~DXビジョン「Digital Fusion」累計1000億円投資の一環~ 自社開発の社内AIチャットツール「TFHD Chat」において文書情報抽出技術の特許を出願
様々な形式の文書からビジネス情報を自動抽出し、業務効率化を加速(特許出願中)
東急不動産ホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:西川 弘典、以下「東急不動産ホールディングス」)と東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下「東急不動産」)はこの度、多様な社内文書データから的確に情報を抽出可能な技術を開発し、特許を出願いたしましたのでお知らせいたします。当社のDXビジョン「Digital Fusion デジタルの力であらゆる境界を取り除く」で目指す2025~2030年度累計で1000億円以上のDX・新規事業投資に取り組み、先進的なDXを実現する当社事業の一環です。
両社は業務効率化やお客様への付加価値向上を目的に、自社特化型の生成AIチャットツールを構築して社内業務活用を推進しております。東急不動産で開発・導入された「TLC Chat」を、東急不動産ホールディングスグループ全体で「TFHD Chat」として展開しています(以下、当該チャットツール)。
東急不動産は、2023年9月より全従業員約1,200名が利用できる当該チャットツール(「Microsoft Azure」上で提供する「Azure OpenAI Service」を利用)を導入し、文章の要約やアイデア出し等で社内活用を推進してまいりました。既に当該チャットツールと「BOX」とを連携させる特許を出願済であり、今回の自動抽出技術と合わせて2件の特許を出願いたしました。
■特許出願した技術について
特許出願した「文書情報抽出システム及びプログラム」に関する新たなAI技術(以下、本技術)は、従来のOCR技術(紙の文書をスキャンして文字をデジタルデータ化する技術)の大きな課題であった「文書フォーマットの違いへの対応」を解決するものです。見積書・請求書・契約書など、企業活動で扱う様々な形式のビジネス文書に対して、テンプレートや専用設定を必要とせず、AIが自動的に文書構造を解析。データベース項目ごとに必要な情報を抽出・データ化します。
この技術の独自性は、データベースの項目構造を動的に分析し、文書内容との意味的関連性を自動で判断する点にあります。従来の技術では文書フォーマットが変わるたびに設定変更が必要でしたが、本技術はあらゆる帳票形式に柔軟に対応。さらに、抽出結果に対して利用者が行う修正・フィードバックから、AIが業務ルールや判断パターンを継続的に学習・進化させていきます。
これにより、新規取引先からの異なる様式の帳票や、業務変更に伴う新フォーマットにも柔軟に対応し、組織全体の業務効率化と社内ナレッジ蓄積が加速します。本技術によって、従来は手作業で行われていた文書情報の抽出・入力作業が大幅に自動化され、ペーパーレス・自動化・情報一元管理といったDX推進に向けて、グループ全体の業務進化を力強く後押しします。
【本技術を活用した文書抽出事例:見積書データの自動抽出(新規フォーマット)】
業務フロー図
Before(従来型OCR):所要時間約60分

After(AI技術):所要時間約10分

取引先書式対応力の比較
Before(従来型OCR):新フォーマットは事前設定が必要

After(AI技術):即時対応可

画面イメージ
①当該チャットツールに見積書PDFを添付。(様々な書式に対応)


③抽出した情報をデータベースに自動登録。

上記プロセスにより、当社内に限らず当社外とのやり取りにおける多様な書式から文字情報を読み取って、データベースに自動登録することやワークフローの効率的な登録が可能となります。
■当該チャットツールと「BOX」連携開発の特徴(特許出願済)
当社独自の特許技術は、AIモデルを柔軟に選択・更新できる仕組みと、ファイルを分割・検索するインデックス化技術を組み合わせています。MicrosoftのAzure AI Searchを活用し、クラウドストレージBOXに保存されたPDFやPowerPointなどのデータを高精度に検索。ファイル内の具体的な箇所を特定し、その情報を基に最新の生成AIが回答を作成します。
この技術により、従来の生成AI利用で課題だった「ハルシネーション(誤情報の生成)」を大幅に削減。BOXに格納された社内データで高精度かつ信頼性の高い回答を導くとともに、抽出元ファイルと箇所を示したURLリンクで情報の正確性も担保します。また、常に最新AIモデルに対応し、高い回答品質も維持します。
従業員は当該チャットツールで質問することで必要な情報を簡単に得られます。また、BOXフォルダのユーザー権限に基づいた回答生成により、適切な情報管理も可能です。特に多岐に亘る建物仕様書や社内規程の検索業務にも活用が広がっており、業務効率化が進んでいます。
【BOXとの連携による検索事例:東急不動産の住宅事業における文書検索】
数百ページあるドキュメントから、意味情報を鑑みてピンポイントで該当箇所を抽出するだけでなく、同時に該当するぺージのリンクを生成することで正確性を担保

これにより、膨大なドキュメントから該当箇所を探す時間を削減するだけでなく、本技術を活用することで社内のあらゆるマニュアルや文書から正確な情報を検索・抽出することが可能となり、業務効率化を実現しています。
■東急不動産ホールディングスが進めるDX推進について
当社グループは、「Digital Fusion デジタルの力であらゆる境界を取り除く」というDXビジョンを定め、2025~2030年度累計で1000億円以上のDX・新規事業投資をすることにより、先進的なDXを実現することを掲げております。
DXビジョンに基づき、働きがいを実感する従業員による質の高いサービスが、お客さまの感動体験を生み、さらに従業員のモチベーションを向上させるようなEXとCXの好循環につなげていきます。積極的なAI活用を起点としたこのサイクルを、グループ連携やパートナー共創、DX推進を支える基盤の強化によって加速させ、ビジネスモデル変革とその先の新たな収益源の獲得を実現することがDXによる価値創造を考えております。
■DXによる価値創造の全体像

今後も東急不動産ホールディングスグループは、AIを活用した業務改革と知的財産戦略を通じて、社内業務効率化とお客様への付加価値向上を実現し、DXの更なる推進と新たな価値創造へ挑戦してまいります。
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