<弁護士の社外役員起用に関する意識調査>社外取締役の中立性が期待できる職種、弁護士がトップ87.3%の法務パーソンが「期待できる」と回答
弁護士ドットコム株式会社(東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO・弁護士:元榮 太一郎)は、「専門知」の新たな活用可能性を調査・発信するプロフェッショナルテック総研において、「弁護士の社外役員起用に関する意識調査」を実施しました。
■ 調査背景
コーポレートガバナンス強化の観点から、この10年ほどで社外役員(社外取締役・社外監査役)を起用する企業が大幅に増えました。弁護士は社外役員に多い属性のひとつで、近年はジェンダーバランスの観点から女性弁護士が就任するケースも増えています。実際に企業で働く法務パーソンらにとって、社外役員の弁護士はどのように捉えるのか、意識調査を実施しました。
■ 調査概要
調査機関:プロフェッショナルテック総研(弁護士ドットコム株式会社内)
調査①
調査方法:企業法務の実務ポータル「BUSINESS LAWYERS(ビジネスロイヤーズ)」に登録する会社員にウェブアンケートを実施
回答数:BUSINESS LAWYERS会員259名(以下、「法務パーソン」)
調査期間:2025年11月10日〜11月14日
調査②
調査方法:弁護士ドットコム、「BUSINESS LAWYERS」の弁護士名鑑に登録する弁護士にウェブアンケートを実施
回答数:弁護士223名
調査期間:2025年10月19日〜10月27日
■ 結果サマリ

■社外役員の有無
アンケートに回答した法務パーソンの所属企業では、42.1%に社外役員の弁護士が「いる」という結果になりました。

■弁護士の社外役員、6割が「必要」
法務パーソンに『所属企業の社外役員に弁護士が必要か』を尋ねたところ、62.5%が「必要」(「必要」「やや必要」の合計、以下同様)」と回答しました。
「必要」と答えた人からは、「利益相反取引や不当な経営判断がないかを客観的な視点から厳しくチェックする必要性があるから」、「法的リスクの可能性について、取締役会で迅速に助言してもらえるから」といった意見がありました。

次に、社外役員における弁護士の必要性について、所属企業に社外役員の弁護士がいるかどうかで集計を行ったところ、社外役員の弁護士がいる企業では84.4%が「必要」と回答したのに対し、いない企業では48.3%にとどまりました。
社外役員の弁護士がいる回答者のほうが「必要」と感じる度合いが高いことから、実際に起用している企業では、社外役員の弁護士への満足度が高いことが推測されます。


■社外役員の中立性、もっとも期待できるのは「弁護士」
法務パーソンに『社外役員の出身先として多い5つの職種について、中立的な立場からの意見を期待できるか』を尋ねたところ、法務パーソンがもっとも「期待できる」(「期待できる」「やや期待できる」の合計)としてあげたのは、「弁護士」の87.3%でした。以下、「会計士」80.7%、「経営経験者(社外)」79.5%と続きます。社外役員には、経営陣から独立した中立の立場から経営を監視・助言することが求められています。

■弁護士である社外役員に期待する役割は「コンプライアンス」と「ガバナンス」の強化
法務パーソンに『弁護士である社外役員に期待すること』を尋ねたところ、「期待する」(「期待する」と「やや期待する」の合計)が多かった内容は、「コンプライアンス強化」で91.9%でした。「コーポレートガバナンス強化」も90.7%とほぼ同数で続きました。
このほか、「リスクマネジメント強化(88.8%)」、「専門的な法律知識によるチェック機能(84.9%)」までが8割を超えました。
一方、近年重視されている視点として「ESG/サステナビリティ対応」は41.7%で半数を切る結果となりました。

■回答弁護士の7割弱が「社外役員になりたい」
社外役員を経験したことがない弁護士172名に対して『社外役員になりたいか』を尋ねたところ、過半数の67.4%が「なりたい」(「なりたい」「ややなりたい」の合計)と回答しました。弁護士も社外役員に魅力を感じていることがうかがえます。

■取締役会のジェンダーギャップ、女性弁護士起用は「解消に有効」も
日本では取締役会の男性比率が高く、ジェンダーギャップの解消が求められています。ただし、女性の社内昇格が少ないため、現状では社外から女性役員を迎えることが主流です。弁護士業界は女性比率が2割と国内の専門職では比較的高く、女性社外役員の大きな供給源になっています。
『社外役員に女性弁護士を起用するケースが増えていること』について、法務パーソンと弁護士の双方に自由回答で意見を聞いたところ、取締役会の多様性が確保される点は評価しつつも、数合わせになったり、かえって正社員の登用が進まなくなったりしないよう、社内の体制を整えるべきとの声が多く寄せられました。
【肯定的意見】「目線の違う意見に期待」「社内の空気変わる」
・非常に良い。特に常勤の役員は男性比率が高いことから、女性弁護士を迎えることで、違った目線での意見も期待できる(法務パーソン)
・弁護士としての論理的・分析的な視点に加え、女性ならではの顧客視点や労働環境に対する視点を取り入れることで、男性中心になりがちな取締役会での議論の質が向上する(法務パーソン)
・まずは社外から女性弁護士が問題点を指摘していくことで、社内の空気も変わり、徐々に女性を要職に登用する体制ができていくと思う(弁護士)
・早くプロパー社員の女性役員を登用したいところだが、現実的には社外登用から進めるしかない。ただ、女性社員の声をひろい、取締役会で問題点等を指摘するだけでも役員らの意識に変化が生じることは感じる。微力ながら今後ももっと早く女性の登用が進むよう働きかけていきたい(弁護士)
【中間的意見】「適切な専門性あれば」「男性弁護士と能力変わらない」
・性別に関わらず、その立場を全うできるかが大切(法務パーソン)
・女性役員がいないよりはマシなので、現時点ではやむを得ないが、できる限り社内登用の目標とあり方を明確に決めて、実践に移すべき(弁護士)
・男性と能力があまり変わらないので、どうしても女性をとる必要がある場合には、弁護士を起用するのは有用(弁護士)
・ジェンダーバランスも重要だが、バックグラウンド(職歴や専門性)の多様性はより重要(弁護士)
【否定的意見】「かえって女性進出を阻む」「性別で起用に疑問」
・見た目の比率が上がるだけで、かえって経営陣(取締役)への女性進出が進まないことになりかねない。比率を考える際は社外取は除くべき(法務パーソン)
・性別に関わらず、適切な専門性を持つ人を選任すべき。女性枠はビジネス観点での女性視点や、キャリアを持つ方に割り当てるほうが制度趣旨に合致する(法務パーソン)
・女性という点をとらえて人材の起用を考えるのであれば、それこそがまさに性差別でありジェンダーバランスを考慮する前提が崩れている(弁護士)
・内部昇進の道を整えず外部登用に頼ると、「どうせ外から呼ぶ」という文化が根づき、女性社員の意欲を削ぐ(弁護士)
◆弁護士ドットコム株式会社について: https://www.bengo4.com/corporate/
本社:東京都港区六本木四丁目1番4号 黒崎ビル
設立日:2005年7月4日
資本金:554百万円(2025年9月現在)
代表者: 代表取締役社長 兼 CEO・弁護士 元榮 太一郎
上場市場:東京証券取引所プライム市場
事業内容:「プロフェッショナル・テックで、次の常識をつくる。」をミッションとして、人々と専門家をつなぐポータルサイト「弁護士ドットコム」「税理士ドットコム」「BUSINESS LAWYERS」、契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」を提供
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