DNPの文化施設「市谷の杜 本と活字館」で企画展「活字の種を作った人々」を開催
日本の書体づくりの“原点”である種字彫刻師たちを紹介
【企画展「活字の種を作った人々」について】
金属活字を組み合わせて機械で印刷する活版印刷技術は、幕末から明治初期にかけて日本に導入され、明治維新の大きなうねりとともに産業として定着しました。
活版印刷で使う活字の、おおもとの型を「種字」と呼びます。当時、その種字を彫る種字彫刻師という職人がいました。種字は、彫刻刀を使い、活字と同じサイズの木や鉛の角材の先端に、左右逆に文字を彫っていきます。本文で使う活字はわずか3ミリ程度の大きさしかありません。そこにどんな文字同士が隣り合ってもバランスよく見えるよう、大きさ、太さ、そして書風をそろえて文字を彫刻するという、非常に精緻な技術で種字を彫刻していました。高い技術を持つ数少ない職人たちですが、その多くが名前も残っていません。市井の職人として、美しい文字だけを残してきたのです。
本展では、辛うじて名前が今に残っている種字彫刻師たちの足跡をたどります。現在の日本の書体づくりの原点ともいえる種字彫刻について、そしてその時代の書体について紹介します。
■開催概要
会期 : 2023年11月3日(金・祝)~2024年6月2日(日) *月・火休館(祝日の場合開館) *2023年12月25日(月)~2024年1月5日(金)は冬季休館
会場 : 「市谷の杜 本と活字館」2階展示室(東京都新宿区市谷加賀町1-1-1)
入場料 : 無料(平日は予約制)
主催 : 大日本印刷株式会社 「市谷の杜 本と活字館」
企画協力 : 雪朱里
「市谷の杜 本と活字館」のWebサイトURL https://ichigaya-letterpress.jp/
■「市谷の杜 本と活字館」について
「市谷の杜 本と活字館」は、活版印刷の職場を一部再現し、文字のデザインから、活字の鋳造、印刷・製本までのプロセスを展示・紹介する“リアルファクトリー”です。昭和初期の印刷機が稼働する様子や活版職人が作業する姿も、実際の動きがわかる“動態展示”の形で公開しているほか、活版印刷のモノづくり体験ができる工房を備えており、参加型ワークショップも開催しています。
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