【鹿児島高専】消波ブロック模型実験装置が土木教育向上に貢献したとして国土交通省九州地方整備局より感謝状が贈呈されました

贈呈式の様子

 鹿児島工業高等専門学校(鹿児島県霧島市 校長:上田 悦子、以下「鹿児島高専」)は、令和7年6月3日に国土交通省九州地方整備局志布志港湾事務所より「消波ブロック模型実験装置」が土木教育の質の向上に貢献したとして感謝状が贈呈されました。この感謝状は、令和7年4月29日に開催された「志布志お釈迦まつり」で、志布志港湾事務所が出展した際に本校学生チームが開発した「消波ブロック模型実験装置」を貸与し、大人から子供まで多くの参加者に好評を得たことによるものです。本実験装置は、志布志港(鹿児島県志布志市)の港湾施設の重要性を広く周知する上で、大きく貢献したと評価されました。

感謝状

◆消波ブロック模型実験装置とは

「消波ブロック模型実験装置」は、沿岸域に設置されている消波ブロックの効果を体験的に学べる実験装置です。本実験装置は、鹿児島高専が推進するSTEAM教育の一環として、防災をテーマに開発された教育ツールです。

 本実験装置を、令和6年7月20日に鹿児島県長島町で開催された子供向けイベントに展示したところ、その様子が南日本新聞社の目に留まり、同社のYoutubeで公開されました。動画は公開から2週間で1000万回再生を突破し、現在では2000万回再生目前という驚異的な成果を収めています。その後も、同社の新聞記事で取り上げられるなど注目を集め、「消波ブロック模型型装置」は、鹿児島高専の名前と共に広く知られるようになりました。

 これまでにも、国土交通省のイベント『こども霞が関見学デー』や、『SDGs防災フェスティバル』など、多くのイベントで展示されており、大阪・関西万博の「高専未来チャレンジ」(令和7年6月18日~19に開催)へも出展しています。

 今回のイベント「志布志お釈迦まつり」でも、子供たちが実際に本実験装置を操作し、波を起こすことで、消波ブロックの有無による波の伝わり方の違いを体感しながら、防災について楽しく学ぶことができたと高く評価されました。

南日本新聞社Youtube: https://www.youtube.com/shorts/4kwTQY8fKic

消波ブロック模型実験装置

◆学生の取り組み

 学生チームは講義の一環で、防災意識を高めるための教育ツールを開発することを目的に、防災に寄与する身近な土木構造物を検討していたところ、偶然目にしたイベント用に作製されたミニチュア消波ブロックに着想を得て、「その効果を示す実験装置を作製したら面白いかもしれない」というアイデアが生まれました。そこで、実際に消波ブロックが設置されている現場を見学し、設計コンサルタントから設計の概要を学んだ上で装置の作製を開始しました。

 教育ツールとしての利便性を最優先し、「持ち運びしやすさ」と「身近な材料での作製」をテーマに材料の選定や部品の寸法設計を進めました。実験装置の容器には市販の衣装ケースが使用され、造波板はコンクリートパネルから切り出されたものに丸棒2本を差し込む形状が採用されています。防潮堤部分は3Dプリンタで作製され、この防潮堤を含む沿岸道路部分の高さ調整にはA4サイズのプラスチックバスケットを活用しました。また、消波ブロックは3Dプリンタで作製した型枠を使用し、モルタルを流し込むことで約30個が作製されました。

 代表学生の𠮷川さんは、受賞の喜びを次のように話しています。「講義の一環で作製した模型が注目を集め、イベントへのご招待や模型貸し出しの問い合わせなど、たくさんの反響があり、教育ツールとして利用されるという目標を達成することができました。材料の選定や造波装置、防潮堤の作製に試行錯誤を重ねてきたので、模型が評価されたことで私達の努力が報われ、とても嬉しく思っています。 学生生活の集大成となる今年は、万博への出展も決まりました。この貴重な経験に感謝し、世界中の人々の防災意識向上に寄与するとともに、鹿児島高専の魅力を広くPRできるよう尽力したいと思います」

建設工学専攻2年 𠮷川 玲

機械・電子システム工学専2年 盛 南洋

電気情報システム工学専攻2年 五反田 拓人

改良した消波ブロック模型実験装置

◆指導教員の声

 私は、「ワクワクする実験装置にしてほしい」という一言だけリクエストしましたが、本校の学生がこのような素晴らしい教育ツールを開発してくれたことに心から感謝しています。本実験装置がこれほど注目を集めることができたのは、Youtubeで取り上げていただいた南日本新聞社や、その動画を見て声をかけてくださった国土交通省はじめ、イベント関係者の皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

 本実験装置は、実際の海域で発生する波の現象を完全に再現するものではありませんが、大人から子供まで多くの方々が消波ブロックの効果を体感していただき、楽しみながら学習する機会を提供する装置として高い評価をいただきました。さらに、子供でも簡単に波を起こして楽しめるよう工夫を重ねた改良版の実験装置が、令和7年6月に完成しました。

 本実験装置は貸し出しも行っておりますので、興味をお持ちの方は是非ご連絡ください。

安井准教授

◆鹿児島工業高等専門学校について

地域貢献の基本方針

(1) 地域社会及び地域産業界が抱える課題の把握に努め、地域が必要とする取組みや地域に実りある結果をもたらす活動を推進する。

(2) 産学官連携活動及び地域企業や機関等に対する技術開発支援等を集約的に推進するための組織を設置する。

(3) 教職員及び学生は、地域社会の一員として、地域住民や団体、自治体、他の教育機関等との相互協力に努め、 地域社会との共生を図る。

鹿児島高専

【学校概要】

所在地:鹿児島県霧島市隼人町真孝1460-1            

校長:上田 悦子

設立:昭和38年4月

URL:http://www.kagoshima-ct.ac.jp/


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人物
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学校・大学建設・土木
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会社概要

URL
https://www.kosen-k.go.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都八王子市東浅川町 701-2
電話番号
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代表者名
谷口 功
上場
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資本金
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設立
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