富士通とScaleway、「FUJITSU-MONAKA」CPUベースのAI推論で欧州のGXとデータ主権を加速する戦略的協業を開始
富士通株式会社(注1、以下 富士通)と、欧州を代表するAI開発者向けのクラウドプロバイダーであるScaleway SAS(注2、以下 Scaleway)は、このたび、欧州において、データ主権を尊重しつつ、サステナブルなAI活用環境の構築を実現するため、戦略的協業に関する覚書を2025年11月27日に締結しました。両社は、富士通の先進的なプロセッサ開発における知見とScalewayの欧州クラウドインフラにおける知見を持ち寄り、効率、信頼、安全性を兼ね備えAIの普及を大規模に支援する新しい手法を探求します。本協業を通じて、AI推論処理において、従来のGPU中心の構成に加えて、高性能かつ省電力性を追求したArmベースの次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」(注3)という新たな選択肢を欧州市場に提供することで、ワークロードに合わせた最適なインフラ環境を実現するための共同検証を推進します。これにより、お客様はAIワークロードの特性やTCOに応じて最適な基盤を選択できるようになり、増大するAIの電力消費量やサプライチェーンリスクといった社会課題の解決に貢献します。
近年の生成AIの爆発的な普及により革新的なサービスが生まれる一方で、データセンターの消費電力が増加する世界的な社会課題が発生しています。こうした背景から、欧州では性能とエネルギー効率、データ主権を両立するAIインフラへの需要が急速に高まっています。予測可能な性能、管理・抑制された運用コスト、そして環境負荷の低減が求められている中、CPUベースのアーキテクチャは、安定した性能、高い電力効率、既存環境への統合の容易さから、これらの要件に特に適していると期待されています。
富士通は、先進的なコンピューティング技術を有しており、スーパーコンピュータ開発で培った技術を継承し、高性能かつ省電力性を追求したArmベースの次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」の開発に取り組んでいます。最先端の2nmプロセス技術を採用する「FUJITSU-MONAKA」は、最新の3Dパッケージ構造に最適化した自社マイクロアーキテクチャ、超低電圧回路動作技術といった独自技術を適用し、AIをはじめとする多様なワークロードで高いアプリケーション性能と電力効率の両立を目指します。
Scalewayは、欧州のデータ主権をリードするクラウドサービスプロバイダーであり、革新的なスタートアップから大企業に至るまで、あらゆる規模の組織に対し、それぞれの運用上・戦略上の要件に合致した最適なインフラを提供するという理念を掲げています。同社はこの理念に基づき、強力なGPUを備えた「AI Factory」から高効率なコンピューティング基盤まで、幅広いクラウドサービスを展開しており、各ユースケースに最適なアーキテクチャを、性能、コスト、環境負荷それぞれにおいて完全な透明性を維持しながら提供しています。
両社は当基盤によるユースケース創出など協議を進めており、2026年下期よりこの共同PoCを開始し、その検証結果に基づき、2027年以降お客様向けに実用性を確認するパイロット環境の構築、提供を検討します。将来的には、欧州市場に最適化されたCPUベースの新たなAI推論サービスの商用化も検討を進めていきます。
富士通とScalewayは、本協業を通じて、お客様のビジネス成長とグリーン・トランスフォーメーションをさらに力強く支援し、欧州におけるデジタル社会の健全な発展に貢献していきます。
富士通株式会社 先端技術開発本部 本部長 新庄 直樹のコメント
AIの進化が加速する今、その膨大なエネルギー消費は社会全体の課題となっており、多様化するワークロードに最適な基盤がこれまで以上に求められています。今回、Scalewayとの協業により、両社の技術と知見を融合させ、AI推論の分野において電力効率に優れたCPUによるコンピューティング基盤という新たな選択肢を創出します。お客様のTCO最適化とビジネス成長を支援すると同時に、欧州におけるグリーン・トランスフォーメーションを加速させ、持続可能な社会の実現へ貢献していきます。
Scaleway Head of Hardware R&D Yann-Guirec Manac'h(ヤン ギレック・マナック)のコメント
Scalewayでは、クラウドインフラにおける比類なき電力効率を提供することへのコミットメントがあらゆる活動の中核であり、持続可能なデジタル社会に向けた原動力となっています。このたび、富士通との協業を発表することを非常に嬉しく思います。本協業により、効率的で責任ある、持続可能なAIイノベーションにおける新たな可能性を切り拓きます。「FUJITSU-MONAKA」と当社のクラウドインフラ技術を組み合わせることで、サービスを強化するだけではなく、お客様の固有のニーズに合わせた、最先端で持続可能、かつ高性能なAIソリューションを提供していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
注1 富士通株式会社:
本店 神奈川県川崎市、代表取締役社長 時田 隆仁
(補足:掲載先メディアや閲覧環境の仕様によっては、「隆」の文字が正しく表示されない場合があります。正しくは、「隆」の「生」の上に「一」が入ります。)
注2 Scaleway SAS:
本社 フランス パリ、CEO Damien Lucas(ダミアン リュカ)
注3 FUJITSU-MONAKA:
FUJITSU-MONAKAに適用するこれらの新技術は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業の結果得られたものです。
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
お問い合わせフォーム https://contactline.jp.fujitsu.com/customform/csque04802/873532/
Scaleway SAS
E-mail presse@scaleway.com
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