協和発酵バイオ株式会社の現地法人THAI KYOWAでHMO(ヒトミルクオリゴ糖)生産設備が完成
~HMO入り粉ミルクは欧米で継続的に伸長※1し、アジアでも需要拡大が期待。成長市場に独自の生産技術※2で参入 ~
協和発酵バイオは、2000年に世界で初めて※2工業レベルで大量生産が可能なHMO生産システムを構築しました。今回、消費拡大が見込まれるアジアへの展開と、優秀な人材やHMOの生産に必要な原材料が確保できる利点を踏まえ、キリングループのエンジニアリング部門の知見と技術を集約させてTHAI KYOWA生産設備を建設しました。HMOの製造は今年から開始し、2023年から粉ミルクメーカーなどへの販売を始めるとともに、キリングループ内での商品開発も行い、HMOのニーズが高い世界各国への展開を目指します。
なお本件は、「BOI(Board of Investment:タイ投資委員会)投資奨励恩典」を取得しています。
※1 Barclays, “HMOs the next frontier of Infant Formula innovation”, March 2022
HMO入り粉ミルク市場の年平均成長率は、2022年~2027年にかけての予測値
※2 Tetsuo Endo et. al.,Appl. Microbiol. Biotechnol. 53, 257-261(2000)
※3 数個の単糖が結合した糖類。HMOは主にグルコース、ガラクトース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルノイラミン酸によって構成される。
【HMO生産設備の概要】
1、設備概要 HMO生産設備(培養・精製・充填工程)
2、建設開始 2020年11月
3、生産品目 HMO 3品目(2FL、3SL、6SL)
※2FL:2’-フコシラクトース、3SL:3’-シアリルラクトース、
6SL:6’-シアリルラクトース
4、製造能力 約300トン/年
5、商業生産開始 2022年11月
【HMOの生産開始に向けて】
キリンホールディングスは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(以下、KV2027)」の実現に向けて、医から食にかけての領域「ヘルスサイエンス事業」に大きく舵を切りました。その中で、協和発酵バイオという会社は、このヘルスサイエンス事業の中核を担うべき企業です。とりわけ「THAI KYOWA」の担う役割は大きく、今回竣工した新設備はHMOの世界需要にお応えしていくために必要不可欠な製造ラインです。私たちは、HMOの製造販売を通して、乳幼児の健康課題解決に貢献してまいります。
HMOは、乳幼児にとって重要な母乳成分であり、人々の健康と豊かさのお役に立てる素材だと信じています。世界中の乳幼児の健全な発育と成長に寄与するために、私たちTHAI KYOWAは、安全で安定的に高品質なHMOの製造を実現します。またタイでの雇用を創出することで地域活性化に貢献し、タイと日本の架け橋となることを目指してまいります。
HMO(ヒトミルクオリゴ糖)とは
HMO (Human Milk Oligosaccharide: ヒトミルクオリゴ糖) は母乳に含まれるオリゴ糖*の総称で、 母乳に含まれる固形成分の中で、ラクトース、脂質に次ぐ、三番目に多い成分です。これまでに200種類以上のHMOが母乳から発見されています。
牛乳や他哺乳類由来の乳にはほとんど含まれず、特にヒトの初乳に多く含まれることから、乳幼児にとって重要な成分であることが知られています。
*オリゴ糖: 数個の単糖が結合した糖類。HMOは主にグルコース、ガラクトース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルノイラミン酸によって構成される。
HMOの機能
HMOはビフィズス菌などの善玉菌の栄養素となる物質、プレバイオティクス*です。ヒトの消化酵素によって代謝されず大腸まで到達し、腸内細菌によって代謝され、さまざまな生理機能を発揮します。HMOの研究が進むにつれ、乳児の重要な母乳成分としてだけでなく、「機能性成分」としての働きが期待されています。
*プレバイオティクス:人体に有益な微生物の選択的栄養源となり、それらの成長や増殖を促す物質
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