ヘラルボニー、「兄が幸せな社会」を目指してーヘラルボニー財団を設立
アートを描く作家だけでなく、すべての障害のある人の尊厳を肯定する社会へ
「異彩を、放て。」をミッションに掲げる株式会社ヘラルボニー(本社:岩手県盛岡市、代表取締役 Co-CEO:松田崇弥・松田文登)は、本日、2026年1月7日、障害のある人が直面する根源的な社会課題に向き合うことを目的とした「ヘラルボニー財団」を設立いたしました。活動に関する詳細は、2026年夏頃に正式に発表いたします。

■設立の背景
ヘラルボニー財団は、株式会社としての既存事業だけではアプローチしきれない、さまざまな障害当事者、当事者家族および支援者を取り巻く社会課題に向き合い、「誰もが尊厳をもって生きられる社会とは何か」を長期的な視点で問い、実践を続けるために設立されました。
ヘラルボニーは現在、国内外79の福祉施設、293名以上の作家とライセンス契約を締結(2025年12月時点)し、異彩を放つ作家の表現を社会へ届けてきました。作家および福祉施設へ支払われる年間ロイヤリティの総額は、過去4年間で25.5倍に増加。事業成長とともに、障害のイメージが少しずつ変容し始め、新たな価値観が社会に根づき始めているという声も寄せられています。
一方で、「アートを描く作家しか、ヘラルボニーの事業の対象にならないのでしょうか」という問いを、これまで多くの障害当事者のご家族からいただいてきました。
現在、日本国内において障害のある人の総数は人口の約9.2〜9.3%、およそ9人に1人と推計されています。人工呼吸器や経管栄養など、日常的に医療的ケアを必要とする「医療的ケア児」は全国で約2万人。重度の知的障害と肢体不自由のある重症心身障害児・者を含め、24時間の介護や医療的支援が必要な家庭は増え続けています。さらに、医療的ケア児の家族の6割以上が慢性的な睡眠不足や外出困難に悩み、希望する働き方をできている人は1割にも達していません*。
あらゆる人が、ありのままの生を肯定されながら生きる社会。それは誰もが願う理想でありながら、現実にはまだ遠い目標です。社会には、「届かない場所」や「見過ごされる声」が、いまだ数多く存在しています。このような背景から、既存の事業モデルでは十分に目を向けることができてこなかった人々に向き合うため、本財団の設立に至りました。
※厚生労働省・三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社(2020)『令和元年度障害者総合福祉推進事業 医療的ケア児者とその家族の生活実態調査報告書』
◾️原点は「兄が幸せな社会」という創業者・松田兄弟の想い

ヘラルボニー財団の創立には、株式会社ヘラルボニーの創業者である松田崇弥・文登が抱き続けてきた、「兄が幸せに生きる社会」を願う想いがあります。
崇弥・文登の4歳年上の兄・翔太さんには、重度の知的障害を伴う自閉症があります。ですが、翔太さんは福祉施設でアート活動をしているわけではありません。兄の幸せを願う想いは、アートを描く才能の有無に限らず、社会で暮らすすべての障害のある人の尊厳が守られ、ありのままに生きることのできる社会の実現を指しています。
ヘラルボニー財団の設立日である1月7日は、松田崇弥・文登の兄・翔太さんの誕生日です。
重度の知的障害を伴う自閉症のある翔太さんの存在は、ヘラルボニー誕生の原点であり、社名もまた、翔太さんが小学生時代に自由帳へ記した謎の言葉に由来しています。
「自分たちの兄が幸せに生きる社会」を目指して。
兄・翔太さんの誕生日に、ヘラルボニー財団を設立いたしました。
■創立者より

「息子は寝たきりで、何もできないんです。
ヘラルボニーを応援しているけれど、悲しくなることもあるの」
活動していく中で、こんな言葉をいただくことがあります。
「生きているだけで尊い」「存在そのものに価値がある」
頭の中には、いくつもの正しそうな言葉が浮かびます。
けれど、声をかけてくださった方の、ここにいたるまでの時間や痛みを思うと、私たちはすぐに言葉を返すことができません。
兄が知的障害と診断されたとき、「社会は、この子を受け入れてくれるのだろうか」と、不安に思った母の話を何度も聞いてきました。
それは今もなお、多くの家族が誰にも見えない場所で抱え続けている現実です。
だから私たちは、正しく綺麗な言葉だけで、簡単に片付けたくないのです。
同時に、あきらめることもしたくない。
できる・できない。役に立つ・立たない。
社会が無意識のうちに引いてきた、その線の外側にあるとされる命を、それでも、圧倒的に肯定したい。
誰もが社会の一員として、当たり前にそこにいられるとはどういうことか。
生きることの豊かさとは、どんな瞬間に宿るのか。
その問いに、明快な答えはありません。
"障害福祉"という言葉には、簡単に整理できない矛盾や、痛みや、祈りが折り重なっています。
だからこそ、この財団は、ただ答えをだす場所ではなく、
命そのものに想いをめぐらせ、立ち止まり、問い続ける場所でありたいのです。
生きることは、時に苦しく、報われないと感じる瞬間もある。
それでもなお、あなたとともに、この問いを抱え続けたい。
私たちがこの活動に、人生をかける理由です。
松田文登・松田崇弥
◾️役員
理事:
松田 文登(株式会社ヘラルボニー 代表取締役 Co-CEO)
岸田 奈美(作家)
板垣 崇志(しゃかいのくすり研究所代表・るんびにい美術館アートディレクター)
評議員:
松田 崇弥(株式会社ヘラルボニー 代表取締役 Co-CEO)
永田 暁彦(UntroD Capital Japan 代表取締役社長)
曽我 美紀子(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー 弁護士)
監事:
増田 英次(増田パートナーズ法律事務所代表 弁護士・ニューヨーク州弁護士)
■今後の展望
ヘラルボニー財団は、これまで培ってきた広報・クリエイティブ・社会を巻き込むネットワークの力を活かし、行政・企業・市民をつなぐハブとして機能しながら、制度や慣習の外側に置かれてきた声に寄り添い続けます。障害のある人だけでなく、すべての人にとって「誰もが尊厳をもって生きられる社会」とは何か、問い続けることでありのままの生が肯定される社会の実現を目指し、長期的な視点で活動を展開していきます。
【株式会社ヘラルボニー概要】
「異彩を、 放て。」をミッションに、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニー。障害のある作家が描く2,000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを構築。自社ブランド「HERALBONY」の運営をはじめ、企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュース、社員研修プログラムを提供するほか、国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催など、アートを軸に多角的な事業を展開しています。2024年7月より海外初の子会社としてフランス・パリに「HERALBONY EUROPE」を設立。
会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:〒020-0026 岩手県盛岡市開運橋通2-38(本社)、〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目5−16 銀冨ビル3F受付(東京拠点)
代表者:松田 崇弥、松田 文登
コーポレートサイト:https://www.heralbony.jp
オンラインストア:https://store.heralbony.jp/
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