マイナ保険証、61.1%が実際に医療機関で使用経験あり|マイナ保険証に関する調査
「マイナ保険証」利用登録率61.1%、うち61.1%が実際に医療機関で使用経験あり。マイナンバーカードによる「選挙投票の電子化」を望む割合43.8%。
生活者を起点にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年11月15日(金)~2024年11月18日(月)の4日間、全国の20歳以上の男女を対象に「マイナ保険証」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
2021年10月20日から本格運用された「マイナ保険証」。
運用開始当初、情報の紐付けミスや端末のエラーなどといったトラブルが全国で相次いだこともあり、不安の声も多数挙がっていましたが、2024年12月2日より、ついに現行の健康保険証は廃止に。「マイナ保険証」の一本化がスタートします。
それに先立ち、厚生労働省では「マイナ保険証」のメリットや使い方の周知が急ピッチで進められていますが、生活者側はどのような意識を持っているのでしょうか。
そこで今回は生活者に対し「マイナ保険証」への賛否からメリットへの理解度、トラブル経験率などをお聞きしました。是非、今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の20歳以上の男女のうち、マイナンバーカードを持っている人
有効回答数:1,000名
調査実施日:2024年11月15日(金)~2024年11月18日(月)
「マイナ保険証に関する調査」主な質問と回答
◆マイナンバーカードを保険証として、医療機関などで使用したことはあるか:使用経験率は61.0%だった。
全体の半数以上が、利用登録だけでなく実際に医療機関などで使用した経験を持つことがわかった。また、妊娠・出産関連の受診や子供の医療機関受診の付き添いなど、女性の方がより医療機関に訪れる機会が多いからか、使用率は女性の方がより高い傾向にあった。
◆マイナンバーカードで、利用できたらいいと思うサービスは:「選挙投票の電子化」に43.8%、「税務関連の手続き」「社会保障関連の手続き」「予防接種履歴や健康診断結果の管理・確認」に30%強集まる。
「利用拡大は望まない」と、マイナンバーカードに消極的な立場が全体の30.7%集まる一方で、「選挙投票の電子化」「税務関連の手続き」「社会保障関連の手続き」「予防接種履歴や健康診断結果の管理・確認」の4つを望む割合はそれを上回っていた。
はじめに、スクリーニング調査にてマイナンバーカードの有無をお聞きしました。
マイナンバーカード保有率(n=2,217)
保有率は85.6%でした。
住民票の写しなどをコンビニで取得できたり、オンライン上のサービスの本人確認が1枚でスムーズにできたりと、普段から使えるシーンも多いマイナンバーカードですが、作っただけで放置している割合も26.6%と、一定数存在していました。
マイナンバーカードは事前に「健康保険証」として利用登録することで、健康保険証の代わりに使用することができます。(※利用登録されたマイナンバーカードは、「マイナ保険証」と呼称)
このことについて知っているか、お聞きしました。
マイナンバーカードを保険証として利用できることの認知度(n=1,000)
全体の97.1%と、大多数が知っているという結果に。
男女ともに「30代」ではやや認知度が下がるものの、どの年代においても90%を切ることはなく、「マイナンバーカードを健康保険証の代わりに使用できること」自体は満遍なく周知できていることがわかりました。
マイナンバーカードを健康保険証として利用登録することに対してどのように感じているか、お聞きしました。
以下は、全体の結果と、TOP2のみ・Bottom2のみをピックアップしたグラフを表示しています。
マイナンバーカードを保険証として利用登録することに対してどのように感じているか(n=1,000)
全体的に「どちらともいえない」と回答した割合が多かったものの、どの層においても賛成派(「賛成」「どちらかといえば賛成」の合算)が優勢でした。
また、性別では「男性」が、年代別では「20代」が、より賛成率が高い傾向にありました。
前掲した設問【マイナンバーカードを保険証として利用登録することに対してどのように感じているか】にて「どちらかといえば反対」「反対」と回答した人に対し、その理由をお聞きしました。
マイナンバーカードを保険証として利用登録することに反対する理由(n=178)
「カードの紛失・盗難が心配だから」が53.9%でトップ、そこに「個人情報の漏えいが心配だから」が52.2%と僅差で続きました。
健康保険証の機能も備わったマイナンバーカードは、もし紛失してしまった場合、個々人の医療情報といったセンシティブな部分まで流出してしまうリスクがあります。現状の政府のマイナンバーカード偽造対策などへの不安もあってか、慎重になる人も多いようです。
逆に「高齢者やITが苦手な人だと不便だと感じるから」「利用登録や設定が難しく、使いづらいと感じるから」といったITスキル不足にかかわる反対理由は比較的少ない傾向でした。
マイナンバーカードを健康保険証として利用登録する、メリットへの理解度をお聞きしました。
マイナンバーカードを保険証として利用登録するメリットへの理解度(n=1,000)
どの年代においても、半数以上が理解を示しました(※1)。
前掲した設問【マイナンバーカードを保険証として利用登録することに対してどのように感じているか】では反対派(※2)が「男性60代以上」において最も多くなっていましたが、本設問の「メリットへの理解度」においても「男性60代以上」は64.0%と高い割合に(※1)。
この数値は「男性40代」に続き2番目に高い割合です。
つまり、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録するメリットをある程度理解した上で、登録に反対している人が少なくないようです。
※1・・・「よく理解している」「ある程度理解している」の合算
※2・・・「どちらかといえば反対」「反対」の合算
実際に、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録しているかをお聞きしました。
以下は、全体の結果と、利用登録者のみ・利用登録予定者のみをピックアップしたグラフを表示しています。
実際にマイナンバーカードを保険証として利用登録しているか(n=1,000)
現在の利用登録率は全体の61.1%で、登録予定者を合わせると82.2%にまで上昇見込みです。
最も低い「20代」であっても56.5%と、半数以上が利用登録を済ませていることがわかりました。
前掲した設問【マイナンバーカードを保険証として利用登録することに対してどのように感じているか】では反対派(※)が「男性60代以上」において最も多くなっていましたが、本設問における利用登録率にも「男性60代以上」がトップに。
必要に迫られて利用登録したものの、納得はしていないという人が多いのかもしれません。
※・・・「どちらかといえば反対」「反対」の合算
前掲した設問【実際にマイナンバーカードを保険証として利用登録しているか】にて「利用登録している」と回答した人に対し、医療機関などでの使用経験はあるかお聞きしました。
マイナンバーカードを保険証として、医療機関などで使用したことはあるか(n=611)
全体の使用経験率は61.0%でした。
「マイナ保険証」自体は2021年10月20日から既に本格運用されていたものの、依然としてそれまでの健康保険証を使い続ける人が多く、2024年8月時点で使用率は12.43%にとどまっていました。
2024年12月2日の現行健康保険証廃止が差し迫る中で、利用登録・使用が一気に進んだのかもしれません。
また、妊娠・出産関連の受診や子供の医療機関受診の付き添いなど、女性の方がより医療機関に訪れる機会が多いからか、「マイナ保険証」の使用率も女性の方がより高い傾向にありました。
20代・30代においては、男女でそれぞれ15.8ポイント・18.4ポイントもの差が生じています。
マイナンバーカードに関して、何かトラブルを経験したことはあるか、お聞きしました。
以下では、「特にトラブルを経験したことはない」(74.6%)を除く全8項目を表示しています。
マイナンバーカードに関して、何かトラブルを経験したことはあるか(n=1,000)
全体において「マイナンバーカードの読み取りエラー」が10.7%でトップに。
前掲した設問「マイナンバーカードを保険証として利用登録することに反対する理由」では「カードの紛失・盗難が心配だから」と「個人情報の漏えいが心配だから」が上位2項目となっていましたが、実際に遭遇した・発見されたトラブルとしてはエラーが最も多いことがわかりました。
前掲した設問【マイナンバーカードを保険証として、医療機関などで使用したことはあるか】にて
「使用したことがある」と回答した人に対し、これまでマイナンバーカードを保険証として利用した際に、トラブルを経験したことはあるかをお聞きしました。
以下では、「特にトラブルを経験したことはない」(72.1%)を除く全9項目を表示しています。
マイナンバーカードを保険証として利用した際に、トラブルを経験したことはあるか(n=373)
全体において「医療機関がマイナ保険証に対応していなかった」が8.8%で最多となりました。
2023年4月より全ての医療機関で「マイナ保険証」への対応が義務化されたため、このトラブルが今後生じることがありません。
問題なのは「認証システムがうまく動作せず、認証に失敗した」や「医療機関の受付でシステムが混雑していて時間がかかった」といったシステムトラブルがそれぞれ約6〜7%生じていることでしょう。
現行の健康保険証による代替措置が取れなくなる2024年12月2日(廃止後も最長1年間の猶予期間あり)以降は、こうしたシステムトラブルはより深刻な問題となるため、迅速なシステム強化が望まれます。
マイナンバーカードや「マイナ保険証」の利用に際して、セキュリティ面の不安をどの程度感じているか、お聞きしました。
以下は、全体の結果と、TOP2のみ・Bottom2のみをピックアップしたグラフを表示しています。
マイナンバーカードや「マイナ保険証」の利用に際し、セキュリティ面の不安はどの程度感じているか(n=1,000)
年代が上がるにつれ、セキュリティ面への不安が高まる傾向に。
また、全年代において男性よりも女性の方がセキュリティへの不安を持ちやすいことがわかりました。
マイナンバーカードで利用できたらいいと思うサービスについて、お聞きしました。
マイナンバーカードで、利用できたらいいと思うサービス(n=1,000)
「利用拡大は望まない」と、消極的な立場が全体の30.7%集まる一方で、「選挙投票の電子化」「税務関連の手続き」「社会保障関連の手続き」「予防接種履歴や健康診断結果の管理・確認」を望む割合も、それぞれ30%以上集まっています。
特に、手続き系のサービスを「選挙投票の電子化」が上回ったことは注目すべき点でしょう。
投票率が低いとされている20代においても、男女ともに38.0%集まっています。
■この調査のその他の質問
・現行の健康保険証が今後使用できなくなることを知っているか(単数回答)
・現在のマイナンバーカードへの満足度(単数回答)
・マイナンバーカードの利用範囲が広がっていくことについて、どのように思うか(単数回答)
・個人情報を保護するために、現在おこなっている対策(複数回答)
など
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://corp.neo-m.jp/service/research/quantitation/netresearch-domestic/
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「生活者を起点にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
すべての画像