TSMCの熊本県進出に伴う工場周辺エリアの家賃動向
菊陽町・大津町のシングル向きマンション家賃上昇率は2021年比20%超
不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役社長:鶴森 康史 以下、アットホーム)は、「TSMCの熊本県進出に伴う工場周辺エリアの家賃動向」に関する調査を発表いたします。
2021年10月に台湾の半導体受託製造の大手TSMCが熊本県菊陽町に工場進出を発表して以来、同町および大津町・合志市など周辺エリアの地価が大幅に上昇しました。そこで、同エリアの賃貸マンション・アパートの家賃変化について進出発表前の2021年1~3月期と2024年1~3月期をシングル向き・ファミリー向きそれぞれの面積帯で調査しました。
なお本調査は、アットホームラボ株式会社(東京都千代田区 代表取締役社長:大武 義隆)が調査・分析しています。
■マンションの家賃は、大津町のシングル向きで+36.7%と、菊陽町と大津町ではシングル向き・ファミリー向きともに2桁の上昇率となった。両町の平均家賃は熊本市より高くなった。
■アパートの家賃上昇率は、合志市を含む工場周辺エリア全てで熊本市を上回る。
■工場周辺エリアの家賃上昇率は、マンション・アパートともに、シングル向きがファミリー向きを上回る。
【解説】アットホームラボ株式会社 執行役員 データマーケティング部 部長 磐前 淳子
工場周辺エリアの家賃が大きく上昇。不動産店からは供給過多による空室増を懸念する声も。
半導体受託製造の大手TSMCが工場新設を発表した2021年10月以降、従業員や関連企業の住宅ニーズが急増した結果が周辺の家賃上昇率にも表れました。シングル向きの上昇率がファミリー向きを上回ったのは、関連企業を含む従業員や工事関係者など単身者のニーズが高まったことによるものです。
TSMCは第1工場に隣接する第2工場の建設も発表しました。工場周辺エリアでは新築物件の建設が続いていますが、地元不動産店からは供給過多、中でも築20年を超える物件の空室増加を懸念する声が聞かれます。
同エリアでは商業施設のオープンが相次ぎ、2026年には九州最大規模のアーバンスポーツ施設の開業も予定されています。工場関係者以外にとっても魅力ある街になっていくのか、今後の動向を注視したいと思います。
TSMC周辺のシングル向きとファミリー向き賃貸マンションの家賃上昇率(2021年1~3月と2024年1~3月の比較)
<シングル向き>
<ファミリー向き>
<対象データ・期間>
不動産情報サイト アットホームで登録・公開された熊本県内の居住用賃貸物件について、2021年1~3月と2024年1~3月の家賃を比較。
※重複物件はユニーク化
※種目ごとの円単位の平均値に基づく上昇率
TSMC周辺の公示地価上昇率(2021年と2024年の比較)
TSMC工場周辺の賃貸マンション家賃上昇率(2021年1~3月と2024年1~3月の比較)
TSMC工場周辺の賃貸アパート家賃上昇率(2021年1~3月と2024年1~3月の比較)
【参考】TSMC工場周辺の公示地価(※)上昇率(2021年と2024年の比較)
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