南スーダン戦闘激化 子どもが残虐行為の標的に 【プレスリリース】

殺害、レイプ、誘拐 ― 生存者が証言

南スーダンでは、女性や子どもたちが攻撃の標的になっています。「他の人たちは川に逃げていきましたが、まさか襲われるとは思わず、私は自宅に残っていました。武装グループが家に押し入り、激しい暴力を受けました。なんとか、生き延びることができました」と語る女性。©UNICEF South Sudan_2015_Sebastian Rich南スーダンでは、女性や子どもたちが攻撃の標的になっています。「他の人たちは川に逃げていきましたが、まさか襲われるとは思わず、私は自宅に残っていました。武装グループが家に押し入り、激しい暴力を受けました。なんとか、生き延びることができました」と語る女性。©UNICEF South Sudan_2015_Sebastian Rich

 

※本信は、ユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文は  http://www.unicef.org/media/media_81915.html  でご覧いただけます。
※南スーダンに関連する最新画像・映像をお貸出ししています。後述の詳細をご確認
  ください。


【2015年5月18日 ジュバ(南スーダン)/ナイロビ(ケニア)発】

ユニセフ(国連児童基金)が目撃者から得た報告によると、南スーダンのユニティ州で
この2週間続いている激しい戦闘の中で、数十人の子どもが殺され、少なくとも12人が
レイプの被害に遭い、そして何人もの子どもが武装勢力によって誘拐されました。

攻撃を受けた村々から逃げ延びてきた人々の証言によると、ユニティ州での戦闘では、
戦闘服だけでなく民間人の服装をした男性や少年たちも破壊行為に加わっており、
子どもたちは被害者であり加害者にもなっています。複数の目撃者が、この攻撃は
スーダン人民解放軍(SPLA)に同調する武装グループによるものだと証言しています。

生き残った人々がユニセフの職員に語った内容によると、村は焼き尽くされ、7歳にも
満たない少女を含む多くの女性や女の子が家から引きずり出され、レイプされて殺害
されました。少なくとも19人の男の子と7人の女の子が殺され、なかには10歳未満の
子どもも含まれていました。その他にも、手足を切り落とされたり、戦闘員にする
ためや、奪った家畜の世話をさせるために誘拐された子どもたちもいます。

ユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチは、多数の証言から、雨期を
前に戦闘が激化する中で子どもたちが直面している恐ろしい事態が明らかになって
きたと話しました。

「子どもたちを意図的に標的にした攻撃に激しい憤りを覚えます。子どもたちを更なる
暴力から守るには、直ちに戦闘を止めさせ、人道支援を担う人々が制限なく活動できる
ようにする必要があります。そして、迅速に徹底した捜査を行い、今回の子どもたち
への残虐行為を行った人々を特定し、その責任を追及しなければなりません」
(ヴェイチ代表)

南スーダン政府と反政府軍は、性的暴力を含む子どもたちへの蛮行を直ちに止め、
武装グループの勢力下にいるすべての子どもを解放するとともに、子どもたちを守る
ためにあらゆる力を行使するべきであると、ユニセフは伝えています。

国連が確認した情報によると、紛争当事者に徴用されている子どもは、合計1万3,000人
に上ります。

今回の南スーダンでの戦闘から逃げ延びた女性や子どもたちに対し、ユニセフは心理
社会的支援や離れ離れになった家族との再会支援などを行っています。

この数週間、ユニティ州と上ナイル州での戦闘は激しさを増しており、子どもたちへの
恐ろしい暴力が繰り返されています。

傷を負っていたり、捕えられている、あるいは身をひそめて生活を送っている女性や
子ども、そしてすべての一般市民を守るため、戦闘地帯となっているユニティ州と
上ナイル州に、一刻も早く国連が無条件で入ることが極めで重要であると、ユニセフは
強調しています。


* * *

■南スーダン概況

・2011年の独立後も政情不安が続いていた南スーダンでは、2013年12月15日、武力衝突
が発生。その後も続く紛争により、子どもたちは自宅や学校、生まれ育った
コミュニティを追われ、暴力や栄養不良、病気の危険に晒されている。

・国内避難を続ける子ども:80万人以上 
国外で避難生活を送る子ども:34万4,000人以上。

・1万3,000人以上の子どもたちが、武力衝突を引き起こしている両陣営に徴用されている
とみられる。

・武装勢力と政府との間の和平協定により、今年1月から段階的に子どもの解放が進み、
1,757人が解放された。

・ユニセフは、解放された子どもたちの家族の居場所を追跡して、再会を進める支援の
ほか、子どもたちに食糧や避難場所、衣類の提供のほか、基礎保健ケア、カウンセリング、
心のケアを実施している。

・紛争の長期化により、推定22万9,000人以上の子どもたちが重度の急性栄養不良に
陥っている。

・戦闘地域にある学校の70%は機能しておらず、40万人の子どもたちが教育を受けられて
いない。

* * *


■画像、動画等素材のお貸出し

今年4月2日~10日、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんが、16年ぶり2度目
となる南スーダンへの訪問を行いました。滞在中、解放された子どもたちが保護されて
いる施設で元子ども兵士たちの話を聞いたほか、コブラ派司令官との会談も行いました。

以下について、ご要望がございましたら、下記広報室までお問い合わせください。
・アグネス・チャンさんへのインタビュー、寄稿
・元子どもの兵士の保護施設、避難民キャンプなど、南スーダン最新写真
・本リリースに既述のコブラ派司令官へのインタビュー動画(約10分)を含む映像

* * *


■お問い合わせ
(公財)日本ユニセフ協会  広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036 jcuinfo@unicef.or.jp
または
Claire McKeever, ユニセフ・南スーダン tel: + 211 (0) 955 109325; 
Eメール:cmckeever@unicef.org
James Elder, ユニセフ・ケニア tel: +254 71558 1222 (携帯);
Eメール:jelder@unicef.org 
Chris Tidey, ユニセフ・ニューヨーク tel:+1 917 909 9542;
  Eメール: ctidey@unicef.org

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(http://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
  任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/

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本社所在地
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03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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