバルーンが設置され、バルーンから送られる空気によって音楽を奏で鑑賞者を迎えます。展示室には4面の大型スクリーンが設置され、それぞれに「津波石」の映像が投影されます。
展示の要となる作品投影において、キヤノンのパワープロジェクター「WUX500ST」4台が使用され本展では幅3.5m・高さ2.2mの大画面スクリーン4面に、画面の後方から映像を投写しています。本展では、限られた展示スペースにおいて、短い投写距離で映像を歪ませることなく、明るさを保ちながら高い描写力を実現することが求められました。「WUX500ST」は短い距離から大画面投写が可能なレンズ一体型短焦点モデルで、軽量コンパクトながら広範囲なレンズシフトにより柔軟に映像投写位置を調整でき、5000lmの高輝度・高解像度で高画質な映像を映し出し、創造的な空間を作り出しています。
■ キュレーター服部浩之氏からのメッセージ
○キヤノンのパワープロジェクターを採用した理由について
展示の技術的側面でのサポートをいただいた、現代美術作品の展示設営において信頼できるHIGURE※さんからご推薦いただいたことがひとつです。
また、実際に複数の機材を持ち込んで投影実験をしていただいたりと、作品に対して最も適したプロジェクターを見出すために柔軟な対応をしていただけたことも大きいです。今回の映像は、モノクロのシンプルなものでしたので、そのグレーの微妙な階調や黒の奥行きの描写力の高さも、決め手のひとつとなりました。
※ HIGURE 17-15 cas株式会社。展覧会での美術施工をサポートされています。
○日本館展示「Cosmo-Eggs│宇宙の卵」の見所について
多様な「共存」の可能性を問う本展は、アーティスト、作曲家、人類学者、建築家という異なる専門性をもつ表現者の協働により実現したプロジェクトで、映像、音楽、ことばの重なり合いを、身体的に体験するものです。多彩な知や創造性から生まれた本来バラバラなものたちが共振する瞬間を、ぜひ日本館の建築空間で実際に経験していただきたいです。
■ 第58回 ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館 展示概要
会 期:2019年5月11日(土)~11月24日(日)
会 場:ビエンナーレ会場のジャルディーニ地区内 日本館(Padiglione Giappone Giardini della Biennale, Castello 1260, 30122 Venezia)
出品作家:下道基行(美術家)、安野太郎(作曲家)、石倉敏明(人類学者、秋田公立美術大学准教授)、能作文徳(建築家、東京電機大学准教授)
キュレーター:服部浩之(キュレーター、秋田公立美術大学大学院准教授、アートラボあいちディレクター)
* ホームページ
https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/exhibit/international/venezia-biennale/art/58/index.html
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