彼らがいなければ「アップル」も「グーグル」もなかった!? 知られざるシリコンバレー第1世代の活躍から学ぶイノベーションの本質
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷口奈緒美)は2021年4月23日に『TROUBLE MAKERS トラブルメーカーズ 「異端児」たちはいかにしてシリコンバレーを創ったのか?』(レスリー・バーリン著)を刊行しました。
- シリコンバレーはいかにして創られたのか?
これまで語られてきたシリコンバレー物語は表層的であり、本質を突いているとは言えません。
なぜならば、基本的にヒーロー物語に終始していたからです。
古い世代の代表的ヒーローがジョブズならば、新しい世代のヒーローは誰かと問うと、テスラのイーロン・マスクや、グーグルのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンを挙げる人が多いのでしょう。
ジーンズをはいた若手起業家がエンジニア的才覚を発揮し、既存秩序を破壊して一大イノベーションを起こすというのがヒーローの典型的イメージであり、痛快なサクセスストーリーで分かりやすいため好まれるのだと思います。
ですが、ヒーロー物語はシリコンバレーの一面でしかありません。
シリコンバレーが世界の情報技術(IT)ハブになれたのは、「見えざるヒーロー」の活躍によって起業エコシステムが出来上がっていたからなのです。
- 見えざるヒーローに学ぶ
「プロジェクトX」は情熱を抱いて夢を実現した無名の日本人を描いて、大ヒットしました。
本書の主人公も情熱あふれる無名のアメリカ人であり、シリコンバレーの事実上の生みの親です。「シリコンバレーの見えざるヒーロー」と言い換えてもいいでしょう。
本書の中に登場する「見えざるヒーロー」は7人。スティーブ・ジョブズより前の「第一世代」の活躍を生き生きと描きます。
「シリコンバレー」という呼び名もなかった頃に、その基礎を築いた7人の「問題児」たちの行動から、イノベーションの本質を学ぶことができます。
本書は誰もが知っているヒーローを主人公にしているわけではありません。それでもわくわくするような物語でいっぱいなのです。
【目次】
序章 ちょっと愛のようなもの
第1部 出現 1969~71
第1章 ペンタゴンのプロメテウス――ボブ・テイラー
第2章 ナードのパラダイス――アル・アルコーン
第3章 ポケットに8枚の25セント硬貨――フォーン・アルバレズ
第4章 フェアチルドレン――マイク・マークラ
第5章 これをどうしたらいい?--ニルス・ライマース
第6章 一緒に来て、でないなら自分一人で行く――サンドラ・カーツィッグ
第2部 建設 1972~75
第7章 この女性を見掛けましたか?――サンドラ・カーツィッグ
第8章 コンピューターの従来型概念にとらわれるな! ――ボブ・テイラー
第9章 稲妻に打たれる――アル・アルコーン
第10章 なせば成る――ニルス・ライマース
第11章 私が月曜日にやること――マイク・マークラ
第3部 挑戦 1976~77
第12章 机に座って仕事をする必要があった――フォーン・アルバレズ
第13章 これはとんでもなくすごいディールだ――アル・アルコーン
第14章 もう1年頑張ろう、さもなければつぶれる――サンドラ・カーツィッグ
第15章 起業なんて考えたこともなかった――ニルス・ライマースとボブ・スワンソン
第16章 これでスイッチが入った――マイク・マークラ
第17章 あれほど早くタイプする男は見たことがない――ボブ・テイラー
第18章 どこにも業界基準がない――マイク・マークラ
第4部 勝利 1979~81
第19章 1億ドルに見えるよ! ――ニルス・ライマースとボブ・スワンソン
第20章 車のチャイルドシートに座らされている――アル・アルコーン
第21章 マシンを使いこなす祖母の姿を想像できる?――ボブ・テイラー
第22章 若いマニアたち――マイク・マークラ
第23章 一体何を言おうとしているの?――フォーン・アルバレズ
第24章 おカネは要らない――サンドラ・カーツィッグ
第5部 移行期 1983~84
第25章 ウサギが逃げ出した――ボブ・テイラー
第26章 ビデオ王国――アル・アルコーン
第27章 誰よりも早く気付いていた――ニルス・ライマース
第28章 売るとは誰も思っていなかった――フォーン・アルバレズ
第29章 世界は二度と元に戻らない――マイク・マークラ
第30章 カネのために一生懸命働く――サンドラ・カーツィッグ
おわりに――次から次と
追記 その後のトラブルメーカーたち
【著者情報】
著者 レスリー・バーリン(Leslie Berlin)
シリコンバレーの郷土史家。スタンフォード大学「シリコンバレー文書保管所」のプロジェクトヒストリアン、ニューヨーク・タイムズ紙の「プロタイプ」コラムニスト、スタンフォード大学「行動科学高等研究センター(CASBS)」のフェロー。スミソニアン協会が運営する国立アメリカ歴史博物館(NMAH)「レメルソン発明・イノベーション研究センター(LCSII)」の諮問委員会メンバーも務める。スタンフォード大学で博士号(歴史学)、イェール大学で学士号(アメリカ研究)を取得。夫と一緒にシリコンバレーに住み、大学生の子どもが2人いる。バーリン夫妻は共に12歳のころからの幼なじみ。
訳者 牧野洋(まきの・よう)
ジャーナリスト兼翻訳家。慶應義塾大学経済学部卒、米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクール修士。日本経済新聞社でニューヨーク特派員や編集委員を歴任し2007年に独立。早稲田大学大学院ジャーナリズムスクール非常勤講師。著書に『福岡はすごい』(イースト新書)、『官報複合体』(講談社)、訳書に『マインドハッキング』(クリストファー・ワイリー著、新潮社)、『NETFLIX』(ジーナ・キーティング著、同)、『STARTUP(スタートアップ)』(ダイアナ・キャンダー、同)など。
【書籍情報】
タイトル:『TROUBLE MAKERS トラブルメーカーズ 「異端児」たちはいかにしてシリコンバレーを創ったのか?』
発売日:2021年4月23日
刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
仕様:四六判/728ページ
ISBN:978-4-7993-2728-9
価格:3300円(税込)
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