増加する日本語指導が必要な子どもたちをICT教材で支援 夜間中学で初めて「すらら にほんご」導入

静岡県立ふじのくに中学校で日本語教育の新たなモデル構築へ

すららネット

AIを活用したアダプティブな対話式 ICT 教材の開発と提供を行う株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役:湯野川孝彦)が提供する日本語学習ICT教材「すらら にほんご」が、静岡県の夜間中学校、静岡県立ふじのくに中学校磐田本校(所在地:静岡県磐田市、校長:鈴木仁之)で導入され、2025年4月から活用が始まりました。同校の外国にルーツを持ち、日本語指導が必要な約20名の生徒が、「すらら にほんご」で日本語学習をはじめ、早くも学習成果が見え始めています。

全国的に日本語指導が課題となっている夜間中学校で、「すらら にほんご」が導入されるのは初となります。すららネットでは、同校での実践をモデル化し、全国の夜間中学校での導入を目指してまいります。

静岡県立ふじのくに中学校磐田本校の「すらら にほんご」を使った授業の様子

夜間中学における大きな課題の一つは外国籍生徒に対する日本語教育

文部科学省の調査※1によると、全国の夜間中学に通う生徒は1,969人で、2022年の前回調査から約1.3倍に増加しています。そのうち外国籍の生徒は1,256人と全体の約64%を占めており、前回から約1.2倍の増加となりました。多くの外国籍生徒は、日本語の習得や日本の高校への進学を目指して通学しているとされています。しかし、日本語がほとんど分からない状態で入学する生徒もおり、教員側も日本語指導のノウハウや経験が乏しいことから、教員らが外国籍生徒への日本語指導に苦慮している現状は、全国の夜間中学校の課題です。こうした状況を受け、文部科学省は2025年度、日本語指導の指針作りに乗り出す動きもあります。  

今回のふじのくに中学磐田本校での「すらら にほんご」の導入は、国の日本語教育充実方針にも呼応する先進的な取り組みといえます。

※1「令和6年度 夜間中学等に関する実態調査」(令和5年1月時点)

 

ICT教材で多様な日本語力の生徒に対応可能に

令和5年4月1日に静岡県内で初めての県立夜間中学校として、ふじのくに中学校磐田本校と三島教室が開校しました。静岡県は、全国でも4番目に日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の在籍人数※2が多い地域です。今回「すらら にほんご」の活用を開始した磐田本校は、在校生の約7割は日本語指導が必要な生徒です。そのため、磐田本校では開校初年度、日本語学習を中心にした指導を行っていました。しかし、生徒の日本語に対する学習意欲を継続させるのがなかなか難しい状況でした。そこで2年目は日本語以外の教科指導を多くするも、やはり日本語理解の重要性が浮き彫りとなり、3年目となる本年から、日本語学習中心に戻す方針となりました。

生徒ごとに日本語力の差があり、日本語指導の専門教諭がいない中で日本語学習を進めるために導入されたのが日本語学習ICT教材「すらら にほんご」でした。

「すらら にほんご」は、読み書き・語彙・文法などを、AIが一人ひとりの理解度に応じて最適に出題し、音声読み上げや視覚的なナビゲーションを通じて、ゼロから一人で学習を進めることができる教材です。専門の日本語指導教諭がいない状況でも、生徒が自立的に学習できる点が評価され導入されました。

※2 文部科学省「令和5年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について」

夜間中学における日本語指導のモデル構築へ期待

 静岡県立ふじのくに中学校では、青木正文教諭をはじめ、前島由香教諭、大江和泉教諭の3名が中心となって、ICT教材を活用した日本語指導を行っています。

青木教諭は「ふじのくに中学校には、来日前の日本語習得の度合いがまったく異なる生徒が集まっています。ひらがなの学習から必要な生徒もいますし、日本語での会話はできても、読み書きが難しいという生徒もいます。そうした多様な日本語レベルの生徒たちに、日本語の専任教員がいない状況で日本語を習得させる方法を日々模索してきました。

『すらら にほんご』を導入してからは、生徒が日本語の授業に意欲的に取り組むようになりました。端末があれば、一人でも学習できるので、学校での授業だけでなく、自宅などでも自習する生徒もおり、生徒たちの変化を感じています。また、日常会話で日本語がわかるようになるなど、学習効果も表れてきています。

夜間中学の外国籍生徒の日本語指導については、全国的な課題となっています。まずは本校で『すらら にほんご』を活用した学習モデルをすららネットと相談しながら確立していき、他の地域でも展開できることを期待しています」と語ります。

3人の教諭が中心になって、日本語学習ICT教材の活用を進めています

活用開始2か月で、早くも学習意欲、日本語力が向上

 すららネットでは6月に、4月から日本語学習で「すらら にほんご」の活用を始めた生徒17人を対象に、アンケート調査を行いました。約88%の生徒が「すらら にほんご」の活用前と比べて日本語学習が楽しいと感じたと答えており、学習意欲が向上している様子がうかがえます。さらに、「すらら にほんご」を活用前と比べて授業がわかるようになったと答えた生徒は約90%、「すらら にほんご」は日本語学習の手助けになったと感じている生徒は約94%となり、たった2か月で早くも生徒たちが「すらら にほんご」による学習効果を実感していることがわかりました。

 青木教諭は、「日本語学習の必要がない生徒が、『すらら にほんご』で学習している生徒の様子を見て、自分も『すらら にほんご』で学び直したいから使わせてほしい、と申し出てくるなど、ICT教材の活用による効果の広がりを感じています」と語ります。

すららネットでは今後、「すらら」による5科目との接続も視野に、基礎学力定着に向けた日本語指導が必要な生徒の学習実践のモデル化を図ります。そして全国の夜間中学校での活用拡大を目指してまいります。

■静岡県立ふじのくに中学校

静岡県立ふじのくに中学校は、令和5年4月1日に静岡県内で初めての県立夜間中学校として磐田本校と三島教室の2か所を開校しました。                           
義務教育年齢を過ぎた方のうち、さまざまな事情により中学校で十分な教育を受けられなかった方や、中学校を卒業していない方などを対象に、「もう一度学びたい」という思いに応えるため、夜間に授業を実施しています。年齢や国籍を問わず、社会人や家庭を担う方も入学して学ぶことができる学校です。

磐田本校:静岡県磐田市中泉1-6-16

■日本語学習ICT 教材「すらら にほんご」

「すらら にほんご」は、国内外の外国にルーツを持つ人々が、就労・留学・日常生活に必要な日本語を、楽しく・無理なく習得できるICT教材です。学習者のレベルに応じて、基礎から応用まで段階的に学べる構成となっており、書写機能を使って文字を書く練習も可能です。

また、意味を母語で確認しながら学習できるため、初学者でもゼロから一人で学び進めることができます。さらに、アニメーションキャラクターの登場やゲーミフィケーションの要素を取り入れ、学習意欲を高める工夫も多数搭載。世界中どこにいても、正しい発音で日本語を体系的に学べるのが特長です。

■株式会社すららネット

すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念に掲げ、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材「すらら」「すららドリル」などを開発・提供しています。現在、国内の2,600校以上の学校や学習塾で導入され、約25万人の児童生徒が利用しています。全国の公立学校や有名私立学校、大手塾での活用が広がる一方、不登校や発達障がい、経済的困難な状況の子どもたちにも学習機会を届けることで、教育課題の解決に取り組んでいます。2017年には、代表的な EdTech スタートアップ企業として東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場しました。

・コーポレートサイト   https://surala.co.jp/

・サービスサイト         https://surala.jp/

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会社概要

株式会社 すららネット

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URL
https://surala.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区内神田1丁目14-10 PMO内神田7階
電話番号
03-5283-5158
代表者名
湯野川 孝彦
上場
東証グロース
資本金
2億8965万円
設立
2008年08月