動物実験廃止に向けた活動を推進する世界最大規模の基金『Lush Prize 2022』受賞者決定
〜 水の入った瓶にマウスを入れ、溺れさせることで人間のメンタルヘルスに関する何が見出せるのでしょうか? 〜
本件に関するリリースはこちらから
https://prtimes.jp/a/?f=d6160-20221118-6a3e03d18afea4d589ccd93548497662.pdf
ロビー活動部門受賞「小動物の強制水泳実験廃止に向けたキャンペーン」
「水の入った脱出不可能な瓶にマウスを入れることで、人間のメンタルヘルスに関する何が見出せるのでしょうか?」この質問を投げかけたニュージーランドのキャンペーン団体は、動物実験廃止のために規制当局を説得した素晴らしいグローバルプロジェクトの一例として、ロビー活動部門を受賞し、5万ポンドの賞金が授与されました。
強制水泳実験とは、ラットやマウスなどの小動物を水の入った脱出不可能なビーカーの中に入れ、小動物が「諦めて」浮くまで泳がせるという「科学的手法」のことです。この実験は、精神的に落ち込んでいるマウスは幸せなマウスよりも早く諦めてしまうという理論に基づいています。1970年にこの実験が発明されて以来、何千匹ものマウスが抗うつ剤を投与され、さらには、うつ病を誘発するように遺伝子操作がなされてから水に沈められています。
しかし当然のことながら、研究者たちはこの「実験」に価値があるのかどうか疑いを持ち始めています。大手製薬会社4社のデータを用いて行われた分析では、ある化合物が人間に有効な抗うつ薬となるかどうかを判断する上で、強制水泳実験を用いた予測は非常に精度が低いという結論が導き出されました。
Lush Prizeの審査員は、New Zealand Anti-Vivisection Societyが明らかに問題がある一つの実験に絞って話をしながらも、化学物質が人間に与える影響を解明するために様々な生物種を使用すること事態が間違っている、という大枠を指摘したことに感銘を受けたのです。
当団体の活動により、ニュージーランドの経済開発・科学・イノベーション特別委員会(2020年2月20日実施)において、この試験は「ほとんど役に立たない」と結論づけられました。
Lush Prize ディレクターのロブ・ハリソンは次のように述べています:
「Lush Prizeは10年前に設立され、すべての動物実験を廃止することを目的としてきました。特に人間の健康問題に対する解決策については、動物実験は常に誤解を招くような結果を出しているためです。New Zealand Anti-Vivisection Societyの活動から、この目標を達成するための一つの方法として、政府を説得することで実験をやめさせる方法があるということに気が付きました。また、彼らは学生などに訴えかけ嘆願書に署名してもらうことで、このキャンペーンに注目を集めることにも成功したのです。」
Lush Prizeに関する詳細情報、および受賞者に関する詳細情報はLush Prize公式サイトをご覧ください。
なお、全受賞者の情報は日本時間の11月19日(土)午前1時頃に公開される予定です。
Lush Prize公式サイト:https://lushprize.org/ja/
『Lush Prize』について
『Lush Prize』は、動物実験に頼らない研究開発支援や動物実験の廃止に向けた活動を推進することを目的に、ラッシュとエシカルコンシューマーが共同で2012年に設立し、今年で10周年を迎えます。
動物を使用しない実験分野では世界最大規模、動物実験代替法を推進し、1R※にフォーカスする唯一の賞です。「世論喚起部門」「サイエンス部門」「トレーニング部門」「ロビー活動部門」「若手研究者部門」の5分野における個人の受賞者および受賞団体へ、毎年最大総額25万ポンド(約4,000万円※)を授与しています。また、動物実験廃止に向けた法制化に向け活躍した政治家をたたえる「政治的功績部門」が今年から新たに加わりました。
ラッシュおよびエシカルコンシューマーは、毒性学(化学薬品実験)研究における動物の使用問題に対する解決を目的として、 『Lush Prize』を実施しています。動物実験は非倫理的であると同時に、化学物質が人間に与える影響を予測する方法としては、正確性に欠けるという考えのもと、動物実験の廃止を実現するために必要な活動を大きく6分野に分け、動物を使用しない研究や活動を支援し、表彰しています。
『Lush Prize』は、金銭的支援にとどまらず、受賞者の研究や活動の評価や評判を高めるほか、より優れた、最適な代替法に完全移行するために誰もが協力しあう必要性を政府や科学者、市民に対して伝える機会となっています。世界中の個人、団体、または組織がノミネートされた最終候補者リストから、研究者、学術関係者、活動家及びラッシュのスタッフから構成される独立した審査委員会の審査により選出されています。
世界中の全ての安全性試験が動物を使用しない先進的な代替法によって行われるようになるまで、動物たちは化粧品の実験台になるという恐怖から抜け出すことはできません。ラッシュは、この慣習が撤廃されてこそ、化粧品業界は「美」を扱う業界だと言えるようになると考えており、その日が来るまで継続して「Be Cruelty-Free」のメッセージを広め続けていきます。
<参考>
毎年、世界中で約1億9,200万もの動物が、化粧品のための残酷で時代遅れな安全性試験に苦しめられ犠牲になっています。使用される一般的な動物は、ウサギ、モルモット、マウスやラットなど。化粧品開発の動物実験では、化学物質を点眼したり、毛を剃った皮膚に化学物質を塗りこんだり、致死量にも相当するほどの大量の化学物質を経口投与したりするのです。ラッシュが考える、原材料や完成した商品の安全性を確認するための最も効果的で人道的な方法は、動物を使わない最先端の安全性試験とボランティアの人達による討論会です。ラッシュは、商品や成分についての動物実験を一切行っていません。第三者に動物実験を委託するサプライヤーとも関与していません。いかなる理由においても動物実験を行っているサプライヤーからは原材料を購入しない、それがラッシュの徹底したポリシーです。
動物実験について知られていない10の事実
Lush Prizeは過去10年間で、35カ国・126名の科学者や活動家、教育者に270万ポンド(約4.32億円※)を授与することで、あらゆる実験から動物たちを解放し、より高いレベルでの社会の安全を確保するために活動してきました。Lush Prizeは、世界中の革新的なプロジェクトや活動に賞を授与し資金を提供することで、製品の安全性試験のために動物を使用することを廃止したいと考えています。
私たちはこれまで、人間の安全性担保を目的としたデータを正確かつ効率的に予測するために開発された科学技術の数々に驚かされ続けてきました。しかし同時に、動物実験が今も継続され、私たちがまだ廃止に向けて闘い続けなければならないことにも驚いています。
Lush Prizeの10周年を記念して、エシカルコンシューマーに所属するサイエンスコンサルタントのレベッカ・ラム氏が、動物実験について知られていない10の事柄を紹介します。
各項目の詳細は、ラッシュの公式サイトWE ARE LUSHにてご覧いただけます。
WE ARE LUSH : https://weare.lush.com/jp/lush-life/our-giving/lush-prize/about-animal-testing/
- 動物実験はまだ続いている!
- すべての動物実験が法律で義務づけられているわけではない
- 動物実験は科学進歩の問題ではなく、伝統や習慣の問題である
- 動物実験は安全性の証明にはならない
- 動物実験は信頼性に欠ける
- 動物実験には時間とお金がかかる
- あらゆる種類の動物が実験に使用されている
- 同じ種類の動物実験が繰り返されている
- 動物実験より優れた科学技術がある
- 制度上の問題を解決しなければ、新規アプローチ法は失敗する
※ 1Rとは、動物実験の基準についての理念として3R(「Replacement(代替)」「Reduction(削減)」「Refinement(改善)」)が掲げられており、Lush Prizeでは、動物を使用しない実験方法への転換を意味する「Replacement」のみを評価しています。
※ 1ポンド160円換算
ラッシュについて
ラッシュは、新鮮な野菜や果物を使った100%ベジタリアン対応のナチュラルコスメブランドです。約9割の商品がヴィーガン対応です。エッセンシャルオイルをふんだんに使用し、動物実験をせず、可能な限り合成保存料に頼らない処方で手作りしたスキンケア、ヘアケア、バス製品などですべての人の健やかな肌や髪のために役立ちたいと考えます。原材料の新鮮さ、本質的な意味においてオーガニックであることに価値をおいて開発する商品は、フレッシュなうちに使用することで原材料の効果を最大限実感することができると信じています。「ラッシュ」の名が示す通り、毎日の生活を「みずみずしく豊か」に、よりハッピーでヘルシーなものにしたいと考えます。倫理的であること、そしてサステナビリティのその先を目指し、原材料調達から商品開発やパッケージの資材調達など、リジェネラティブであること(再生可能性)を最優先にあらゆる企業活動を行っています。なお、ラッシュの商品は、イギリスで開発され、日本のキッチンで手作りしています。( https://www.lush.com/jp/ja )
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