【CCCMK総研レポート】『 生活者の意識調査 ~2020年の社会や世の中は”何色”だった?~』【後半】

「色」に込められた想いや価値観、そしてポストコロナ社会への希望とは

CCCマーケティング株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:北村和彦)が設立した7000万人の思いを紡ぐ研究所「CCCマーケティング総合研究所」(以下「CCCMK総研」)は、このたび、全2回に分けて「生活者の意識調査 ~2020年の社会や世の中は”何色”だった?~」(https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-14)を実施しまとめましたので、お知らせいたします。
 

 
  • 世界中の人びとが“ゼロベース・原点”に立たざるを得なかった2020年

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に翻弄された2020年が過ぎ、私たちは新たな年を迎えています。今年こそ、withコロナの先にある「ポストコロナ」社会への一筋の希望を見出したいものです。

昨年は、これまでに私たちが経験したことのないような大きなライフスタイル(生活様式)の変化が、半ば強制的にもたらされた1年でした。一方、水面下で起きていた変化が顕在化し加速していった1年でもあったと言えるでしょう。とはいえ、昨年の3月以降、ドイツのメルケル首相が民主主義を壊さずに「弱者」を守る政策を貫いてきたこと、あるいは、武漢在住の作家方方氏の「ある国の文明度をはかる基準は、弱者に対して国がどのような態度をとるかということです。」という文言があったように、新型コロナウイルス感染症は世界中の弱者に対して、いまだ大きな脅威となっています。そういう意味では、世界に通じる私たちの社会の課題がさらに顕在化された1年でもあったのかもしれません。皆さんは、ある意味世界中が原点にリセットされたこの1年を振り返って、どのようなポストコロナ社会をイメージするでしょうか。またそれは、皆さんの中にどのような希望や課題を残したでしょうか。

本コラムでは、2020年11月16日~20日にかけて1,980人のT会員の皆さまを対象にCCCMK総研が実施したアンケートの結果に基づき、その分析内容を記しています。このアンケートでは、2020年(および2019年、2021年)の社会や世の中について『色』に例えて答えていただくというアプローチを取っています。そして、今回のコラムでは、withコロナの2020年における、私たちの社会の“現在地”を踏まえつつ、この先10年間に、生活者が抱く社会のあり方や暮らし方、働き方、ひいてはそのベースになる「価値観」や「概念」の分析を通して、いまここにある「希望」や「課題」を読み解こうと試みております。

 
  • 2020年時点の社会や世の中に求められているもの

図1は、2020年の私たちの社会はどのように位置づけられるかという設問がベースになっており、この設問では10~0までの11段階(10(とてもそうである)から5(どちらでもない)へ、そして0(まったくそうではない))のいずれかに位置付けられるかを問いています。

図1は、昨年(2020年)はどのような社会であるかということに対して、ネガティブな評価がされている項目を抜粋した結果です。一目見て明らかと思いますが、下記の7項目は、10~6(“そうである”という肯定的傾向)の構成比が相対的に低く、5(“どちらでもない”)の構成比が非常に高くなっています。
 


特に「感染症や自然災害に強い社会」、「経済格差が抑制されている社会」であることに対して、「そうでない」という否定的な傾向が目立つようです。生活者は厳しい評価を下しているようです。

「自由な社会」、「持続可能性の高い社会」、「環境保全型の社会」であることに対して「どちらでもない」という評価が4割以上を占め、生活者にとって、はっきり決められない状況であることがわかります。


さらに上記の4項目「地域間格差がある社会」、「教育機会の格差がある社会」、「世間からの同調圧力のある社会」、「ジェンダー間の格差がある社会」に関しては、「そうである(10~6)」の構成比が一番低い「ジェンダー間の格差がある社会」でも50%を越えており、格差や同調圧力の存在に対して、厳しい評価をしているようです。

さらに表1で詳細を分析していきます。分析の視点は二つです。一つは、肯定的位置づけの回答の構成比と否定的(ネガティブな)位置づけの構成比の差異はどの程度か。

もう一つは11項目における加重平均値の比較によるネガティブ度合いのチェックです。

 


2020年の社会に対して、生活者は「地域間格差がある社会」、「教育機会の格差がある社会」、「世間からの同調圧力のある社会」、「ジェンダー間の格差がある社会」という順番で、今の社会を位置付けており、次いで「感染症や自然災害に強くない社会」であり、「経済格差が抑制されていない社会」という思いをもち、さらには「社会保障が充実していない」傾向にある社会と感じているようです。

また、「リスクに対して社会全体で対応する、“セーフティネット”がある社会」、「環境保全型社会」、「持続可能性の高い社会」さらには「自由な社会」ということに関しても若干否定的なイメージを持っている傾向が見られます。コロナ禍の影響でリセットされ、原点にたった2020年から先、2021年以降を希望の10年となるようにするためにも、生活者それぞれがこれらの社会における課題や問題点を解決するようなアプローチが求められるのではないでしょうか。
 
  • この10年でデジタル化された社会はさらに加速すると推測されている

図2は、この先10年間で浸透する、広まるであろう「暮らし方、働き方、社会のあり方」の上位項目をまとめたものです。
 


トップ3は全て、デジタル化に関わる事象となりました。4割近くの生活者が「デジタル庁を軸とした電子国家化(行政手続きのオンライン化や行政情報のオープンデータ化した行政機構のこと)」、次いで「事業構造のデジタル化」、「選挙のデジタル化」という項目が続きます。3分の1以上の生活者が「選挙のデジタル化」を支持しており、社会構造自体のデジタル化は一部の周囲と違っていたいと思う生活者が支持するものではなく、社会の常識として定着化しつつあるともいえるようです。

加えて、社会構造のデジタル化という視点では、2割以上の生活者が「アナログとデジタルの長所を理解し、それを自分の頭で最適な形に組み合わせること」、2割近くの生活者がこの10年間で「デジタルテクノロジーが人の本来の価値を伸ばす社会」になることを推測しているようです。デジタル化による前向きな未来という考え方が定着しつつあるのかもしれません。

さらに3割以上の生活者は「非正規の労働者」が増えることを推測しているようです。次いで「働き方」に関しては、4分の1以上の生活者が「外国人労働者の定着と外国人との共存」、「お金のためだけに働くのではなく、自分の満足のために働く社会」を期待しているようです。また、これからは「多様性(ダイバーシティ)」の時代と言われている今、4分の1以上の生活者が「LGBTQ」が尊重される社会は広まっていくと推測しているようです。

コロナ禍の影響として、4分の1以上の生活者が「医療従事者をはじめエッセンシャルワーカーの処遇の改善」、「大都市圏からの地方移住」を求めているようです。私たちの日々の暮らしを支える人びとのことが強く意識され、都市に集中して住むことのリスクが改めて問われているようです。このような考え方も徐々に定着しつつあるのではないかと思われます。

加えて、社会課題としては、2割以上の生活者が「社会保障費の抑制」をこの10年間で期待し、さらに2割近くの生活者が「貧困状態である子どもたちへの教育の充実」が浸透することを期待しているようです。今後さらにこれらの意識が定着するか否かは、私たちのポストコロナ社会への“まなざし”次第とも言えます。

「食」の視点で問えば、2割近くが「毎日の食事による生活習慣の改善」、また6人に1人の割合で「国内での食料自給率の拡大」、あるいは「環境保全型農業(有機農産物の生産)への支援」のある社会を推測しているようですが、これらの課題は、まだ一部の生活者の意識に留まっているようです。

同様に「生活者のデータ(ビッグデータ)が人びとの幸福度をたかめるために使われる社会」であることを期待する生活者が6人に1人にすぎないのも、デジタル化社会を進めるなかで意識の定着を図っていく課題だと考えられます。

表2で、昨年のコラム(【生活者意識調査】2020年の社会や世の中は”何色”だった?)における2021年になってほしい色の回答者別に、この先10年間で浸透する、広まるであろう「暮らし方、働き方、社会のあり方」は何かという分析をしてみました。

昨年のコラムでは、2021年になってほしい色で、最も多くの回答を集めたのは「金色」で、それに「白」「オレンジ」が続く結果となり、それ以降も、「黄」「水色」など比較的明るい色が多く続いており、明るい年になってほしいという願いが表れていそうという結果を記しております。

また、「金色」を選んだ方が2021年に期待することをみると、すべての項目で全体平均を上回る期待度となっていますが、中でも「東京五輪・パラリンピックの開催」「ライブ・コンサート・スポーツイベントなどの例年通りの開催」に高い期待を寄せていることがわかりってきました。
 

 
「2021年は金色の年」と願う生活者が、この10年間に求めることのなかで、明らかに優先順位が高いのは「国政選挙をはじめ選挙のデジタル化」と「LGBTQが尊重される社会」があげられます。前向きな生活者は誰もが参加できる多様性のある社会を期待しているのかもしれません。

次いで「白色の年」を期待する生活者は「デジタル庁を軸とした電子国家化」には抵抗を感じ、非正規雇用の拡大を望まない傾向にあるようです。<昨年コラム表①>では、2020年を表す色を「白色」と回答した方の特徴的なワードとして「マスク、真っ白、白紙、激変」があげられています。「白色」には変化への抵抗の気持ちと今までの状況を白紙に変えたいという思いの二面性があるのかもしれません。
 


さらに「オレンジの年」を願う生活者は「デジタル・トランスフォーメーション」、「外国人労働者の定着と外国人との共存」、「医療従事者をはじめ、エッセンシャルワーカーへの処遇の改善」、「アナログとデジタルの長所を理解し、それを自分の頭で最適な形に組み合わせること」を、明らかに優先しているようです。ビタミンカラーともいわれる「オレンジ」のポジティブさ、親しみやすさ、人とのつながりを大切にするというイメージがコロナ禍であっても投影されているようです。

加えて特徴的なのは「緑色の年」、「黄緑色の年」を期待する生活者があげられます。「緑色の年」を期待する生活者は「デジタル庁を軸とした電子国家化」、「デジタル・トランスフォーメーション」に関して特に優先順位が高いことが特徴的です。また「黄緑色の年」を期待する生活者は「社会保障費の抑制」という社会的課題に関して積極的な反応を示しています。

最後に2020年を象徴する色であるグレーを選んだ回答者は、「選挙のデジタル化」、「外国人労働者の定着と外国人との共存」、「お金のためだけに働くのではなく、自分の心を満足させるために働く社会」、「医療従事者をはじめエッセンシャルワーカーの処遇(労働環境)の改善」、「大都市圏からの地方移住」など、コロナ禍における社会的課題や前向きな生活者が期待する働き方や、社会像に対して、消極的な対応が目立ったようです。
 
  • この10年のキーワードは「多様性(ダイバーシティ)」なのか

図3は、この先10年間で浸透する、広まるであろう「考え方、価値観、概念」の上位項目をまとめたものです。

 


トップ1の「多様性(ダイバーシティ)」は抜きんでた価値観のようです。約半数の生活者が支持しているようです。「多様性(ダイバーシティ)」を軸にこれからの社会や暮らしは組み立てられていくのかもしれません。次いで、3割以上の生活者が「効率/生産性」と回答しており、これからも「効率を高める、生産性を上げる」という文脈で社会の仕組みが評価されていくのではないかと推測されます。さらには4分の1以上の生活者が「グローバリゼーション」という価値観が今後も広まっていくと推測しているようです。とはいえ、一見「多様性」と「効率/生産性」・「グローバリゼーション」は矛盾する、あるいは相反する価値観のようにも思えます。このあたりをどのようにバランスを取っていくのか、この10年間の課題かもしれません。

そして、コロナ禍の影響かもしれませんが、2割以上の生活者が「排除/選別」が進むと推測している現状も心に留めておく必要があるでしょう。

一方で5人に1人の割合で「自由」という概念、6人に1人の割合で「SDGs」というムーブメント、7人に一人の割合で「自立共生」という価値観がさらに浸透すると回答する生活者が存在しています。コロナ禍は、生まれてきた時からある「自由」という概念に対して改めて考え直す機会を与えてくれたのかもしれません。また、コロナ禍は「SDGs」や「自立共生」という考え方を一部の生活者の思いから、多くの人びとの

関心事に拡げていく効果を生み出したのかもしれません。しかしながら、「特にない」という回答者が8人に1人の割合で存在したことも忘れてはならないでしょう。

表3で、<昨年コラム表①>における2021年になってほしい色の回答者別に、この先10年間で浸透する、広まるであろう「考え方、価値観、概念」は何かという分析をしてみました。
 


「2021年は金色」と期待する生活者は、ほぼ全体像に合致しているが、「グローバリゼーション」、「自由」、「SDGs」、「文化」、「ローカリゼーション」、「公正」に比較的に積極的な共感が見られるようです。

「白色」と願う生活者にとっては、「多様性(ダイバーシティ)」に関して、明らかに消極的な反応を示しているようです。また「特にない」という回答も比較的目立つ特徴の一つです。この場合の「白色」には現状維持(ニュートラル)や“みんな一緒”というような意識が隠されているのかもしれません。

「オレンジ」と期待する生活者にとって、明らかに優先順位の高い価値観は「多様性(ダイバーシティ)のようです。半数以上の生活者が支持しています。

さらに「黄色の年」と期待する生活者にとって、明らかに優先順位が高い概念は「自由」と「平等」があげられるようです。<昨年コラム表①>で、2020年を表す色を「黄色」と回答した方の特徴的なワードとして「注意、危険、黄信号、イエローカード」があげられています。「黄色」を願う生活者は「自由」や「平等」への危機感を共有しているのかもしれません。

また、「赤色の年」を期待する生活者にとって、特に優先順位が高い考え方は「SDGs」があげられるようです。前回のコラムで「赤」を選んだ方をみると、自由回答の方に強い危機感を感じさせるワードが多く並んでいることが目立ちます。”警告・アラート、危険・危機感、赤信号”などです。「赤色の年」を期待する生活者は、地球環境に危機感を持ち「SDGs」を進めていかなければならないと実感しているのかもしれません。

最後に2020年を象徴する色であるグレーを選んだ回答者は、「自由」、「自立共生」、「平等」に関して消極的な反応のようです。コロナ禍における「不安」や「社会の不透明さ」からまだ抜け出ていない感覚なのでしょうか。

昨年のコラム(【生活者意識調査】2020年の社会や世の中は”何色”だった?)では、”社会や世の中を『色』に例える”という方法で、生活者が抱く2020年に対する印象や2021年への希望を読み解きました。さらに、今回のコラムでは、2030年に向けて、生活者が抱く社会のあり方や暮らし方、働き方、ひいてはそのベースになる「価値観」や「概念」の分析を通して、いまここにある「希望」や「課題」を読み解こうと試みました。その試みは十分であったとは言えないかもしれませんが、『色』別で分析することで、「多様性(ダイバーシティ)」と「効率/生産性」のバランスをとれる社会づくりの端緒につけたのではないかと感じています。先行き不透明感が強かった2020年から、明るい色で満たされた2021年へ、そしてポストコロナ社会へ・・・このアンケートで生活者の皆さんが望んだような社会や世の中が1日も早く実現してほしいと願わずにはいられません。


【調査設計】
 調査地域 :全国
 調査対象者:男女・20~69歳
 サンプル数:1,980サンプル
 調査期間 :2020年11月16日(月)~11月20日(金)
 実査機関 :CCCマーケティング株式会社(Tアンケートによる実施)

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本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。

【調査内容】
 質問数:全10問
 内容:
 ・2020年の社会や世の中を表すと思う色
 ・2020年の印象に残った出来事、社会や世の中を表す色を選んだ理由となった出来事
 ・2019年の社会や世の中を表すと思う色
 ・その色を回答した理由(自由回答)
 ・2021年になってほしい社会や世の中を表す色、2021年に期待していること
 ・現代社会におけるいろいろな要素の浸透度
 ・2030年までに浸透すると思う日常・社会のありかた、価値観

【集計内容】
 ・単純集計

【注意事項】
 ・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。

【商品名/番号】
 品名:2020年総括アンケート
 番号:20_011_002

【価格】
 集計一式:12,000円(税別)

【お問合せ先】
 CCCマーケティング総合研究所
 担当:服部/杉浦
 問合せ:cccmk-souken@ccc.co.jp
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