FRONTEO、AIレビューツール「KIBIT Automator」に新アルゴリズム実装 人間に近い感性を持ち、精度と判定根拠の説明性の高さを両立
人間の優れた直観的判断能力から着想を得たコア技術をAIに搭載
近年、デジタル社会の急速な発展によりIT活用が日常化されたことで、企業の管理する電子データ量は増加の一途をたどっています。国際訴訟でのeディスカバリ(電子証拠開示)やデジタルフォレンジックにおいて、こうした膨大なデータから証拠に関連する文書を探し出すレビューは、限られた日数の中でスピードと品質の両方の担保が求められる難しい作業であり、レビュアーのスキルによる品質のばらつきや、データ量に伴い増加する作業時間と膨大なコストが大きな課題となっています。
KIBIT Automatorは、レビュー作業の大幅な効率化と質の向上に貢献するAIツールです。本製品には、これまで、文書内のワードの証拠への関連性を「重み」(ワードの証拠に関連する度合い)として算出する機能を持つアルゴリズムと、証拠に関連する文書の発見精度が相対的に高く、発見精度をレビュー前に正確に予測する機能を持つアルゴリズムの2種類のアルゴリズムが搭載されていました。これらの機能は、訴訟に関わる企業や弁護士の膨大なレビュー業務に対し、品質の均一化や効率化、作業時間・コストの大幅な削減などの効果をもたらしてきました。
今回、実装された新アルゴリズムは、従来の2つのアルゴリズムの長所を併せ持ち、さらにより高精度かつ判定根拠への高い説明性を備えるものです。人間には、文書をレビューする際に、証拠への関連性の有無を素早く正確に判断する能力があります。これが、検知したいものだけを高速かつ無意識に認識する視覚直感性の「カラーバス効果」などに類似していることにインスピレーションを受け、「人間は文書中の単語を色彩、文書全体のニュアンス(ワード出現の多寡や組み合わせ)を色合いのように捉えている」という認知モデルを着想し、そうした人間の直観的判断に近い判定を行えるアルゴリズムとして開発されました。
新アルゴリズムの搭載により、KIBIT Automatorは、ワードの重みの評価として、これまでの「正」に加え、「負」の関連度合いも示すことができるようになりました。さらに、文書全体のスコア(証拠への関連度合い)だけでなく、文書内のスコア分布を算出し、高スコア領域を同定・ハイライトする機能が搭載されました。これらの機能は、一般に特定が難しいとされるAIの判断理由について、AIがなぜその文書を高スコアと判断したかの説明性を高めることに寄与します。また、すでに本アルゴリズムを搭載している平時監査ツール「KIBIT Eye(読み:キビットアイ)」を用いた自社検証では、監査対象となるデータの抽出割合(発見精度)を閲覧率20%時で比較した際、従来のシステムでは82.5%だったのに対し、KIBIT Eyeでは99.5%と大幅に解析精度が向上したことが確認されました。なお、新アルゴリズムは汎用性が高いため、今後、FRONTEOの多様な製品に展開させ、それらの性能や機能の向上を図ることができると考えています。
FRONTEOは、新アルゴリズムを搭載したKIBIT Automatorにより、複雑かつ多様化する企業の訴訟や調査対応における作業負担軽減、効率化へのソリューションの開発・改良と高品質のサービス提供に努めてまいります。
本件単独による当社の当期業績への影響は軽微です。
■KIBIT Automatorについて URL: https://legal.fronteo.com/products/kibit-automator/
「KIBIT Automator(読み:キビットオートメーター)」は、米国民事訴訟の公判手続きで必要となる証拠開示(ディスカバリ)の中で、電子証拠開示(eディスカバリ)における文書レビューを支援するAIツールです。AIを活用して証拠資料である大容量の電子メールや電子ファイルを審査・分析し、作業効率の向上、作業担当者の負荷軽減、費用削減に貢献します。
■FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発AIエンジン「KIBIT(読み:キビット)」を用いた多様なAIソリューションとサービスを提供するデータ解析企業です。「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」ことを理念とし、膨大な量のテキストデータや複雑なネットワークの中から意味のある重要な情報を抽出して、専門家の高度な判断を支援する自然言語処理ならびにネットワーク解析技術を強みとしています。リーガルテックAI、ビジネスインテリジェンス、ライフサイエンスAI、経済安全保障の各領域で事業を展開し、さまざまな企業の課題や社会課題の解決に貢献しています。2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金3,042,317千円(2023年3月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、KIBIT AutomatorはFRONTEOの日本における登録商標です。
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