エスビー食品と信州大学 複数のスパイス・ハーブ抽出物にインフルエンザウイルスの感染を抑える効果を確認
エスビー食品株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小形博行、以下「エスビー食品」)は信州大学農学部(所在地:長野県上伊那郡南箕輪村、学長:中村宗一郎、以下「信州大学」)河原岳志准教授との共同研究で、培養細胞に対して複数のスパイス・ハーブ抽出物に、インフルエンザウイルス感染を抑える効果を確認しました。
エスビー食品は、2023年に創業100周年を迎えます。100周年とその先の未来を見据え、ビジョン「『地の恵み スパイス&ハーブ』の可能性を追求し、おいしく、健やかで、明るい未来をカタチにします。」の実現、また当社の中央研究所を中心に、おいしさだけでなく、人々の健やかな暮らしを支える機能の研究開発、エビデンスの蓄積を進めています。
現在、インフルエンザウイルスの感染に対抗する手段としてワクチンや抗インフルエンザ薬が有効で、次々と新薬も開発されていますが、予防という観点から安全且つ日常的に摂取できる食品素材にも期待が集まっています。中でも香辛料は漢方薬の原料として知られるものや、伝統的に抗菌・抗ウイルス作用があるとされてきたもの、風邪などの感染症対策として用いられてきたものも多くあり、信州大学 河原准教授とエスビー食品はスパイスとハーブによるウイルス感染抑制効果の研究に取り組んできました。
・日常的に使用される多くのスパイスやハーブの抽出物に、ウイルス感染抑制効果が認められた
培養細胞株にて、ヒトA型インフルエンザウイルス(H1N1型)を用いて、20種類のスパイス・ハーブ熱水抽出物の感染抑制力を評価しました。試験管内で培養細胞株をスパイス・ハーブ熱水抽出物で処理した後、ウイルスを添加して培養後、細胞がウイルスに感染するかどうかを確認しています。
この研究成果の一部を2022年6月10日~12日に開催される第76回日本栄養・食糧学会大会(西宮市 武庫川女子大学)で発表予定です。
今回、熱水抽出物でインフルエンザウイルス感染を抑制する効果を確認したスパイスやハーブは、いずれも身近なものばかりです。例えば、「クミン」「コリアンダー」はカレーの基本となる代表的なスパイスであり、昨今のスパイスカレーのブームと、コロナ禍における内食回帰の影響で、家庭での使用頻度が高まっています。また、「わさび」は日本の食文化と関わりの深いスパイスであり、「シナモン」はお菓子やパン作りなどに使われる家庭内保有率が高いスパイスです。
エスビー食品は、スパイスとハーブの機能性メカニズムに関する研究を信州大学と共同で推進し、科学的エビデンスの構築を目指します。今回、スパイスやハーブの熱水抽出物でインフルエンザウイルス感染を抑制する効果は、試験管内での実験により確認された結果です。今後は、有効成分や生体におけるウイルス感染抑制効果などのより詳細な解明を進め、将来的には、研究成果に基づいた機能性食品の商品化を目指すとともに、広報活動を通じて、健康の維持・増進や健康寿命の延長といった社会的課題の改善に貢献していきます。
【引用文献】
(1) PLOS ONE 8.4 (2013): e61026. doi:10.1371/journal.pone.0061026
(2) Antiviral Research 74.1 (2007): 1-8.
【問合わせ先】
エスビー食品株式会社 広報・IR室
〒104-0032 東京都中央区八丁堀1-3-2 八丁堀ハーブテラス
Tel: 03-6810-9790
URL: https://www.sbfoods.co.jp/
現在、インフルエンザウイルスの感染に対抗する手段としてワクチンや抗インフルエンザ薬が有効で、次々と新薬も開発されていますが、予防という観点から安全且つ日常的に摂取できる食品素材にも期待が集まっています。中でも香辛料は漢方薬の原料として知られるものや、伝統的に抗菌・抗ウイルス作用があるとされてきたもの、風邪などの感染症対策として用いられてきたものも多くあり、信州大学 河原准教授とエスビー食品はスパイスとハーブによるウイルス感染抑制効果の研究に取り組んできました。
・日常的に使用される多くのスパイスやハーブの抽出物に、ウイルス感染抑制効果が認められた
培養細胞株にて、ヒトA型インフルエンザウイルス(H1N1型)を用いて、20種類のスパイス・ハーブ熱水抽出物の感染抑制力を評価しました。試験管内で培養細胞株をスパイス・ハーブ熱水抽出物で処理した後、ウイルスを添加して培養後、細胞がウイルスに感染するかどうかを確認しています。
図1は、スパイス・ハーブ熱水抽出物で処理をしていない条件下におけるA型インフルエンザウイルスの培養細胞への感染量を100%とし、スパイス・ハーブ熱水抽出物で処理をした際の感染量を相対値で示しています。結果、半数を超える11種類の熱水抽出物にウイルス感染後の増殖の指標となるウイルスタンパク質(M1)の発現量を抑制する効果があることを見出しました。この中で「カルダモン」や「クミン」のウイルス感染抑制効果は、新たな知見であることが明らかとなりました(特許出願中)。また、インフルエンザウイルスに対する感染抑制効果が既に報告されているオイゲノール(1)を含む「クローブ」やシンナムアルデヒド(2)を含む「シナモン」などのスパイスやハーブもありました。
・感染抑制のメカニズムにも注目
この研究成果の一部を2022年6月10日~12日に開催される第76回日本栄養・食糧学会大会(西宮市 武庫川女子大学)で発表予定です。
今回、熱水抽出物でインフルエンザウイルス感染を抑制する効果を確認したスパイスやハーブは、いずれも身近なものばかりです。例えば、「クミン」「コリアンダー」はカレーの基本となる代表的なスパイスであり、昨今のスパイスカレーのブームと、コロナ禍における内食回帰の影響で、家庭での使用頻度が高まっています。また、「わさび」は日本の食文化と関わりの深いスパイスであり、「シナモン」はお菓子やパン作りなどに使われる家庭内保有率が高いスパイスです。
エスビー食品は、スパイスとハーブの機能性メカニズムに関する研究を信州大学と共同で推進し、科学的エビデンスの構築を目指します。今回、スパイスやハーブの熱水抽出物でインフルエンザウイルス感染を抑制する効果は、試験管内での実験により確認された結果です。今後は、有効成分や生体におけるウイルス感染抑制効果などのより詳細な解明を進め、将来的には、研究成果に基づいた機能性食品の商品化を目指すとともに、広報活動を通じて、健康の維持・増進や健康寿命の延長といった社会的課題の改善に貢献していきます。
【引用文献】
(1) PLOS ONE 8.4 (2013): e61026. doi:10.1371/journal.pone.0061026
(2) Antiviral Research 74.1 (2007): 1-8.
【問合わせ先】
エスビー食品株式会社 広報・IR室
〒104-0032 東京都中央区八丁堀1-3-2 八丁堀ハーブテラス
Tel: 03-6810-9790
URL: https://www.sbfoods.co.jp/
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