医師1,006名に「職場のジェンダーギャップ」調査 5年前から「変わらない」7割弱、「良くなった」約3割
育休の取得、男女で大きな差も、男性医師は若年層の取得割合が高い結果に
調査結果サマリー
・職場のジェンダーギャップ5年前から「変わらない」が7割弱、しかし「良くなった」という回答も約3割に
・育休取得、男女で大きな差も、男性医師の育休取得割合は40代以下で大幅に増加
・ベビーシッターの利用経験は約2割、そのうち週1回以上の利用は45.3%
・パートナーの育休取得、約8割が「希望する」
職場のジェンダーギャップ5年前から「変わらない」が7割弱、しかし「よくなった」という回答も約3割に
まず、「職場のジェンダーギャップについての5年前との比較」を調査しました。結果、「変わらない(65.9%)」が7割弱となりましたが、「良くなった(9.2%)」「少し良くなった(24.2%)」が合算して約3割となり、一定数は「良くなった」と実感しているようです。
育休取得、男女で大きな差も、男性医師の育休取得割合は40代以下で大幅に増加
さらに、お子さんがいる方に、「お子さんが生まれる際、生まれた後に産休※1・育休※2を取得したか」を調査しました。その結果、男女で大きな差「取得した(女性:80.9%、男性:13.6%)」がありましたが、年代で比較すると男性の50代以上では6.6%だった「取得した」の割合が、40代以下では23.3%となり、男性の育休取得は増えていることがわかりました。
※1 出産予定日の6週間前と産後8週間取得できる休業のこと
※2 1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は、会社に申し出ることにより、子どもが1歳になるまでの間で希望する期間休業することができる制度
ベビーシッターの利用経験は約2割、そのうち週1回以上の利用は45.3%
さらに、忙しい医師はベビーシッターなど、外部の子育て支援サービスを使う人が多いのか「ベビーシッターの利用率」について調査を行いました。その結果、「利用したことはない(82.9%)」と8割超が答え、「利用したことがある(17.1%)」は少数派ということがわかりました。
また、利用頻度に関しては「週1回程度(23.4%)」「月2~3回程度(23.4%)」「週2~3回以上(21.9%)」と分散していましたが、「週1回以上利用する」(「週1回程度」と「週2~3回以上」合算)は45.3%となりました。
職場でベビーシッターの利用について補助があるかについては、「補助はない(55.0%)」が過半数でしたが、「わからない(40.0%)」も多く、ベビーシッターの補助制度などを知らない方も多いことが伺える結果となりました。
パートナーの育休取得、約8割が「希望する」
今後、お子さんが生まれた際、パートナーに育休を取得してもらいたいかについて調査しました。その結果、「取得してもらいたい」と女性は約7割(68.8%)、男性については8割以上(83.0%)が回答しました。合算すると「取得してもらいたい(80.8%)」と約8割が取得を希望する結果となっています。
調査まとめ
2016年に女性活躍推進法が制定、さらに2022年7月には常時雇用労働者301人以上の事業主を対象に「男女の賃金差異」公表が義務付けられるなど、ジェンダーギャップについて日本国内で関心が高まっています。
日本国内における女性医師の割合は22.8%※3と増加傾向にありますが、年齢別に医療施設に従事する医師数を見てみると、女性医師は30~39歳をピークに減少しており、結婚・出産などライフイベントを機にワークライフバランスを維持することが難しくなることがうかがえます。
そうした背景から、このたびメドピアで医師に対し「ジェンダーギャップに関する調査」を実施しました。職場でのジェンダーギャップは「改善した」と3割が答えているものの、変わらないという意見も多くみられます。
また、男性医師の育休取得に関しても13.6%にとどまり、女性医師との差が大きい結果となりました。一方で年代別に見てみると、育休取得は若年層で取得割合が多いこともわかり、医師においてもジェンダーへの取り組みが進んでいると推測できます。
さらに、男女どちらも多くの方がパートナーに育休の取得を希望しており、子ども家庭庁が主導する「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」など、医療機関についても子育て世代への支援策の拡充や認知拡大が求められています。
※3 厚生労働省「令和2年(2020年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
調査概要
概要:「ジェンダーギャップに関する調査」
方法:医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の会員医師に対して調査
期間:2023年10月12日(木)〜10月14日(土)
有効回答:1,006名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」について
「MedPeer」は、薬剤の口コミや症例相談など、多様なテーマで医師同士により経験やナレッジが共有されている医師専用のコミュニティサイトで、現時点の会員数は16万人と国内の約半数の医師に利用いただいています。
また、製薬企業のWeb上での講演会をサポートする「Web講演会」機能の提供などを通じ、医薬品のデジタルマーケティング活動をサポートしています。
さらに、最近では「MedPeer」上の臨床医の治療における意思決定を蓄積した“集合知”である「インサイトデータ」の活用など、医療ビッグデータの一つである「リアルワールドデータ」に関しても取り組みを強化しています。
【メドピア株式会社 概要】https://medpeer.co.jp
会社名: メドピア株式会社 / 代表取締役社長 CEO 石見 陽(医師・医学博士)
所在地: 東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア9階
事業内容: 医師専用コミュニティサイト「MedPeer」(medpeer.jp)運営、その他関連事業
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