ネットワンシステムズとNTT西日本、IOWN APNを活用した次世代オートメーションの共同実験を開始
~労働人口減少に対し、AI×ロボティクス×超高速通信で多様な現場の革新をめざす~
ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:竹下 隆史、以下「ネットワンシステムズ」)とNTT西日本株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長:北村亮太、以下「NTT西日本」)は共同で、IOWN オールフォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、以下「IOWN APN」)技術を活用した分散AI・自律ロボティクス基盤構築に向けた実証実験を2025年8月27日より開始します。
本取り組みは、我が国の深刻な労働人口減少に対応するため、小売・製造・医療・社会インフラなど多様な現場における自律型オートメーションの社会実装を加速させることを目的としています。特に、大量データの処理とリアルタイム制御を可能にするIOWN APNを活用し、AIの処理負荷を分散データセンターで制御・管理する新たなシステム構成の有効性を検証します。
1.背景・目的
我が国の社会問題のひとつである労働人口の減少は、小売・製造・医療・社会インフラといった現場で、担い手不足による事業継続リスクが高まっています。これらの課題に対しては、現場の自動化と自律化が急務となっており、AI協働ロボットの導入が有力な解決手段として注目されています。市場規模も拡大傾向にあり、2030年には約656億ドル(現在の約2倍)※に達すると予測しています。特に昨今では、AI技術の進化が加速しており、状況に応じたより高度で自律的な対応を実現するAIとロボット、自動運転技術などを組み合わせた「次世代オートメーション化」に大きな期待が集まっています。
しかし、こうした先進的な自律システムを実装するためには、膨大なセンサーデータや高精細な映像・音声データをリアルタイムで処理・共有する必要がありました。ただ、従来のネットワークでは通信の遅延や帯域不足といった課題があり、ロボットの配置拠点にはGPU端末等の高性能なシステムの設置が不可欠でした。そのため、管理の複雑化や電力消費の増加、コストの上昇といった要因がボトルネックとなっていました。
※総務省「令和6年版 情報通信白書」特集②(第Ⅰ部)ロボティクスに記載の情報を基に推定
2.発表内容の概要
NTT西日本が運営するIOWN APN実証環境として、大阪京橋、堂島および福岡の3拠点を接続し、分散データセンターでAI処理を行うシステム構成の実験を実施します。また、このシステム構成上で、模倣学習によるAI基盤でのモデル学習と、IOWN APN経由での自律型協働ロボティクスの実験を実施します。
(1)実施期間
2025年8月27日~2025年9月下旬
(2)実施場所
大阪府大阪市、福岡県福岡市
(3)役割分担
ネットワンシステムズ:
・分散クラスタ型AI基盤及びIOWN APNとの統合設計・インテグレーション
・機能・性能検証、ユースケース創出とビジネスモデル検討
・模倣学習による協働ロボティクス環境の提供※
※TechShare株式会社の技術を利用
NTT西日本:
・IOWN APNに関する3拠点実証環境の構築・提供
・ユースケースの実証、ビジネスモデル検討
3.本取り組みの狙いと社会実装への展望
本実証実験では、事業ごとに異なる社会課題に対し、AI×ロボティクス×IOWN APNによる自律オートメーションの可能性を検証し、次世代フィールド業務モデルを描くことを目的としています。
たとえば、小売・製造・医療・社会インフラといった領域では、以下のような課題が顕在化しています。
・小売 :深刻化する人手不足に対する店舗業務の効率化と顧客体験の向上
・製造 :現場複雑化や熟練人材減少に対するIoT・AIを活用したリアルタイム制御と予兆保全
・医療 :医療従事者の負担増加や地域医療の格差に対する遠隔医療と院内支援
・社会インフラ:高齢化や作業員不足の深刻化に対する建設・保守作業の省人化と遠隔操作
これらの現場では、センサーやカメラから収集される膨大なデータをAIで即時に解析・判断し、ロボットに連携して行動に移す必要がありますが、従来のネットワークでは遅延や容量不足、揺らぎといった課題により、ロボットが正常に動作しないケースが確認されています。低遅延、大容量、揺らぎのない通信を実現するIOWN APNと分散クラスタ型AI基盤の統合設計を行い、即応性と拡張性を両立する次世代のオートメーションシステムによるリアルタイムなロボット制御を行います。
【協力会社】
TechShare株式会社(https://techshare.co.jp/)
ロボットアーム事業、UGV/AGVや電動4足歩行ロボットなどの移動ロボット事業、シングルボードコンピュータやセンサーの販売などのSBC事業の3つの事業エリアを核として事業展開しており、近年は、ヒューマノイドロボットの取り扱いや、模倣学習・深層強化学習に関連する製品の販売やセミナーにも注力しており、新しいソリューションの提供を強化しています。
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