【穂村弘氏、驚嘆!】本年度文藝賞優秀作、佐佐木陸『解答者は走ってください』、11月22日発売!

型破りな展開と、移り変わる世界線が、物語と現実の境界を突破する、破格のデビュー作!

河出書房新社

株式会社河出書房新社(本社:東京都渋谷区 代表取締役:小野寺優)は、第60回文藝賞優秀作受賞の『解答者は走ってください』(佐佐木陸=著)を、2023年11月22日に発売いたします。

今年で第60回を迎える文藝賞(主催:株式会社河出書房新社)は、1962年の創設以来、多くの新人作家を輩出してまいりました。応募総数2,018作品の中から、角田光代、島本理生、穂村弘、町田康各氏による選考のもと、第60回の文藝賞受賞作として1作品、文藝賞優秀作は2作品が選ばれ、このうち本作、佐佐木陸氏著「解答者は走ってください」は、文藝賞優秀作として選ばれました。


クイズ大会、グラミー賞受賞、国家転覆、ギターケース爆弾……。本作は、型破りな展開から始まり、現実と物語、作者と登場人物といった規定の境界線を軽々と破壊して読者を挑発する大胆な意欲作です。


先日開催された文藝賞贈呈式で選評を述べた穂村弘氏は、「我々は現実世界の中に閉じ込められているが、自分を閉じ込めた造物主や神、運命について普段うっすらと考えていて、ひどい目に遭うとこれを強く意識する。一方で小説の主人公たちは、小説の中にいることや作者のことをなぜ知覚しないのかと疑問を持っていた。この作品はこのような小説の枠を壊そうとするすごく難しいことに挑んでいる。そのスリルに惹かれた。」と絶賛。同じく町田康氏も「(佐佐木氏には)虚構を突破していく力がある。この小説にはいろいろな要素があるが、それらを書くことができるのは、作者自身がそれをまとめる怒りや悲しみといった磁力を持っているからだ。」と評しています。


そしてこのたび、本作『解答者は走ってください』を、単行本として本日11月22日に発売いたします。

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031606/


本作、そして唯一無二の創作的野心を持つ佐佐木陸氏の今後の活躍にご注目ください。


■『解答者は走ってください』作品紹介

数日前のことも憶えておらず、生まれてから部屋を出たことのない怜王鳴門(れおなるど)は、ある日「パパ上」のノートパソコンに届いた自分の過去についての物語を読み始め、喪失していた自分と世界の歴史を知ることになる。

驚異の記憶力でクイズに耽溺した過去の自分や、クイズチームで共に無双したはずの「サッちゃん」と「パパ」、そして言語を獲得した血統犬の「ベリアル」は、一体どこへ――?

型破りな展開と複数の世界線が現実と物語の境界を破壊する、究極のマルチバース小説。


■選考委員による選評(「文藝」2023冬季号からの抜粋)

「解答者は走ってください」を今回もっとも推した。これは小説を書くことについての小説、つまりメタ小説だと思う。(中略)小説の作者と登場人物の関係は造物主と人間の関係と相似的ではないか。その時、作家がより良い神であるとはどういうことか。一方、世界に閉じこめられた側の実感として、その外部の情報を暗示的にしか感受できない様子はリアルだと思う。

――穂村弘氏


四層の世界からなる意欲的な作品で好意的に読んだ。そこではいくつかの事が描かれて在るが、まとめて言うと、物語によって救われる者と物語に描かれる者を同時に描くことによって、救済の無効性と物語の罪深さを描こうとしている。

――町田康氏


■佐佐木陸氏による受賞の言葉(文藝賞贈呈式、同記者会見より)

 第60回の節目に受賞することができて嬉しい。これまでの幸運な偶然の積み重ねによって書くことができた。

魂を超えたいという衝動があって書いている。それを継続していくことは難しいが、周りの人の支えや力添えがあったからこそ書くことができた。かつて手塚治虫が「アイデアだけはバーゲンセールをしてもいいくらいある」と言ったが、これは自分も同じ。小説を実現していくことは大変だが、書くことの意欲は大いにある。


*文藝賞贈呈式は、2023年11月13日(月)、明治記念館にて開催されました。



■書誌情報

書名:解答者は走ってください

著者:佐佐木陸

仕様:四六判/上製/128ページ

初版発売日:2023年 11月22日

定価:1540円(本体1400円) ISBN:978-4-309-03160-6

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031606/

*電子書籍版も同時発売。


■著者紹介

佐佐木陸(ささき・りく)

 1990年生まれ。埼玉県出身。2023年、本作「解答者は走ってください」で第60回文藝賞優秀作を受賞。

(photo:宇壽山貴久子)(photo:宇壽山貴久子)


■「文藝賞」について

「文藝賞」は文芸誌『文藝』を母体とし、1962年から始まった小説の新人賞です。これまで、第1回の高橋和巳をはじめ、田中康夫、山田詠美、長野まゆみ、綿矢りさ、羽田圭介、若竹千佐子、宇佐見りん、遠野遥など、文学シーンに常に新たな才能を送り込んできました。

今年の「文藝賞」は第60回を迎え、受賞作は、小泉綾子「無敵の犬の夜に」に、優秀作は、本作の佐佐木陸「解答者は走ってください」、図野象「おわりのそこみえ」の2作に決定いたしました。この3作は11月22日にそれぞれ単行本を発売いたします。


■関連プレスリリース

第60回文藝賞受賞作は小泉綾子「無敵の犬の夜」に決定! 優秀作に佐佐木陸「解答者は走ってください」、図野象「おわりのそこみえ」。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000497.000012754.html


■関連サイト

雑誌「文藝」公式サイト

https://www.kawade.co.jp/np/bungei.html

次回、第61回「文藝賞」(2024年)原稿募集

https://www.kawade.co.jp/np/bungei.html

河出書房新社HP

https://www.kawade.co.jp/

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業種
情報通信
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東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
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代表者名
小野寺優
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
1957年05月