日本IBMが半導体設計をカードゲームで学べるハンズオン教材を開発し、北九州市から半導体設計人材育成の取り組みを開始
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下 日本IBM)は、半導体設計を疑似体験で学べるハンズオン教材として、カードゲーム「The Game」を開発しました。今後、日本IBMが全国に展開するIBM地域DXセンターを中心に、カードゲームを通じた学習を通じて半導体設計人材の育成を国内で展開していきます。第一弾として北九州市では、2024年10月に北九州市立大学主催でカードゲームを活用した無料の半導体設計セミナーを開催します。
半導体チップの開発・製造工程は、要件定義やそれに基づいた配線回路を設計する「設計工程」、設計をもとに電子回路を半導体ウェハーに形成する「前工程」、チップへ切り取って組み込む「後工程」の3段階があります。現在、半導体業界では人材不足が大きな問題となっており、技術者の高齢化が進む中、若い技術者の育成が急務となっています。多数の産学官が製造分野の人材育成に注力していますが、設計行程について学べる書籍やツールは数少なく、人材育成の手段や機会は非常に限定的です。ビジネスが急成長している半導体業界において、技術面とビジネス面の両面の教育を拡充し、半導体関連企業で活躍する半導体設計人材を増やすことは、日本の半導体産業の成長にも繋がります。
そこで半導体設計の人材育成強化のため、日本IBMは、システム・オン・チップ(SoC)設計(*1)を学べるカードゲーム「The Game」を開発しました。「The Game」は、半導体の用途、要件、予算などの与えられた制約の中で、性能とコストを考慮しながら、半導体回路の構成要素であるIPコアを選択して組み合わせ、実践的に全体回路を設計するゲームです。コンポーネントの説明も記載されており、わかりやすいカードゲームを通じて、文系・理系問わず、中学生から現場で役立つ半導体設計を学習することができます。
日本IBMは、全国に展開するIBM地域DXセンターを中心に、「The Game」を活用した半導体設計人材育成の取り組みを全国に拡大していきます。第一弾として、10月26日と27日の2日間にわたり、北九州市立大学主催、北九州市、北九州産業学術推進機構、日本IBM、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス共催で、「The Game」を用いて半導体設計を学べる「システム・オン・チップ(SoC)設計セミナー」を実施します。本セミナーでは、講義と、カードゲームを使った実習により、短期間で半導体設計に必要な知識を身に着けることを目指します。対象は高校生以上で、先着30名が参加費無料でご参加いただけます。
IBM九州DXセンターは、北九州市との連携協定に基づき、産学官で人材育成に取り組んでいます。北九州市には半導体関連産業が多く集積しており、半導体工場に特化した製造実行システムであるSiViewの開発運用の一拠点としても拡大していきます。日本IBMは、長年世界の半導体市場を切り拓いてきたIBMならではのノウハウと実績をもとに、IBM九州DXセンターを中心に、北九州市から人材育成の取り組みを開始し、日本から世界へ活躍する半導体人材の育成を目指します。
IBM地域DXセンターについて
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社では、システム開発と運用を先進的なテクノロジーや手法を活用しながら、より開発や運用の高度化を目指し、お客様や協力会社と共創する「IBM地域DXセンター」を、北海道札幌市、沖縄県那覇市、宮城県仙台市、福岡県北九州市、広島県広島市、香川県高松市、長野県長野市、千葉県千葉市に展開しています。IBM地域DXセンターでは、最新テクノロジーを活⽤してリモートでITサービス(設計・開発・移⾏・保守運⽤)を導⼊するダイナミック・デリバリーを推進し、新しい働き⽅や地域におけるDX⼈材の育成に取り組んでいます。詳しくは、以下をご覧ください。
https://www.ibm.com/jp-ja/about/subsidiaries/ijds/regional-dx-center
*1: 様々なコンポーネント(CPU、GPU、メモリなど)を1つに統合して、デバイスの小型化、省電力化、高性能化を実現する技術。SoCの設計は、製品に応じてコンポーネントの選択と接続をカスタマイズする。
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