神奈川県と「いこーよ子どもの未来と生きる力研究所」が「かながわサイエンスサマー2024」参加者に共同で調査実施
~科学体験で子どものワクワクが止まらない!子どもの主体性の尊重が重要~
国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」を運営するアクトインディ株式会社(東京都品川区 代表取締役:下元敬道 以下、アクトインディ)の研究機関である「いこーよ子どもの未来と生きる力研究所」は、神奈川県の科学技術人材育成事業の一環として、神奈川県と連携し、国立大学法人横浜国立大学 教育学部 久保尊洋先生の監修のもと、かながわサイエンスサマーに参加した子ども達へのアンケートを実施いたしました。
<トピックス>
●子どもが自分の「好きな活動」を見つけることが、ありのままの自分でいられることにつながっている
●「子どもの情熱」の項目の中では「やりとげる自信」が他の項目と比べて低い。子どもの「やりとげる自信」を育てるには、試行錯誤や挑戦する機会に触れることがとても重要
●今回の調査の対象である科学館や科学イベントに「自分でぜひ来たいと思ってきた」という子どもの方が、新しい発見をしやすく、より高い体験効果が得られた
●興味の幅が広い子どもほど、体験参加への主体性が高く、成長意欲が高い
●子どもの「やりたい」を尊重し、サポートすることが、子どもの成長にとって重要
※この調査内容を各種メディアに掲載・引用される場合は、掲載前に弊社広報(pr@actindi.net)にご連絡いただき、掲載・引用先に「神奈川県・いこーよ子どもの未来と生きる力研究所分析」のクレジットと記事のURL(https://research.iko-yo.net/solutions/research/11946.html)を記載ください。
(本リリースは、「科学体験で子どものワクワクが止まらない!子どもの主体性の尊重が重要~『かながわサイエンスサマー2024』参加者調査レポート」を一部抜粋して作成しています。全文はこちら
かながわサイエンスサマーとは
「かながわサイエンスサマー」とは、神奈川県が未来を担う子どもたちに科学の楽しさを伝え、親しんでもらうことを目的とした取り組みです。
県内の科学館、大学、研究機関、企業等が開催する子ども向け科学関連のイベント情報を紹介するほか、科学館を複数訪問し、次世代のデジタル技術であるNFTによるデジタルスタンプラリーも同時に実施されました。
かながわサイエンスサマーについてはこちら
子どもが自分の「好きな活動」を見つけることが大切
科学館や科学イベントに来場した子どもに「子どもの情熱(※1)」について聞きました(※2)。

情熱に関する項目に「当てはまる」と回答した割合はおおむね高く、とくに「一番好きな活動をしているとき、ありのままの自分でいられる」という項目が突出しており、子どもが自分の「好きな活動」を見つけることの大切さを再確認した結果となりました。
一方「一番好きな活動は学校や家でやらないといけないこととも両立している」が他の項目と比べて低い結果となったことも特徴としてあげられます。
さまざまな活動を両立できていないのは、子どもが自分で活動を選べていない可能性があると思われます。子どもの自主性の尊重など、保護者の子どもへの関わり方が大事といえるでしょう。
また「情熱の高い子ども」に、より充実したコンテンツを提供してその「情熱」により応えていくことが大事であるとともに「まだその情熱を持てていない子ども」にどうアプローチしていくかを考えていくことも、今後において重要です。
※1:「情熱」とは、人の行動の動機となるもので、悪い情熱(執着的なブレーキの利かない情熱)、良い情熱(他の活動ともバランスの取れた情熱)などを指す
※2:質問項目は横浜国立大学久保尊洋先生からご提供
子どもの「やりとげる自信」を育てるには、試行錯誤や挑戦する機会が必要
子どもの「内発的価値(※3)や「基本的心理欲求(※4)」について聞いた質問(※5)の結果が以下です。

どの項目も8割程度が「当てはまる」と回答しており、科学館や科学イベントに来ている子どもたちの「内発的価値(項目1~3)」「基本的心理欲求(項目4~6)」が高いレベルであることがわかりました。
一方で「たいていのことをうまくやり遂げる自信がある」だけ、他の項目と比べると「当てはまる」と答えた割合がやや低めでした。
「情熱」と同様、数値が低めである「子どもの自信」を育てていくためには、科学館などの体験施設や活動で、見て楽しむだけでなく、自分で試行錯誤することができたり、新しいことに挑戦できたりして、自信につながる体験になるような工夫が求められます。
※3:動機づけの元となるやりがいや面白さ、自己成長、他者貢献など自分の内面から生まれる価値や意味のこと
※4:自分の行動を自分で決められる自律性の欲求、自分の行動がうまくいっていると感じられる有能感の欲求、他者とのつながりを感じることができる関係性の欲求という、人の心の健康と成長に必要な3つの欲求のこと
※5:両方の質問項目は横浜国立大学久保尊洋先生ご提供
科学体験が子どもの成長や興味関心の広がりに与える影響は大きい
次に、科学館や科学イベントに参加した子どもたちに、体験後にどう感じたかについて聞いた質問がこちらです。

「自分にとって新しい発見があった」「興味あることをさらに好きになった」等、科学館や科学イベントの参加を通じて、好奇心が刺激されるなどの大きな効果が見られました。
また、他の項目と比べるとやや低いながらも「将来の進路や職業のヒントになった」という効果も6割以上となっています。
科学が子どもの成長や興味の幅を広げる重要性をあらためて確認するとともに、将来や成長に役立つ経験が得られていることが明らかになりました。
自発的に来場した子どもの方が、体験後にさまざまな成長効果がある
体験後の感想に関する質問について、自発的に科学館や科学イベントに来たかどうかで結果に違いがあるのかを以下のグラフで比較しました。

グラフからは「自分でぜひ来たいと思ってきた」という子どもの方が、より高い体験効果があったことがわかります。
「進路や職業のヒントになった」の項目は、他の項目と比べて数値が低めでしたが、それでも自発的に来場した子どもの方が、そのように感じる割合は高くなっています。
なお、体験効果に関する全項目で、自発的に来場した子どもの方が、より高い体験効果を感じていることがわかりました。
子どもの「やりたい」を実現し、そのための場を提供することの重要性を再認識するとともに、子どもの興味を引き、成長を促す科学イベントやコンテンツを提供する重要性があらためて認識されました。
「自分を成長させたい」という思いや「やりたいことを選べている」かどうかが「子どもの情熱」のキーとなる要素
「子どもの情熱」「内発的価値」「基本的心理欲求」の情熱関連項目、また、体験後の実感に関する項目について、項目間の関係性を調べるために、それぞれネットワーク分析(※6)を試みました(横浜国立大学の久保尊洋先生分析)。


その結果、情熱関連項目として「子どもの情熱」と「内発的価値」、「基本的心理欲求」は、お互いに関係性があり、その中に特長的ないくつかのパターンがあることがわかりました。
例えば、各項目の中で中心的役割を担っている項目(=他の項目と関連が多い項目)は、子どもの情熱、内発的価値、心理的基本欲求の中では、「自分自身を成長させたい」「やりたいことを選べている」でした。つまり、自己成長を望む気持ちや自己決定を支えることが、子どもの情熱のキー要素になる可能性があります。
また、体験後の実感に関する項目では、体験内容に「ワクワクする、オモシロイ!と思った」「将来の自分の進路や職業についてのヒントになった」などが中心的な項目であるという結果が得られました。これらの項目が体験後の実感の中核を担っている可能性があります。
※6:人や要素など様々な関連性を視覚化し、関係性の中心的役割になる項目や、それぞれの関係性の強さの程度などを把握する分析手法のこと。線はつながりを表し、線が太いほどつながりが強く、線が多いほど多くの要素とのつながりがあることを示す。
■神奈川県ホームページ
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/bs5/cnt/f7414/
■「いこーよ」内特設ページ
https://iko-yo.net/partners/science_kanagawa/events
【運営サービスについて】
■いこーよ https://iko-yo.net/
2008年12月にサービスを開始した子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は、子育て層の約8割が利用し、全国約9.8万件の施設情報や7.5万件以上の口コミを掲載しています(2024年5月現在)。「いこーよ」は家族のおでかけがもっと楽しくなる情報を提供し、お出かけを通じて家族のコミュニケーションや子ども達の笑顔が増えることを願って運営しています。
■いこーよ子どもの未来と生きる力研究所 https://lab.iko-yo.net/
「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」は、「自分らしく生きる」ことをテーマに、そのために子どもに必要な「生きる力」とは何か、年齢ステージごとの心の成長、子どもの健やかな心の成長を促す体験などについて独自に研究・分析しています。
【企画・運営担当事業者 会社概要】
会社名:アクトインディ株式会社
所在地:東京都品川区東五反田5-22-33 TK池田山ビル2階
代表取締役:下元敬道(しももと たかみち)
設立:2003年6月
<お問い合わせ先>
アクトインディ株式会社
メール:kanagawa-s@actindi.net(担当:鎭目)
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