学研&講談社共同企画「子どもの読書実態調査」結果速報! 子どもの読書量と家庭内コミュニケーションに深い関係!
今回の調査の結果、親の読書量や家族との会話・団らんといった家庭環境と子どもの読書量が大いに関係していること、そして、熱中していることが多い子どもほど読書量も多いことが明らかになりました。
学研および講談社両社は、今後、さらなる詳細分析を進めるとともに、本調査結果を踏まえ、読書を通じた家族のコミュニケーションの深化を目的とした企画を積極的に展開していく予定です。
1.親の読書量が多いと、子どもの読書量も多い!
今回の調査では、保護者の読書量についても調べました。その結果、親の読書量と子どもの読書量との間には相関性があることが分かりました。保護者の1か月の読書量によって0冊、1~2冊、3~5冊、6冊以上、の4つのグループに分類し、各グループに属する子どもの読書量を調べてみた結果が【図表1】です。例えば、本をまったく読まない親の子どもの1か月の読書量が平均2.1冊であったの対して、本を1か月に6冊以上読む親の子どもの読書量は平均6.9冊でした。この結果から、親が本をよく読む家庭では、子どもも本をよく読む傾向にある、と言えます。
2.子どもの読書量が多いと、家族との会話も多い!
今回の調査では、子どもの余暇時間の過ごし方についても調べました。その結果、子どもの読書量との間に関連性があることが分かりました。子どもの1か月の読書量を0冊、1~2冊、3~5冊、6冊以上、の4つのグループに分け、各グループに属する子どもが、余暇時間の過ごし方として「家族との会話・団らん」を選んだ割合(複数選択方式)を見ると、【図表2】のように読書量が増えるほど、「家族との会話・団らん」を選ぶ割合が高まりました。つまり、余暇時間に「家族との会話・団らん」を楽しんでいるかどうかと、子どもの読書量には関連があるのです。
3.熱中していることの数が多いと、読書量も多い!
今回の調査では、子どもに「いま熱中していること」を最大5つまで自由記述方式で挙げてもらいました。その結果、熱中していることとして記述した項目の数と読書量との間に明確な関連性があることが分かりました。熱中していることの数によって、ない、1つ、2つ、…、5つ、の6つのグループに分け、各グループに属する子どもが1か月に読む読書量を調べると、【図表3】のように、熱中していることの数と読書量との間には相関性がある、という結果が出ました。読書をすることと何かに熱中することとの間には、好奇心、関心、探究心といった共通点があるのかもしれません。
4.子どもの1か月の平均読書量は3.1冊、平均書籍購入量は1冊未満!
一方、子どもの読書に関する課題も明らかになりました。子どもに対して1か月の平均読書量(雑誌・漫画を含まず)を聞いたところ、全体では月3.1冊という結果を得ました(【図表4】)。内訳では、まったく読まない(0冊)という子どもの割合が27.1%と、全体で最も多いことも分かりました。男女で比較してみると、男子より女子の方が読書量は多い傾向にあります。学齢ごとに見ると、学齢が上がるにつれて読書量が減る傾向が見られます。例えば、女子では、小学4年生では月6.5冊読んでいたのが、中学に入ると月2冊台に減少しています。男女ともに、中学生になると、読書量が減少するというのが実態のようです。最も読書量が多かったのは小学4年女子の月6.5冊、少なかったのが中学3年男子で月1.6冊でした。
1か月の本の平均購入量を聞いたところ、全体では月0.9冊となりました(【図表5】)。さらに、過半数(55.1%)の子どもは、1か月に1冊も購入しない(0冊)実態も明らかになりました。男女別では、読書量と同様に、男子よりも女子の方が購入量は多い傾向にあります。ただし、学齢ごとの傾向では読書量とは異なり、学齢が上がるにつれて購入量が若干ですが増える傾向があることが分かりました(全学年で最も購入量が多いのは小学5年生女子の1.3冊)。背景には、お小づかいなど自分で使うことができるお金の量の違いが関係している可能性があります。また、全体的に購入量より読書量が多い理由として、図書館などで借りて読んだり、友だち間で貸し借りしていることが想定されます。
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