Ship to Shipによるメタノールバンカリングを京浜港横浜区(横浜港)錨地にて実施
株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は横浜市(市長:山中 竹春)、国華産業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:今川 公史、以下「国華産業」)、出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井 則明、以下「出光興産」)、三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:伊佐早 禎則、以下、「三菱ガス化学」、横浜市から三菱ガス化学株式会社まで以下、「5者」)とともに、京浜港横浜区(横浜港)の錨地(註1)において、当社が運航し三菱ガス化学が用船するメタノール二元燃料外航船「第七甲山丸」と、国華産業の運航するメタノール輸送内航ケミカルタンカー船「英華丸」との間で、国内初(註2)の錨地でのShip to Ship方式(註3)による船舶で使用する燃料としてのメタノールの供給(以下、「メタノールバンカリング」註4)を実施しました。今回のメタノールバンカリングでは三菱ガス化学新潟工場で生産した国産のバイオメタノール(註5)も供給しており、第七甲山丸の運航時にも燃料として使用される予定です。


【実施概要】
実施日:2026年2月6日(金)
実施場所:京浜港横浜区(横浜港)NR錨地

実施船要目:

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バンカリング対象船 |
バンカリング船 |
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船名 |
第七甲山丸 |
英華丸 |
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総トン数 |
29,969 |
498 |
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載貨重量トン |
47,960 |
1,259 |
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運航者 |
商船三井 |
国華産業 |
基礎化学品のひとつであるメタノールは様々な用途に使用されていますが、燃料用途においても燃焼時のCO2や硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)の発生量が少ないクリーン燃料として知られています。海運業界において、重油に代わる代替燃料の採用はGHG排出削減策の一つで、メタノールは既存インフラ環境で取り扱いがしやすいことから有望な代替燃料として注目を集めており、メタノール燃料船の発注が進んでいます。化石資源からではなく、CO2や廃プラスチック、バイオ原料から製造されるメタノールは、ライフサイクル全体でカーボンニュートラルな海上輸送の実現を可能とします。
メタノール燃料船へのメタノールバンカリングについては、国土交通省港湾局が2024年~2025年に開催した「メタノールバンカリング拠点のあり方検討会」(以下、「検討会」)において、実施に関する手続きの基準・安全対策等が整理されました。今回の錨地でのバンカリング実施は、検討会での整理を元に、5者を含む実施事業者と国土交通省(海上保安庁含む)等、複数の関係者が、2024年9月に横浜港で実施したメタノールバンカリングシミュレーションで得た知見や国内におけるメタノールを含む化学品の輸送に関する知見等を持ち寄り、実施に向けて手続きや安全対策を議論し、実現に至ったものです。
錨地でのバンカリングは、既存の舶用燃料供給でも実施されている運用面での利便性が高い手段で、メタノールバンカリングでも同様に錨地での実施要望の増加が想定されます。本取組みは就航しているメタノール燃料船に対する錨地でのShip to Ship方式によるメタノールバンカリングとして国内初となり、日本国内のメタノールバンカリングの普及に向けた大きな実績となります。引き続き関係者間で本取組の事後検証等を通じ、得られた知見を体系化、可視化し、他船種、あるいは日本国内他地域でのメタノールバンカリングの実施時にも活用することを目指します。今回の取組みを起点として、今後も日本国内におけるメタノールバンカリングの実現・普及に向けた取組みを進めてまいります。
当社は、2016年に世界初の二元燃料船の運航を開始して以来、8隻のメタノール二元燃料船を整備し、世界最大級のメタノール専用船隊を運航しています。「商船三井グループ環境ビジョン2.2」で掲げた、2050年までにグループ全体でネットゼロ・エミッションを達成することを目指し、一つの手段としてクリーンエネルギーの導入を進めています。2030年までにLNG/メタノール燃料外航船90隻の投入を目標とし、これまでの運航、整備を通じて蓄積した知見を活かしながら、ネットゼロ・エミッションの実現に向けてGHG排出量の更なる削減に貢献してまいります。
各社紹介
(1)出光興産株式会社
燃料油、基礎化学品、高機能材、電力・再生可能エネルギー、資源の各分野において、様々な分野のパートナー・顧客との信頼関係をベースに、多様なエネルギーと素材の開発・製造・販売を手掛けています。2050年カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向け、合成メタノール(eメタノール)などの多様で地球環境に優しい「一歩先のエネルギー」の社会実装に向け、国内外のネットワークを活用して新たな挑戦を続けています。
(2)国華産業株式会社
国華産業は、1947 年3月創立。1956年石炭、人造絹糸の原料輸送を皮切りに本格的に海運業へ進出、1960年代からは内外航メタノール輸送船事業、特殊タンク船事業、汎用ケミカルタンカー船事業の輸送に従事し、現在に於いてもこれらの事業を主業としております。貿易にも国内輸送にも海というルートは欠かせません。安全運航と厳格な品質管理のもと海上輸送を通じて、経済活動や日々の暮らしを支えるインフラとしての役割を担い続けております。
(3)三菱ガス化学株式会社
三菱ガス化学はグループミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、長年培ってきた自社触媒を基にしたメタノール製造技術により、CO2・廃プラスチック・バイオマスなどを、メタノールに転換して化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする取組「環境循環型メタノール構想
“CarbopathTM”」を推進しており、構想の社会実装を通じて、温室効果ガスの排出削減や循環型経済への移行に貢献してまいります。
(4)横浜市
我が国を代表する港湾である横浜港を擁する横浜市は、次世代エネルギーによる船舶や臨海部産業のエネルギー転換の促進等、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や臨海部産業の集積等を通じて温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラルポート」を形成し、2050年の港湾におけるカーボンニュートラル実現を目指すため、国や民間企業等と連携した取組を進めています。
(註1) 船舶が港湾の沖合などで錨を下ろし、安全に停泊・待機するために指定された海域のこと。
(註2) 参加企業調べ。
(註3) 海上で燃料供給船を船に横付けし、船から船へ燃料を供給すること。
(註4) 船舶で使用する燃料を供給すること。
(註5) マスバランス方式によりバイオマス特性が割り当てられたもの。
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