ファッション・メディア界に君臨する女王の全貌『ANNA アナ・ウィンター評伝』が12月4日発売。

彼女は、いかに世界のトレンドを支配し続けるのか

河出書房新社

株式会社河出書房新社(東京都渋谷区/代表取締役 小野寺優)は、米国『ヴォーグ』編集長を30年以上にわたり務め、ファッション界、メディア界に絶対的な影響力を持つ唯一無二の存在、アナ・ウィンターの全貌を描いた『ANNA アナ・ウィンター評伝』を、2023年12月4日に刊行いたします。

人は人を陳腐な型にはめたがる。

――アナ・ウィンター(ニューヨーク、2018.10.18)


本書は、著者エイミー・オデルが3年間を費やし、総勢250人を超える関係者、友人へのインタビュー、また、関連書籍、雑誌、書簡等の膨大な資料をもとに描き出したアナ・ウィンター評伝のまさに決定版です。


■美の女帝アナ・ウィンター

世界中で絶大な支持を集める「ザ・ニューヨーカー」「GQ」他多数の雑誌、「ピッチフォーク」「ワイアード」などWebサイトを発信する巨大メディア企業コンデナストにとって、その輝かしい歴史の礎となったファッション・ライフスタイル雑誌「ヴォーグ」は一際特別な存在です。


ボブヘアとサングラスのトレードマークで知られるアナ・ウィンターは、アメリカ本国版「ヴォーグ」編集長を1988年から30年以上務め続け、自身の好み、時代感覚を明確に反映させた誌面が常に世間の注目を集めるとともに、発行部数、広告収入などビジネス面でも大きな成功をおさめました。また、アナは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館で毎年5月に開催されるチャリティーイベント「メット・ガラ」に1995年から関わり、その斬新な企画、圧倒的な華やかさから、世界中のセレブリティが参加を熱望するファッション界の一大イベントへと変貌させ、巨額の資金調達を実現した最大の功労者とされています。


その結果、「ヴォーグ」のブランド価値は最大限に拡大し、今やアナはファッションの流行のみならず、時代の美の基準をも定義し、何を買い、どう装い、誰に注目すべきかを、何百万もの人々へ指し示す存在となっています。

2020年12月、アナ・ウィンターは「ヴォーグ」を発行するコンデナストのチーフ・コンテント・オフィサーに就任し、同社が刊行するほぼ全ての雑誌を監修する立場へと上りつめました。


■決定版『ANNA  アナ・ウィンター評伝』

しかし、アナ・ウィンターと「ヴォーグ」の歩んだ道のりは決して平坦ではありませんでした。その間に社会を揺るがした世界金融危機、デジタルの台頭、トランプ政権樹立と右派の躍進、LGBTQ、Z世代の変革、#MeToo運動、ブラック・ライヴズ・マター、そして、新型コロナウィルスによるパンデミック――、激動する社会、そして、世界の新たな潮流は、ことごとく彼女の野心、キャリアの行く手を阻みました。ルッキズム、有色人種差別に関する「ヴォーグ」の、ひいてはアナ自身の十分にアップデートされていない感覚、方向性は、新しい価値観、新しい世代から繰り返し糾弾され、批判の対象となっていることも事実です。


本書のインタビューには、アナの下でクリエイティブ・ディレクターを25年務めたグレイス・コディントン、同じくアナに長年仕えたアンドレ・レオン・タリ—といった「ヴォーグ」スタッフから、トップデザイナーのトム・フォード、女子テニス界の女王セリーナ・ウィリアムズといった著名人まで250名以上が参加し、ヒラリー・クリントン、メトロポリタン美術館の広報担当者と交わした手紙のやり取り、ニューヨーク公共図書館に所蔵されている父チャールズ・ウィンターの書簡などの膨大な資料をもとに詳述される数々の事柄。そこから浮き上がってくるアナの姿は、冷酷さ、冷徹さといった一面的なマスイメージとは全く異なる、世界で最も美しいものを追い求め、奔走し、苦悩する一人の人間の姿です。


1989年、新曲の先鋭的な表現から賛否両論の渦中にあったマドンナを表紙に起用した理由は、飛行機で偶然隣り合わせた男性が「ヴォーグ」を「けっしてマドンナ」を載せない「最高の雑誌」と称賛したことを、アナは挑戦と受け取ったからという逸話。2006年6月、自身がモデルともいわれている映画「プラダを着た悪魔」の特別試写会に娘ビーと「プラダ」を着て出席し、映画終了後「まさにママそのものね」と娘にいわれたエピソードなど、アナの気さくさ、無邪気な人柄がうかがえる証言も多数収録されています。


アナ・ウィンター本人へのインタビューは、最後まで「丁重に」固辞されたものの、「ヴォーグ」発行元であるコンデナスト広報部からはアナの編集部スタッフたち、様々な友人の連絡先を紹介され、いわばアナ当人のお墨付きともいえる本書。華やかりしファッションの隆盛と美的感覚の変遷はもちろんのこと、メディアの役割、時代に合わせた自らの考え方、社会のあり方を問い続けることの大切さを、アナ・ウィンターという存在を通して知ることのできる唯一無二の一冊です。


原註はWebページにて公開

250人を超えるインタビュー、アナ本人の過去のインタビュー、関連書籍、雑誌等、膨大な資料の出典、原註は下記のページでご覧いただけます(本文53ページ分)。

https://www.kawade.co.jp/ANNA_chu_CC2022.pdf


『ANNA アナ・ウィンター評伝』扉ページ『ANNA アナ・ウィンター評伝』扉ページ

【目次】

イントロダクション

1 出自 Origins

2 制服を脱いで Beyond School Uniform

3 解雇と採用 Fired and Hired

4 ファッション・アシスタント、アナ・ウィンター Anna Wintour, Fashion Assistant

5 ニューヨークでの新たな門出 A New Start in New York City

6 『ヴィヴァ』と人生経験 Viva la Vida

7 賢明(サヴィー)な行動 A Savvy Move

8 『ヴォーグ』への道 In Vogue

9 次善のポスト Second Best

10 二つの『ヴォーグ』の物語 A Tale of Two Vogues

11 ハウス&ガーメント House & Garment

12 編集長アナ・ウィンター Anna Wintour, Editor-in-Chief

13 織り込み済みのリスク Calculated Risk

14 「イン」対「アウト」 “In” versus  “Out”

15 第一アシスタント、第二アシスタント First Assistant, Second Assistant

16 新しいプロジェクト、古い友 A New Project, an old friend  

17 金銭の追求 Follow the Money

18 離婚 The Divorce

19 ドット・コム Dot.Com

20 新たな盟友 A New Alliance

21 互いの利益 Mutual Benefit

22 ビッグ・ヴォーグ Big Vogue

23 危機 The Crash

24 政治と痛み Politics and Pain

25 アーティスティック・ディレクター、アナ・ウィンター Anna Wintour, Artistic Director

26 変化 Changes

27 メット・ガラ The Met Gala

エピローグ パンデミック Epilogue: The Pandemic


【著者・訳者略歴】

エイミー・オデル Amy Odell

ファッション・文化ジャーナリスト。『ニューヨーク』誌、『エコノミスト』発行の『1843』誌、『タイム』誌、『コスモポリタン』誌その他多数の出版物に寄稿。著書に『後列からの物語(Tales from the Back Row)』があり、本書は初の評伝である。夫と二児と共にニューヨーク州ウェストチェスター在住。


佐藤絵里 さとう えり

英語・仏語翻訳者。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。訳書にマーニー・フォッグ編『FASHION 世界服装全史』、パスカル・ボニファス『最新 世界情勢講義 50』などの他、共訳書にスヴェン・ベッカート『綿の帝国 グローバル資本主義はいかに生まれたか』(鬼澤忍との共訳)がある。


【書誌情報】


書名:ANNA アナ・ウィンター評伝

著者:エイミー・オデル著 佐藤絵里訳

仕様:四六判/上製/536ページ

発売日:2023年 12月4日

定価:3,960円(本体3,600円)

ISBN:978-4-309-20893-0

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309208930/

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
03-3404-1201
代表者名
小野寺優
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
1957年05月