【究極のノンフィクションが総結集!】『世界探検全集』全16巻、ついに完結。
「ここには未来永劫、語り継ぐべき物語がある――」角幡唯介さん、推薦!
感染症の拡大が落ち着きを見せた後も、戦争や対立などで混迷を極める現代。引き続き、かつてのような世界を跨いだ旅や移動が困難になっています。世界の広さを感じ、移動する喜び、異なる人々や異なる文化と触れ合う素晴らしさは、本来私たちの生きる喜びの一つでしたが、いまは忘れ失われつつあります。
このような閉塞感が続く時代だからこそ、あらためて人類史に燦然と輝く探検記録の数々に触れていただき、世界を訪ね、未知のものに立ち向かう勇気を知ることができる書物として、40年以上前に刊行した『世界探検全集』(全16巻)をこの度復刻刊行いたしました。
歴史を切り拓いた先人たちの偉大なる軌跡は、決して色褪せない文学であると同時に、私たちに知の欲求と好奇心を呼び覚ますきっかけとなることでしょう。
本全集の特長
1 稀代の知性が編んだ傑作全集を完全復刊
井上靖・梅棹忠夫・森本哲郎・前嶋信次ら稀代の知性が監修した全集を、内容的な変更なく全巻まるごと復刊します(初版1976年)。
2 人類史上に残る不朽の探検を厳選
近世の夜明けから、語り継がれる重要な探検を厳選。現在、入手困難な作品も多数収録しています。
3 一級のノンフィクション、価値ある文学作品
全編、世界各国の探検家が生死を賭けて記録した究極のノンフィクション。
平易で闊達な文章で訳された作品は、時代を越える文学としても価値の高いものです。
4 魅力ある “ナビゲーション” を全巻に増補
復刊にあたり、各巻に識者による「巻頭解説=ナビゲーション」を書き下ろしで増補します。
どのように読んだらよいのか、どこが魅力なのか……
いま、第一線で活躍する識者たちによって、全集に現代的な意義が与えられます。
5 装幀・組版を一新し、読みやすさを追求
クラフト紙に描き下ろしのイラストを配した、現代性と普遍性を兼ね備えたカバーデザインです。
本文組版は文字の大きさや書体に工夫をこらし、読みやすさを追求しました。
6 写真・イラストの巻頭口絵を刷新
巻頭の口絵で、作品世界を補完する写真やイラストなどを 新たに掲載し、探検の魅力を立体的に伝えます。
『世界探検全集』復刊に寄せて――ここには未来永劫、語り継ぐべき物語がある
角幡唯介氏(探検家・作家)
大海原のはるか彼方にうかぶ孤島を目にしたとき、あそこに行ってみたいと思ったことはないだろうか。あるいは天を衝く山頂を前に胸を躍らせたことはないだろうか。
ここではない、その先にある向こう側――。その存在を知ったとき、私たちの胸の内側には、こうした、いわく言いがたい探求心や好奇心がわきあがる。まだ科学的に解明されていない人体の奥底の闇の部分から、未知への不可思議な衝動はたちのぼる。すべての探検家や冒険家はこの衝動を抑えることができず、それにのみこまれ、一線を越えて行動に踏みだしてきた者たちだ。
旅と探検は人間の生の根源であり、人類はアフリカで誕生して以来、知られざる土地に広がり、そこで新たな生活をつくりあげてきた。向こう側にある世界を見てみたいという衝動それ自体は、時代を超越しており、人類に普遍の行動原理なのである。今回復刊された世界探検全集は人類史に記述される古典的探検記を集めたものだ。それだけに境界の先に向かわずにいられない人間の行動のエッセンスが凝縮されており、時代によって色褪せない文学となっている。
新しい未来は非日常との触れあいからしか生まれない。だから、ここには未来永劫、語り継ぐべき物語がある。旅をして、これまで知られていなかった異世界がまだ眠っていることに驚くこと。そして自分とは異なる人たちと肌身で触れあうこと。それこそが世界をよりよく知るための唯一の方法であり、知の永遠の原理である。
『世界探検全集』全16巻詳細
■全集ラインナップ
1『東方見聞録』マルコ・ポーロ 青木富太郎=訳 (ナビゲーション=四方田犬彦)
2『三大陸周遊記』イブン・バットゥータ 前嶋信次=訳 (ナビゲーション=高野秀行)
3『アジア放浪記』ピント 江上波夫=訳 (ナビゲーション=丸山ゴンザレス)
4『カムチャツカからアメリカへの旅』シュテラー 加藤九祚=訳(ナビゲーション=角幡唯介)
5『ニジェール探検行』マンゴ・パーク 森本哲郎/廣瀬裕子=訳(ナビゲーション=中村安希)
6『アマゾン探検記』ハーンドン 泉靖一=訳 (ナビゲーション=関野吉晴)
7『天山紀行』セミョーノフ 樹下節=訳 (ナビゲーション=森薫)
8『アフリカ探検記』リヴィングストン 菅原清治=訳 (ナビゲーション=山極寿一)
9『黄河源流からロプ湖へ』プルジェワルスキー 加藤九祚=訳 (ナビゲーション=川内有緒)
10『世界最悪の旅』チェリー=ガラード 加納一郎=訳 (ナビゲーション=荻田泰永)
11『恐竜探検記』アンドリュース 斎藤常正=監訳 加藤順=訳 (ナビゲーション=木村由莉)
12『ゴビ砂漠探検記』ヘディン 梅棹忠夫=訳 (ナビゲーション=椎名誠)
13『中央アジア自動車横断』ル・フェーヴル 野沢協/宮前勝利=訳(ナビゲーション=山田周生)
14『コン・ティキ号探検記』ヘイエルダール 水口志計夫=訳 (ナビゲーション=絲山秋子)
15『エベレスト登頂』ハント 田辺主計/望月達夫=訳 (ナビゲーション=服部文祥)
16『石器時代への旅』ハーラー 近藤等/植田重雄=訳 (ナビゲーション=角幡唯介)
■体裁・価格等
仕様:四六変型判(天地191×左右131mm)/並製/本文260〜452ページ+口絵4ページ
初版発売日:(第1回配本)2022年9月22日〜(第14回・最終回配本)2023年11月22日
各巻価格:税込定価2,178〜3,080円(本体1,980〜2,800円)*分売可
全巻揃価格:税込定価41,866円(本体38,060円)
最終回配本『中央アジア自動車横断』詳細
□内容紹介
無限軌道車によるベイルート-北京間の走破に成功。窓外の原始的な風景と内乱で緊迫する中国奥地の表情を迫真の筆緻で描き、シトロエン隊の名を高めた名著。ナビゲーション:山田周生(フォトジャーナリスト)
□著者紹介
ジョルジュ・ル・フェーヴル フランスの文筆家で探検家。地理学・民俗学への深い造詣と筆力をかわれ、1931年から1932年にかけて、フランスの自動車会社シトロエン社が組織した、無限軌道車による中央アジア探検隊に記録担当として参加。探検隊は東干の乱に巻きこまれるなど、緊迫した事態に見舞われることしばしばであったが、その一部始終を克明に描写し、みごとその期待に応えた。
□書誌情報
全集名:世界探検全集 13
書名: 中央アジア自動車横断
著者:ジョルジュ・ル・フェーヴル
訳者:野沢協/宮前勝利
仕様:四六変型判(天地191×左右131mm)/並製/本文452ページ+口絵4ページ
発売日: 2023年11月22日
価格:税込定価3,080円(本体2,800円)
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