熱流体ジェネレーティブデザインプラットフォーム「ColdStream」販売代理店契約締結および販売・技術サポート開始のお知らせ
トポロジー最適化と熱流体解析を融合した独自の設計プロセス、日本初上陸!既存の設計や経験にとらわれない自由度の高い形状生成により、電動モーターやバッテリーの冷却性能向上や省エネを、強力に支援します。
サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:白石 善治、以下「サイバネット」)は、Diabatix nv(本社:ベルギー王国ルーベン市、以下「Diabatix社」)と日本国内で初めて販売代理店契約を締結し、Diabatix社が開発するトポロジー最適化(※1)を応用した熱流体ジェネレーティブデザイン(※2)プラットフォーム「ColdStream(コールドストリーム)」の販売および技術サポートを、2025年10月から開始することをお知らせいたします。

■高性能化・小型化に対応する熱管理の重要性と製品設計の課題
近年のものづくりでは、半導体やパワーエレクトロニクス、電動モーター、次世代バッテリー、ボイラーなどの高性能化・小型化に伴い、熱管理の重要性がかつてなく高まっています。
特にヒートシンク(放熱器)に由来する製品不具合の影響は大きく、リチウムイオン電池を搭載した製品の夏場の気温上昇における発火事故(※3)、熱波によるデータセンター冷却障害(※4)、LEDランプ交換時の不適切な装着による異常発熱・出火(※5)など、社会的な損失に直結しています。

こうした背景から、パワエレ等の設計現場では熱流体を取り入れた熱流体解析ツールが活用されています。しかし、製品の小型化・高性能化に伴って解析規模も拡大し、最適な形状を得るための試作と検証の繰り返しには膨大な時間とコストがかかるようになっています。そのため、より効率的に最適形状を導出できる、熱流体解析手法へのニーズが高まっています。
■熱流体ジェネレーティブデザインプラットフォーム「ColdStream」
熱流体を対象としたジェネレーティブデザインで、最適な流路形成を実現
近年、応力やひずみなどの構造力学を対象としたトポロジー最適化の応用が広がりを見せる一方で、熱や流れといった熱流体を対象としたツールはいまだに数少ないのが実情です。
ColdStreamは、トポロジー最適化技術を応用した熱流体向けのジェネレーティブデザインプラットフォームです。Diabatix社独自の技術により、ヒートシンクやダクトなどの設計において最適な形状生成を可能にします。
本ソリューションは、自動車、航空宇宙、ハイテク、データセンターなど、さまざまな分野で性能向上を実現しています。適用可能な領域は多岐にわたり、たとえばヒートシンクでは、熱抵抗を最大55%改善しつつ、温度均一性を80%向上させることに成功しました。これにより、電子部品の寿命が大幅に延びるとともに、同等性能での材料使用量や重量の削減も実現しています。
そのほか、バッテリー冷却プレート、電動モーター用冷却ジャケット、さらにはマニホールドシステムなどにおいても、最小限のエンジニアリング工数で圧力損失や熱抵抗の大幅な改善が可能です。


複数の出口から流量を均一化し、かつできるだけ圧力損失を上昇させないような設計が可能。
【製品概要】ColdStreamで熱設計をシンプルに(英語)
【事例紹介】革新的な冷却システムの設計(英語)
ColdStreamの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/coldstream
■Diabatix社からのコメント
プレジデント Dr. Joris Vanherzeele 氏
このたび、サイバネットとの協業を通じて、日本の製造業に貢献できることを大変光栄に思います。ColdStreamは、設計者が冷却システムを容易に検討し、抜本的な改善を行うことを可能にするソリューションです。サイバネットの持つ技術的な専門知識および業界に対する知見により、製造業の皆さまに革新的な冷却システムソリューションを提供することに尽力してまいります。
■サイバネットシステム株式会社からのコメント
取締役 松本 真周
弊社は、持続可能な社会の実現に向けたソリューションを提供しています。
近年、バッテリーやモーターなどの機器が高性能化し、産業機器の高度化も進む中で、発生する熱を効率よく除去する冷却技術の重要性がますます高まっています。Diabatix社の「ColdStream」は、冷却性能を飛躍的に進化させる熱流体のジェネレーティブデザインプラットフォームとして注目されています。効率的な冷却システムの設計・開発は、製品の性能向上だけでなく、持続可能な社会の実現にも大きく貢献すると考えております。
今後は、Diabatix社との強固なパートナーシップのもと、「ColdStream」を活用した最先端のソリューションを提供し、お客様の製品のさらなる性能向上に貢献してまいります。
■紹介セミナーのお知らせ
ColdStreamを紹介するオンラインセミナーを実施します。

セミナー名 |
ジェネレーティブデザイン×流体解析 - 次世代冷却設計で実現する小型化・軽量化 |
日時 |
2025年12月5日(金)15:00-15:30 |
会場 |
Zoomを用いたWebセミナー形式 |
定員 |
150名 |
参加料 |
無料(Webによる事前登録制) |
対象者 |
・冷却システムの設計をご担当の方 ・冷却設計の新しい手法に興味がある方 |
詳細・申込 |
https://www.cybernet.co.jp/coldstream/seminar_event/seminar/coldstream_20251205/index.html |
※ 内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
■「高機能プラスチック展」に出展します
サイバネットのブースにて、「ColdStream」のデモンストレーションをご覧いただけます。

イベント名 |
高機能プラスチック展 ―Plastic Japan― |
日時 |
2025年11月12日(水)~14日(金) |
会場 |
幕張メッセ 1~3ホール ブース番号:15-14 |
注釈
※1:トポロジー最適化:既存の設計や経験に縛られず、高い自由度で設計案の探索を支援する技術。構造解析分野では構造物のトポロジーを変化させ、重量などの目標を定めた上、所定の制約条件を満たす最適な構造を導き出す設計手法のこと。寸法最適化、形状最適化と言われるベース形状を変形させる最適化手法と異なり、応力やひずみ、熱や流れなどの物理現象に基づいて、設計空間内において適切に材料を分布させて最適な形状を表現できるのが特長。
※2:ジェネレーティブデザイン:設計者が製品の性能要件を入力すると、コンピューターが自動で性能が改善された設計案を生成する仕組み。
※3:夏場の気温上昇にともなうリチウムイオン搭載製品の事故。モバイルバッテリーやスマートフォン、電動アシスト自転車などのリチウムイオン電池搭載製品は、気温が上がる夏場に事故が増加する傾向が見られる。
【参考】「リチウムイオン電池搭載製品の事故」2025年7月22日 製品安全情報メールマガジン
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2025fy/vol481_250722.html
※4:2022年7月に英国ロンドンで発生した、米グーグル社および米オラクル社のクラウドコンピューティングサービス障害。想定を上回る気温上昇により空調機器が故障し、サーバーなどが一時的に利用できなくなった。
【参考】「GoogleやOracle、英クラウドに障害 熱波が落とし穴に」2022年7月20日 日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2033H0Q2A720C2000000/
※5:蛍光灯からLEDランプに交換する際の取り付け方を誤ったことで発生した発火・発煙事故。(独)製品評価技術基盤機構からの報告によると、2015年から去年12月までで発火などの事故が12件発生。
【参考】「蛍光灯をLEDに交換 誤った取り付け方で発火事故 注意呼びかけ」2025年3月28日 日本放送局
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250328/k10014762721000.html
Diabatix社について
Diabatix社は、発熱解析や冷却設計の最適化を専門とするベルギーのソフトウェア企業です。トポロジー最適化、ジェネレーティブデザイン、機械学習といった最先端技術を背景に、同社は「ColdStream」という使いやすいオンライン・ジェネレーティブデザインプラットフォームを開発しました。
ColdStreamを利用することで、エンジニアや設計者は最小限の手間で熱設計の作成・最適化・解析を行うことができます。このプラットフォームの目的は、エンジニアが熱マネジメントの限界を超えて新しい設計を追求できるよう支援することにあります。ユーザーは課題の条件を設定するだけで、ColdStreamが短時間で最適化された設計を自動的に提案します。
Diabatix社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.diabatix.com/
サイバネットについて
1985年の創業以来、物理学をはじめとする科学技術とデジタル技術の双方に精通した技術者集団として、製造業の開発・設計部門や大学、政府系研究機関に対し、最先端のデジタルソリューションおよび技術コンサルティングサービスを提供しています。
現在では、創業当初から取り組んできたCAEを核に、PLMやXR、インサイトITなどへ事業領域を拡大。ものづくりの工程全体におけるデジタル化を推進し、業務の効率化・高度化に貢献しています。また、これらを支える基盤として、クラウドやデータベースおよびセキュリティ関連のソリューションも提供し、企業が安心してDXを進められる環境づくりを支援しています。さらに、AIを活用した大腸内視鏡向けプログラム医療機器として、国内で初めて診療報酬加算の対象となるなど、医療AIのパイオニアとして業界をリードしています。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
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