IBM、Granite 3.0を発表:ビジネスのために構築された高性能なAIモデル

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  • 新しいGranite 3.0 8Bおよび2Bモデルは、寛容型のApache 2.0ライセンスのもとでリリースされ、多くの学術および企業ベンチマークで強力なパフォーマンスを示し、同規模のモデルを上回る、または匹敵する性能を発揮

  • 新しいGranite Guardian 3.0モデルは、IBMの最も包括的なガードレール機能を提供し、安全で信頼できるAIを推進

  • 新しいGranite の時系列モデルは、ゼロ/少数ショットの予測において最先端の性能を実現し、10倍以上のサイズのモデルを凌駕

  • Graniteを搭載した汎用コーディングのための次世代watsonx Code Assistantを発表。watsonx.aiでAIアプリケーションおよびエージェントの構築と展開のための新しいツールを初公開

  • 新しいソリューションをより迅速にお客様に提供するために、IBMの16万人のコンサルタントが使用するAIを活用したデリバリー・プラットフォームConsulting Advantageのデフォルト・モデルとしてGraniteを採用

【米国ニューヨーク州アーモンク - 2024年10月21日現地時間 発 】

IBMは本日、年次イベント「TechXchange」において、これまでで最も先進的なAIモデル・ファミリーであるGranite 3.0のリリースを発表しました。IBMの第3世代Graniteのフラッグシップ言語モデルは、重要なベンチマークにおいて、主要なモデル・プロバイダーが提供する同規模のモデルを上回る、もしくは匹敵し、クラス最高の性能、透明性、安全性を示しています。

オープンソースAIに対するIBMのコミットメントに基づき、Graniteモデルは、お客様やコミュニティー全体に提供する性能、柔軟性、権利の組み合わせにおいて他に類を見ないものとなるよう、寛容型のApache 2.0ライセンスのもとでリリースされます。

IBMのGranite 3.0ファミリーには、以下が含まれます:

  • 一般/言語 :Granite 3.0 2B Instruct、Granite 3.0 8B Base、Granite 3.0 2B Base

  • ガードレールと安全性:Granite Guardian 3.0 8B、Granite Guardian 3.0 2B

  • 混合エキスパート:Granite 3.0 3B-A800M Instruct、Granite 3.0 1B-A400M Instruct、Granite 3.0 3B-A800M Base、Granite 3.0 1B-A400M Base

新しいGranite 3.0 8Bおよび2B言語モデルは、エンタープライズAI向けの「主力」モデルとして設計されており、検索拡張生成(RAG)、分類、要約、エンティティー抽出、ツール使用などのタスクで強力なパフォーマンスを発揮します。これらのコンパクトで汎用性の高いモデルは、企業データで微調整し、多様なビジネス環境やワークフローにシームレスに統合できるように設計されています。

多くの大規模言語モデル(LLM)が一般に公開されているデータで学習されている一方、企業データの大部分は未利用のままです。IBMとRed Hatが今年5月に発表した画期的なアライメント技術であるInstructLabを活用し、小規模なGraniteモデルを企業データと組み合わせることで、企業は大規模なモデルに匹敵するタスク固有のパフォーマンスを、わずかなコストで達成できるとIBMは考えています(いくつかの初期の概念実証において、大規模なフロンティア・モデルよりも3倍~23倍コストが低いことが確認されています*1)。

Granite 3.0のリリースは、AI製品の透明性、安全性、信頼性の構築に対するIBMのコミットメントを再確認するものです。Granite 3.0のテクニカル・レポートと責任ある利用ガイドは、これらのモデルの学習に使用されたデータセットの説明、適用されたフィルタリング、クレンジング、キュレーションの手順の詳細、および主要な学術ベンチマークと企業ベンチマークにわたるモデルのパフォーマンスの包括的な結果を提供します。

重要な点として、IBMはwatsonx.ai上のすべてのGraniteモデルに対してIP補償を提供しており、企業のお客様は、より確信を持って自社のデータをモデルに統合することが可能です。

ハードルを上げる:Granite 3.0のベンチマーク
Granite 3.0言語モデルは、基本性能評価においても有望な結果を示しています。

Hugging FaceのOpenLLM Leaderboardによって定義された標準的な学術ベンチマークにおいて、Granite 3.0 8B Instructモデルの全体的な平均性能は、MetaやMistralの同規模の最先端のオープンソース・モデルを上回っています。IBMの最先端のAttaQ安全性ベンチマークでは、Granite 3.0 8B Instructモデルは、MetaやMistralのモデルと比較して、測定した安全性のすべての基準で上回っています*2。

RAG、ツールの使用、およびサイバーセキュリティー領域のタスクの中核となる企業タスクの全体にわたって、Granite 3.0 8B Instructモデルは、MistralやMetaの同規模のオープンソース・モデルと比較して、平均してトップクラスのパフォーマンスを示しています*3。

Granite 3.0モデルは、日本語を含む12種類の自然言語と116種類のプログラミング言語から収集された12兆トークンを超えるデータを利用して、データ品質、データ選択、学習パラメーターを最適化するために設計された数千の実験結果を活用した新しい2段階学習法を用いて学習されました。年末までに、Granite 3.0 8Bおよび2B言語モデルは、拡張された128Kのコンテキスト長とマルチモーダル文書理解機能をサポートする予定です。

IBMは、パフォーマンスと推論コストのバランスに優れたGranite 混合エキスパート・モデル、Granite 1B A400MおよびGranite 3B A800Mを、CPUベースの展開だけでなく、低レイテンシーのアプリケーションにも展開可能な小型軽量モデルとして提供しています。

IBMはまた、今年初めに最初のバージョンがリリースされた、事前学習済みのGranite時系列モデルの更新版のリリースを発表します。これらの新しいモデルは、3倍以上のデータで学習され、3つの主要な時系列ベンチマークすべてにおいて、GoogleやAlibabaなどが提供する10倍以上のサイズのモデルを上回る、強力な性能を発揮します。更新されたモデルはまた、外部変数とローリング予測をサポートすることで、より柔軟なモデリングを提供します*4。

Granite Guardian 3.0のご紹介:責任あるAIの次の時代を切り拓く
IBMは、今回のリリースの一環として、アプリケーション開発者がユーザーのプロンプトや大規模言語モデル(LLM)の応答を、さまざまなリスクの観点から確認することで安全対策を導入できるGranite Guardianの新シリーズも発表しています。Granite Guardian 8Bおよび2Bモデルは、現在市場で入手可能なリスクおよび有害性検出機能の中で最も包括的なセットを提供します。

社会的偏見、憎悪、攻撃性、冒涜、暴力、ジェイル・ブレイキングなどの有害性に加えて、これらのモデルは、根拠、文脈の関連性、回答の関連性といったRAG特有のチェックも提供します。 19の安全性とRAGベンチマークにわたる広範なテストにおいて、Granite Guardian 3.0 8Bモデルは、MetaのLlama Guardモデルの3世代すべてよりも、有害性検出において全体的に高い平均精度を示しました。また、ハルシネーション検出においても、このタスクに特化したモデルであるWeCheckやMiniCheckと比較して、平均して同等の総合的な性能を示しました*5。

Granite Guardianモデルは、対応するGraniteの言語モデルから派生したものですが、オープンまたは専有のAIモデルと併用してガードレールを実装するために利用することもできます。

Granite 3.0モデルの提供形態
全てのGranite 3.0モデルと更新版の時系列モデルは、Hugging Face上で寛容型のApache 2.0ライセンスのもとでダウンロード可能です。新しいGranite 3.0 8Bおよび2B言語モデルとGranite Guardian 3.0 8Bおよび2Bモデルの指示追従モデルは、IBMのwatsonxプラットフォーム上で商用利用が可能です。Granite 3.0モデルの一部は、NVIDIA NIMマイクロサービスとして、またGoogle CloudのVertex AI Model GardenとHugging Faceとの統合を通じて利用できるようになります。

開発者に選択肢と使いやすさを提供し、ローカルやエッジ展開をサポートするため、Granite 3.0モデルの厳選されたセットは、OllamaとReplicateでも利用できます。

最新世代のGraniteモデルは、IBMの強力なLLMの強固なオープンソース・カタログを拡張します。IBMは、AWS、Docker、Domo、Qualcomm AI Hub経由のQualcomm Technologies、Salesforce、SAPなどのエコシステム・パートナーと協力し、Graniteモデルをこれらのパートナーの製品に統合したり、Graniteモデルをそれぞれのパートナーのプラットフォームで利用できるようにすることで、世界中の企業に幅広い選択肢を提供しています。

アシスタントからエージェントへ:エンタープライズAIの未来を実現

IBMは、モデルやアシスタントから、企業の独自データやユースケースに合わせてAIを調整・展開するために必要なツールに至るまで、さまざまなテクノロジーを通じてエンタープライズAIを進化させています。また、IBMは、ダイナミックなビジネス環境において、自律的であり、内省し、複雑なタスクを実行できる未来のAIエージェントの道も切り拓いています。

IBMは、ローコード・ツールと自動化によって企業が独自のアシスタントを構築できるよう支援するwatsonx Orchestrateから、顧客サービス、人事、営業、マーケティングなどの特定のタスクや領域向けに事前に構築された幅広いアシスタントのセットまで、AIアシスタント・テクノロジーのポートフォリオを継続的に進化させています。世界中の組織がwatsonx Assistantを使用して、顧客や従業員からの定型的な質問への回答、メインフレームやレガシーITアプリケーションのモダナイゼーション、学生の潜在的なキャリアパス探索の支援、住宅購入者へのデジタル住宅ローン・サポートなどのタスクに対応するAIアシスタントを構築しています。

IBMは本日、Graniteコード・モデルを搭載し、C、C++、Go、Java、Pythonなどの言語に対する汎用的なコーディング支援やエンタープライズJavaの先進的なアプリケーション・モダナイゼーション機能を提供する次世代のwatsonx Code Assistantの次期リリースも発表しました*6。これにより、Graniteのコード機能は、Visual Studio Codeの拡張機能であるIBM Granite.Codeからもアクセスできるようになりました。

IBMはまた、watsonx.aiを通じて、開発者がAIをより効率的に構築、カスタマイズ、展開できるように、エージェント・フレームワーク、既存環境との統合、RAGやエージェントなどの一般的なユースケースのためのローコード自動化などの新しいツールをリリースする予定です*7。

IBMは、より高度な自律性、洗練された推論、多段階の問題解決が可能なAIエージェント技術の開発に注力しています。Granite 3.0 8Bモデルの初期リリースでは、高度な推論や、ツール使用ワークフローを実装するための高度に構造化されたチャット・テンプレートとプロンプトのスタイルなど、主要なエージェント機能のサポートを特徴としています。 IBMはまた、IBM watsonx Orchestrateに新しいAIエージェント・チャット機能を導入する予定です。この機能は、エージェント機能を使用してAIアシスタントやスキル、自動化をオーケストレーションし、ユーザーがチーム全体の生産性を向上できるように支援します8 。IBMは、2025年には、特定のドメインやユースケース向けの事前構築エージェントなど、ポートフォリオ全体にわたってエージェント機能を構築し続けていく予定です。

AI搭載の拡張されたデリバリー・プラットフォームにより、IBMのコンサルタントをAIで強化

IBMはまた、AIを活用したデリバリー・プラットフォームであるIBM Consulting Advantageの大幅な拡張を発表しました。このマルチ・モデル・プラットフォームには、AIエージェントやアプリケーション、反復可能なフレームワークのようなメソッドが含まれており、16万人のIBMコンサルタントがより優れた顧客価値を、より迅速に、より低コストで提供できるようにします。

この機能拡張の一環として、Granite 3.0言語モデルが、Consulting Advantageのデフォルト・モデルとなります。IBM Consultingは、Graniteのパフォーマンスと効率性を活用することで、生成AIプロジェクトにおけるお客様の投資利益率を最大限に高めることができます。

この拡張のもう一つの重要な要素は、IBM Consulting Advantage for Cloud Transformation and ManagementとIBM Consulting Advantage for Business Operationsの導入です。それぞれに、IBMのベスト・プラクティスが注入されたドメイン固有のAIエージェント、アプリケーション、メソッドが含まれており、IBMのコンサルタントは、コード・モダナイゼーションや品質エンジニアリングなどのタスクにおいて、お客様のクラウドとAIによる変革を加速し、財務、人事、調達などのドメイン全体にわたる業務の変革と実行を支援することができます。

GraniteおよびIBMのビジネス向けAI戦略ついての詳細は、 https://www.ibm.com/jp-ja/granite をご参照ください。また、AIアプリケーションを構築するためのツールのライブラリーをご利用いただくには、watsonx Developer Hub をご参照ください。

1 コスト計算は、お客様の概念実証のために,IBM watsonx のオープン・モデルとopenAI の GPT4モデルの100万トークンあたりのAPIコスト価格(80%インプット、20%アウトプットのブレンドを想定)に基づき、行われています。
2 IBM Research technical paper: Granite 3.0 Language Models
3 IBM Research technical paper: Granite 3.0 Language Models
4 The Tiny Time Mixer: Fast Pre-Trained Models for Enhanced Zero/Few Shot Forecasting on Multivariate Time Series
5 Evaluation results published in Granite Guardian GitHub Repo
6 2024年第4四半期に提供開始予定
7 2024年第4四半期に提供開始予定
8 2025年第1四半期に提供開始予定

当報道資料は、2024年10月21日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。

当ニュースリリースは、以下の当社ホームページに掲載しています:
https://jp.newsroom.ibm.com/2024-10-24-ibm-introduces-granite-3-0-high-performing-ai-models-built-for-business

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会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月