チェック・ポイント・リサーチ、年次調査「AIセキュリティレポート 2026」を発表 AIはサイバー攻撃の“支援者”から“実行者”へ ー 攻防は自律型AIの新局面へ
AIが侵入攻撃を実行するようになった実態や、企業における高リスクなAI利用の急増など、AI時代のサイバーセキュリティを取り巻く大きな変化が明らかに
サイバーセキュリティソリューションのパイオニアであり、世界的リーダーであるチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(Check Point® Software Technologies Ltd.、NASDAQ: CHKP、以下チェック・ポイント)の脅威インテリジェンス部門であるチェック・ポイント・リサーチ(Check Point Research、以下CPR)は、2026年版AIセキュリティレポートを発表しました。本レポートが示すのは、この1年でAIが攻撃者を支援する存在から、攻撃そのものを主体的に実行する存在へと変わったという、決定的な変化です。
AIはこれまで、主に犯罪者の攻撃準備を支援する役割を果たしていましたが、現在では人手をほとんど介さずに、実際の侵入攻撃を実行しており、防御側の対応時間を大幅に短縮するとともに、企業全体に新たな攻撃対象領域を生み出しています。企業におけるAIの導入が、AIガバナンス体制の整備を上回るスピードで進んでいることも、この状況に拍車をかけています。日本の組織もまた同様の状況に直面しています。CPRの脅威インテリジェンスレポートによると、過去6カ月間で、日本は1組織あたり週平均1,737件の攻撃に直面しました。
本レポートは、過去1年間に実際に確認されたインシデントやテレメトリ、独自のケーススタディに基づいており、攻撃チェーンのあらゆる段階にAIが直接関与するようになったことで、セキュリティ担当者の対応にどのような変化が生じたかを明らかにしています。
AIセキュリティレポート2026の主な調査結果
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AIは今や攻撃を支援するだけでなく、実行する段階に入っている:CPRは、AIがエクスプロイトのワークフローを自律的に実行し、各ステップでの人的な指示を最小限に抑えながら、数十回にわたるセッションで数千件のコマンドを実行した侵害事例を確認しました。外部調査の報告によると、メキシコ政府の9つの機関を標的としたあるサイバー攻撃では、単独の攻撃者が2つの商用AIツールを併用し、ネットワークへの侵入と探索にはClaude Codeを、盗んだデータの分析や後続の攻撃指示にはGPT-4.1を使用し、34件の攻撃セッションでAIに計5,317件のコマンドを実行させていました。
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脆弱性の悪用可能期間が数日から数時間へと短縮:AIは現在、新たに公開された脆弱性情報から、わずか数時間で実用的なエクスプロイトを作成できるようになっています。そのため、ある政府当局では、インターネットに接続された最も重要度の高いシステムについて、義務付けられた是正対応の期限を最短12時間へと短縮しています。
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悪意ある長文のプロンプトインジェクションペイロードの検出件数が、2026年3月から5月にかけて約5倍に急増:大規模な悪意あるペイロードの急増は、間接的なプロンプトインジェクションがもはや理論上の脅威ではなく、日常的な攻撃経路として、企業にとって現実的なリスクとなっていることを示しています。
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本人確認はもはや単独では通用しないセキュリティ対策に:音声、顔、文書、リアルタイム映像は、いずれも極めて精巧かつリアルに生成できるようになっており、高度な訓練を受けた専門家でさえ、AIが生成した顔を正しく識別できた割合は約41%にとどまっています。そのため、組織は視覚的な本人確認だけに頼るのではなく、より強固な本人確認の仕組みや多要素認証(MFA)、アウトオブバンド認証へと移行する必要があります。
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企業環境における高リスクなAIプロンプトの割合が1年で倍増:企業におけるリスクの高いAIプロンプトは、およそ50回に1回から、25回に1回へと倍増しました。現在、組織では平均して月に10種類のAIアプリケーションを利用しており、その多くは組織の正式な承認を受けていません。また、87~93%の組織が、毎月少なくとも1件の高リスクなAI利用を経験しています。
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企業におけるデータ漏えいの多くは、攻撃ではなく日常的なAI利用によって発生している:データ漏えいの多くが、承認されたAIの通常利用に起因しています。従業員がAIから有用な回答を得るために、自覚している以上に多くの背景情報を共有してしまうことが原因です。
CPRのバイスプレジデントであるロテム・フィンケルシュタイン(Lotem Finkelstein)は、次のように述べています。
「1年前、私たちはAIを攻撃者の攻撃能力を増幅する存在として位置付けていました。しかし、今年私たちが確認した事実は、それ以上に重大なものです。AIは今や、実際の攻撃チェーンに入り込み、かつては高度な技術を持つチームが必要だった攻撃オペレーションをAI単独で実行するようになっています。高度な技術を持つ攻撃者とそれ以外とを隔てていた専門知識の壁は急速に消えつつあり、防御側はもはや、攻撃のペースを握っているのが人間であると想定することはできません。今後も優位性を維持できる組織とは、AI利用を適切に統制し、業務で依存しているAIシステムを保護するとともに、人間のスピードではなく機械のスピードで防御できる組織です」
防御戦略
本レポートでは、AI時代のセキュリティ確保に向けたチェック・ポイントのアプローチを反映し、3つの重要な指針に沿った対応策を整理しています。
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AIを守るセキュリティ(Security for AI):業務で利用しているAIシステムを保護する
AIエージェントやアプリケーションは、業務を支援するツールであると同時に、新たな攻撃対象でもあります。チェック・ポイントは、AIエージェントがプロンプト、ツール、データとどのようにやり取りするかをリアルタイムで管理します。さらに、AIアプリケーションに対するレッドチーミングを実施し、攻撃者に悪用される前に、AIを取り巻く攻撃対象領域を可視化します。 -
AIによる攻撃から守るセキュリティ(Security from AI):AIを悪用した攻撃のスピードと規模に対抗する
現在の侵入攻撃は、一度に数十もの標的を狙う規模にまで拡大しています。攻撃者が判断や確認を行う一方で、探索や侵入などの実作業をAIが担うケースも増えています。Check Point ThreatCloud AIは、ネットワーク、電子メール、エンドポイント、モバイル、クラウド全体で機械のスピードによる脅威防止を実現し、人間の介入を待つことなく脅威を検知・ブロックします。 -
AIを安全に利用するためのセキュリティ(Security with AI):組織全体のAI利用を可視化し、適切に管理する
本レポートで取り上げられたエクスポージャーの多くは、外部からの攻撃ではなく、従業員による日常的なAI利用に起因しています。Check Point Workforce AI Securityは、承認済み・未承認のAIサービスの利用を検出し、生成AIに入力されるプロンプトに対して、リアルタイムでデータ損失防止(DLP)を適用します。また、Threat Exposure Managementは、認証情報やデータがすでに漏えいしている可能性のある外部のエクスポージャーギャップを特定し、その解消を支援します。
AIの導入が加速する中、組織にはAIテクノロジーそのものだけでなく、企業活動においてAIが関わる全てのレイヤーを保護することが求められます。チェック・ポイントの戦略は、ハイブリッドメッシュネットワークセキュリティ、ワークスペースセキュリティ、エクスポージャー管理、AIセキュリティという、相互に連携する4つの柱を中心に構築されています。これらの機能を一体的に活用することで、分散型のネットワークを保護し、ユーザーとAI駆動型の職場環境を守り、拡大する攻撃対象領域全体のリスクを低減します。さらに、防止を優先する統合プラットフォームを通じて、AIアプリケーション、エージェント、モデル、データを包括的に保護します。
こうした3つの観点に基づく取り組みを強化するため、Check Point AI Defense Plane、AI駆動型のエクスポージャー管理機能、Check Point社内で活用するAI駆動型コードスキャンプラットフォーム「BLAST」などへの投資を継続しています。さらに、NVIDIAやOpenAIをはじめとする業界リーダーとの協業を通じて、お客様がAIを安全に導入し、その利用を拡大できるよう支援しています。
チェック・ポイント APACの最高情報セキュリティ責任者(CISO)であるジャヤント・デイヴ(Jayant Dave)は次のように述べています。
「AIは今や日常的な業務オペレーションの一部となっており、従業員の生産性向上ツールから企業アプリケーション、自律型AIエージェントに至るまで広がっています。攻撃者がAIを武器化し、数時間以内に脆弱性を悪用するこの時代において、防御側にも同様に、自社が導入したAIエージェントを保護し、脅威をリアルタイムで検知・ブロックし、組織全体でのAI利用を適切にガバナンスすることが求められています。組織がAIの導入を加速する中、データ、モデル、AI駆動型ワークフローが、高度化するサイバー脅威から確実に保護されているという確信が必要です。
重要なのは、AIそのものを保護することだけではありません。AIが攻撃対象領域をどのように変化させているかを理解することも必要です。セキュリティチームは、AI利用を把握するための可視性と、強固なガバナンスコントロール、そして事業に影響が生じる前に脅威を阻止できる防止優先のアプローチを必要としています。
チェック・ポイントはまた、業界トップレベルのパートナーとともにAI時代のセキュリティ支援の取り組みを拡大しています。AIインフラ向けにNVIDIAとの協業で開発したCheck Point AI Factory Firewallや、OpenAIとのDaybreakプログラムを通じたパートナーシップもその一環です。当社はこのプログラムを通じてOpenAIのサイバーセキュリティチームと直接連携し、防御的セキュリティにおけるフロンティアAIの安全な活用を推進しています。
チェック・ポイントは統合セキュリティプラットフォームを通じて、ユーザー、企業アプリケーション、クラウド環境、自律型エージェント、AIエコシステムを保護し、お客様の組織がAI時代のサイバーレジリエンスを構築できるよう支援しています。私たちの目標はシンプルです。セキュリティを犠牲にすることなく、イノベーションとAIを原動力とした成長を実現することです」
調査結果の詳細については、CPRのAI Security Report 2026をご覧ください。
本プレスリリースは、米国時間2026年7月13日に発表されたプレスリリース(英語)をもとに作成しています。
Check Point Researchについて
Check Point Researchは、チェック・ポイントのお客様、脅威情報コミュニティを対象に最新のサイバー脅威インテリジェンスの情報を提供しています。チェック・ポイントの脅威インテリジェンスであるThreatCloud AIに保存されている世界中のサイバー攻撃に関するデータの収集・分析を行い、ハッカーを抑止しながら、自社製品に搭載される保護機能の有効性について開発に携わっています。100人以上のアナリストや研究者がチームに所属し、セキュリティベンダー、捜
査当局、各CERT組織と協力しながら、サイバーセキュリティ対策に取り組んでいます。
ブログ: https://research.checkpoint.com/
X: https://x.com/_cpresearch_
チェック・ポイントについて
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(www.checkpoint.com)は、世界各国の10万を超える組織を保護するグローバルなサイバーセキュリティのリーダー企業です。チェック・ポイントは、企業の安全なAIトランスフォーメーションの保護をミッションとして掲げています。防止優先のアプローチとオープンエコシステムアーキテクチャを基盤に、組織がリスクを低減し、業務を簡素化して、自信を持ってイノベーションを推進できるよう支援します。チェック・ポイントの統合セキュリティアーキテクチャは、進化する脅威や拡大するAI攻撃対象領域に継続的に適応し、ハイブリッドネットワーク、クラウド環境、デジタルワークスペース、AIシステムを保護します。4つの戦略的柱であるハイブリッドメッシュネットワークセキュリティ、ワークスペースセキュリティ、エクスポージャー管理、AIセキュリティを軸に、チェック・ポイントは複雑なマルチベンダー環境全体にわたり、一貫した保護と可視性を提供します。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの全額出資日本法人、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(https://www.checkpoint.com/jp/)は、1997年10月1日設立、東京都港区に拠点を置いています。
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