光ファイバセンシング技術を鉄道に!
〜JR西日本・NTT西日本、革新的な鉄道オペレーションに向けた共同検証を開始〜
西日本旅客鉄道株式会社(代表取締役社長:倉坂 昇治、以下「JR西日本」)と、NTT西日本株式会社(代表取締役社長:北村 亮太、以下「NTT西日本」)は、通信用光ファイバを振動センサーとして活用する光ファイバセンシング技術を鉄道分野に応用するため、共同検証を本格的に開始しました。
1.鉄道オペレーションの課題と背景
鉄道の安全・安心な運行を維持するためには、運行状況や設備状態を的確に把握することが不可欠です。現在、鉄道インフラの監視や点検には多くの保守要員を必要としていますが、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、保守体制の維持が大きな課題となっています。
NTT西日本は、光ファイバセンシング技術を多様な現場での展開をめざしており、その技術をJR西日本の広範囲に展開している鉄道設備に応用することで、少人数でも高精度に常時モニタリングできる仕組みの検討を進めています。
2.光ファイバセンシング技術の特長
本技術は、光ファイバに光を入射し、反射して戻ってくる光の変化を解析することで、変化が発生した場所とその内容を把握することが可能です。1台のセンシング装置で、数十kmにわたる線路沿いの振動を連続的に検知できるため、広範囲かつ高精度な状態把握を実現します。また、物理接触が不要なセンシングであるため、保守要員が設備に直接触れることなく振動や異常を検知でき、安全性の向上にも寄与します。
参考:2024年9月 NTT西日本 報道発表
「光ファイバセンシング機能を付与した IOWN オールフォトニクス・ネットワークにおいて広域での交通流モニタリングを実現」
https://www.ntt-west.co.jp/news/2409/240930a.html
3.基礎研究の概要と成果
図1の検証環境にて、線路状態のモニタリングに関する基礎研究を実施しました。
取得したデータの解析により、列車の走行位置を高精度に検知できることが確認され(図2)、光ファイバセンシング技術の有効性を示す重要な知見が得られました。


4.技術の応用展開と今後の方向性
線路沿いに敷設された通信用光ファイバを振動センサーとして活用することで、新たな設備投資を抑えつつ、広域かつ高精度な鉄道設備や周辺環境の常時モニタリングを実現します。
既設の光ファイバとセンシング技術を組み合わせることで、鉄道設備や周辺環境の変化を継続的に把握し、多様な課題の解決につながる新たな可能性の創出をめざしています。
まずは列車位置検知を深度化するとともに、落石・倒木の検知や設備異常検知などの技術検証を進めることで列車運行中の安全確保にも寄与し、乗客にとって安心・安全な移動環境の実現を図ります。将来的には、設備構成の簡素化なども視野に入れながら、鉄道オペレーションの革新に向けた新たな価値創出に取り組んでまいります。
なお、本取り組みについては、2025年11月26日(水)〜29日(土)に開催される 「第9回鉄道技術展2025」において、JR西日本が基礎研究の成果を紹介する予定です。
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