野村不動産グループが保有する奥多摩町「つなぐ森」が30by30に向けた環境省「自然共生サイト」に認定
~生物多様性の保全や持続可能な森林経営を評価する森林認証制度「SGEC/PEFC FM」認証も取得~
「つなぐ森」は、当社グループが2022年9月に奥多摩町と地上権設定契約を締結し、今後30年間にわたり保有する森です。当社グループが「2030年までの重点課題(マテリアリティ)」の一つとして掲げる生物多様性の取組みの活動フィールドとして、多様な共創パートナーと連携しながら、東京都内に所在する強みを活かし「地産地消の循環する森づくり」を推進しています。
また、「つなぐ森」は生物多様性の保全や持続可能な森林経営が評価される森林認証制度「SGEC森林管理認証(一般社団法人緑の循環認証会議)FM認証」及び国際相互認証制度PEFC認証(PEFC森林認証プログラム)を2023年6月に取得しております。

【本プレスリリースのポイント】 1. 当社グループは2030年までの重点課題(マテリアリティ)の1つに「生物多様性」を掲げており、 2022年より奥多摩町に「つなぐ森」を保有。森林施業(伐採、作業道作設)や生態系調査等を開始 2. 30by30に向けた国内の取組みとして環境省が推進する「自然共生サイト」に認定、 またSGEC森林管理認証(FM認証)及び国際相互認証制度PEFC認証も取得 3.「つなぐ森」の生態系調査では約42種類の重要種※が確認されており、 今後も東京都に所在する貴重な森の保全に取り組んでいく |
【動画】「つなぐ森」の循環する森づくりの様子 https://www.nomura-re-hd.co.jp/2023/jp/
1.「つなぐ森」の生物多様性への取組み
「つなぐ森」は、これまでの生態系調査により複数の重要種の存在を確認しています。この貴重な森の豊かさを保全するため、外部の専門家や地域の共創パートナーとともに生物多様性に積極的に取り組んでまいります。
① 生物多様性を重視した森林管理方式の採用
森林の管理にあたっては、生物多様性を重視した森林経営計画を策定し、森林認証制度「SGEC/PEFC FM」認証を取得しています。
② 生態系調査の実施
2023年4月より合計12回の生態系調査を実施しており、これまでにヒガシヒダサンショウウオ(絶滅危惧種)、ギンラン(絶滅危惧種)等の重要種42種類の生息が確認されました(2023年10月時点)。
③ 小規模モザイク状皆伐の採用
木材の収穫は、生物多様性を重視した「小規模モザイク状皆伐」にて行います。「小規模モザイク状皆伐」とは、一度に広範囲の皆伐を行わず、毎年離れたエリアを小規模な範囲で順番に皆伐していく方式です。生態系の保全や土壌・水源涵養に有効であり、周辺地域に生息するとされるクマタカ(絶滅危惧種)の営巣期や河川への土砂流入の抑制等に配慮しながら皆伐を行っていきます。
④ 複層林による生物多様性の保全能力発揮
複層林とは、樹齢や樹種の違いから異なる高さの樹木で構成される森のことです。「つなぐ森」は現在その面積の大半を針葉樹が占めており、皆伐・植林等を行う過程で、一部に広葉樹の苗木を植えて育てることで、将来的に生物多様性の保全能を発揮させやすい複層林となることを目指します。
【「つなぐ森」における循環する森づくり計画図】
【ご参考】「つなぐ森」でこれまでに確認された重要種(全42種/2023年10月時点)
※下記に記載の選定基準のいずれかにおいて、各々記載の分類に該当する種を重要種と定義する
・IUCNレッドリスト:深刻な危機(CR)/危機(EN)/危急(VU)
・環境省レッドリスト2020:絶滅危惧Ⅰ類(CR)/絶滅危惧ⅠB類(EN)/絶滅危惧Ⅱ類(VU)/純絶滅危惧(NT)/情報不足(DD)
・東京都レッドデータブック2023(本土部):絶滅危惧Ⅰ類(CR)/絶滅危惧ⅠB類(EN)/絶滅危惧Ⅱ類(VU)/純絶滅危惧(NT)/情報不足(DD)
・絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称:種の保存法):国内希少動植物種に指定された種
2.環境省「自然共生サイト」認定について
このたび発表された「自然共生サイト」とは、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を認定する制度です。2022年12月に開催されたCOP15にて世界目標として採択された「30by30」(2030年までに陸と海の30%以上を保全する目標)の達成に向けて、環境省が主導するもので、当社の「つなぐ森」は、2023年度前期に認定された全国122サイトのうち、保護地域内(国立公園)のサイトの一つとして、認定されました。
認定基準は主に生物多様性の価値、ガバナンス・管理等の項目であり、「つなぐ森」はこれらの基準を満たし、特に小規模モザイク状皆伐・複層林化等、木材生産と生物多様性向上の両立を目指した生態系サービス提供の場としての価値や、希少な動植物が生息生育している場としての価値等が評価されております。
今後、生態系調査結果に基づく管理計画を立案し、循環する森づくりをより強化してまいります。
環境省:自然共生サイト
https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/kyousei/
3.「森を、つなぐ」東京プロジェクト 生物多様性有識者会議
「つなぐ森」において、生物多様性に関する国際・国内ガイドラインの推奨項目充足を目的に、産学連携や他セクターとの共創を図ってまいります。このたび、生物多様性に関して専門性を有する大学・奥多摩地域の環境団体等から、3名の有識者の方に「森を、つなぐ」東京プロジェクト 生物多様性有識者会議に参画いただきました。
4.森林認証制度「SGEC/PEFC FM」認証の取得
森林認証とは、環境、社会及び経済に関する一定の基準を満たした森林管理を行っていることを審査することで、生物多様性の保全や持続可能な森林経営を目指す認証です。当社グループは、23年6月に「つなぐ森」において「SGEC(一般社団法人緑の循環認証会議)」と国際的な相互認証機関である「PEFC(PEFC森林認証プログラム)」より、生物多様性の保全や、持続可能な森林経営が行われている森林として認定を受けました。
当社は、今後も当社グループの主な事業エリアである東京都に所在する「つなぐ森」を通じて、当社グループが「2030年までの重点課題(マテリアリティ)」の一つとして掲げる生物多様性に取組みながら、事業への活用も積極的に進めてまいります。
<ご参考:「つなぐ森」概要>
所 在 :東京都西多摩郡奥多摩町
面 積 :実測 約130ha (登記簿 約79ha)
立 木 :スギ・ヒノキ 74.2% (平均林齢63年)、広葉樹 25.8%
その他 :敷地内林道(寸庭線/奥多摩町所管林道) 、寸庭川(奥多摩町管理河川)あり
【「つなぐ森」所在地】
<ご参考>
■プレスリリース:「森を、つなぐ」東京プロジェクト始動(2022年11月28日発表)
https://www.nomura-re-hd.co.jp/cfiles/news/n2022112802132.pdf
■動画:「つなぐ森」の循環する森づくりの様子
https://www.nomura-re-hd.co.jp/2023/jp/
野村不動産グループのマテリアリティとSDGsについて
※野村不動産グループの重点目標(マテリアリティ)を国連のSDGs(持続可能な開発目標)に当てはめて整理しております。サステナビリティの取組み詳細は以下をご確認ください。
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