順天堂大学・鹿島「パーソナル・アダプティブ・スマートホスピタル共同研究講座」開設の契約締結
メタバースなどのデジタル技術で患者一人ひとりに合わせた優しい医療を実現
本講座では、超高齢社会における医療環境の課題解決に資するテーマとして、新たなデジタル技術を活用した高齢者に優しい病院づくりを検討します。患者一人ひとりに合わせた医療を行うパーソナライゼーションという考えの下、病院の建物も患者一人ひとりに合わせた空間とすることを「ホスピタルアダプテーション™」と呼び、新たな考え方として提唱します。
具体的には、順天堂東京江東高齢者医療センター(院長:宮嶋雅一、以下「高齢者医療センター」)を舞台に、(1) 「そと部屋®」(※1)を利用した認知症対策・予防、(2) メタバース(※2)を活用した情報発信と地域医療連携の推進、(3) デジタルツイン(※3)による転倒・転落予防 の3つのテーマに取り組みます。各テーマに鹿島が有するデジタル技術を適用し、効果を検証します。また、得られた成果を、順天堂大学医学部附属順天堂医院をはじめとする関連施設に展開することを視野に入れています。
鹿島にとっては、医学的見地からの自社技術の効果検証による、今後の病院設計に活かせるノウハウの獲得、高齢者医療センターにとっては、患者満足度の向上やスタッフの業務負荷軽減、経営改善が期待されます。
※1 緑などの自然の要素を室内空間に取り込むバイオフィリックデザインに、光や音などの能動的な環境制御を融合させた五感に訴えるウェルネス空間(鹿島独自技術)のこと
※2 インターネット上の仮想空間に作られた拡張世界のこと
※3鹿島では建物の企画・設計から施工までの各フェーズにおけるデータ連携を可能にするBIMによるデジタルツインを実現
<共同研究講座の概要>
1.大学名:順天堂大学(東京都文京区本郷2-1-1)
2.講座名称 :パーソナル・アダプティブ・スマートホスピタル共同研究講座
(代表 順天堂大学大学院医学研究科 服部信孝研究科長)
3.開設期間:2023年7月1日(土)から3年間
4.研究テーマと期待される成果
(1)「そと部屋」を利用した認知症対策・予防
病棟のデイルームにメタバースも体験できる「そと部屋」を設置。室内空間に外部空間の心地よさを取り入れることで、建築環境による認知症患者のQOL(生活の質)の向上およびリハビリへの効果が期待される。
(2)メタバースを活用した情報発信と地域医療連携の推進
メタバース空間を用いた新たなコミュニケーション技術で、閲覧者がより現実に近い体験ができるコンテンツの発信が可能。また、転院先選びの納得感や施設間引継の意思疎通が向上し、業務の効率化が図れる。
(3)デジタルツインによる転倒・転落予防
過去のデータから入院患者の転倒・転落リスクを分析し、分析結果をデジタルツインに重ね合わせて情報発信。看護師が当該情報を事前に確認することで事故防止につなげる。
(参考)
五感に訴えるウェルネス空間「そと部屋®」を開発(2019年10月17日鹿島プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/201910/17a1-j.htm
日本初!建物の全てのフェーズでBIMによるデジタルツインを実現(2020月5月11日鹿島プレスリリース)
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