JOGMEC & Southern Africa Remote Sensing Weeks 2020競技会を開催
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:細野 哲弘)は、2020年12月14日~18日、JOGMECボツワナ・地質リモートセンシングセンター(以下、ボツワナセンター)主催で、ボツワナ共和国(以下、ボツワナ)のみを対象に、リモートセンシング技術の普及を目的とした競技会をオンライン形式にて実施しました。
JOGMEC & Southern Africa Remote Sensing Weeksは、リモートセンシングおよび地理情報システム(GIS)を用いた鉱物資源探査等技術のSADC加盟国(注1)への普及と向上及び人的ネットワーク構築を目的として、2009年より毎年、ボツワナにて開催しているもので、今回で12回目の開催となりました。
例年はSADC諸国を対象としボツワナセンターで実施していましたが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、競技会はボツワナ1か国のみを対象としオンライン形式で実施しました。
12月14日~17日は、ボツワナ地球科学機構(以下、BGI)から3名の研修員が参加し、レアアース、ベースメタル、白金族が期待されるボツワナの地域を対象に衛星画像解析を行いました。解析結果から抽出された鉱物資源有望地域は、今後、技術検証としての現地調査を行うことを予定しています。
競技会で、ボツワナと日本が共同で衛星画像解析をオンラインにて実施するのは今回が初めてであり、JOGMECが認定したボツワナのインストラクター(注2)による指導、及び新評価方式(注3)の導入といった新たな取り組みも実施いたしました。
18日の最終日には、3名の研修員から4日間の解析結果の発表がありました。JOGMECボツワナセンター職員、外部講師による採点が行われ、研修員に特別賞が授与されました。
なお、結果発表には、BGI職員、JOGMEC職員の30名がオブザーバーとして参加し、ティアポBGI所長より競技会の講評をいただき、幕を閉じました。
競技会は長い歴史を誇り、SADC加盟国からは権威ある大会と評価されています。SADC諸国は、他国との熾烈な競争により、技術レベルも年々向上しており、本競技会は目的意識の醸成と達成感を味わえ、人材育成の更なる向上に役立っていると考えます。
近年、競技会において上位国と下位国がほぼ固定化されるなど、人材育成の推進や参加国のモチベーションの維持・向上が課題でしたが、今回、新評価方式とすることで、下位となった国であっても受賞対象となり得ることから、モチベーションの維持・向上が期待されます。
JOGMECでは、研修、講演会、競技会、ワークショップをはじめとするボツワナセンターの事業を通じ、引き続きSADC加盟国を中心としたアフリカへの人材育成協力と関係強化を進めてまいります。
(注1)アンゴラ共和国、ボツワナ共和国、コンゴ民主共和国、エスワティニ王国、レソト王国、マダガスカル共和国、マラウイ共和国、モザンビーク共和国、ナミビア共和国、南アフリカ共和国、タンザニア連合共和国、ザンビア共和国、ジンバブエ共和国(アルファベット順)
(注2)インストラクターとは、以前、本事業で技術を習得しJOGMECより指導者の認証を受け、研修員に指導が可能な技術者
(注3)過去数年の得点の平均を基準とし、平均値からの伸びしろを評価する。そのため下位国でも評価される可能性がある。今後は従来の従来の採点方法に加えて新たな採点方法も導入予定。
■ 競技会概要
本競技会は、BGIの地質技師3名の研修員が4日間の解析を行い、ボツワナセンター職員、インストラクターによる指導のもと、5日目に成果発表を行いました。質疑応答では、解析結果として地質構造や変質帯を抽出する過程について議論がなされ、現地での検証の必要性が挙げられました。採点は、石川ボツワナセンター所長、清水副所長、広瀬講師(一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構宇宙産業本部部長)が新評価方式に基づき実施し、ボツワナの過去3年間の平均点からどれだけ成長したかの度合いを評価しました。併せて、BGIの地質技師、ボツワナセンター職員から同地域の共同解析結果の技術講演を実施しました。最後にティアポ BGI所長による競技会講評により幕を閉じました。
この様子はSADC加盟国政府関係者にも動画配信を行い、次回の競技会実施に向けたフォローアップを行います。
↓ リリース本文はこちら
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_000097.html?mid=pr201223_04
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