「社会の発展は“新たな動機”を生む」、ミステリの可能性を切り開く意欲作!結城真一郎『#真相をお話しします』6/30発売決定
「日本推理作家協会賞」を平成生まれの作家が初受賞!カバー解禁&著者コメント発表!
私達の日常に潜む小さな“歪み”。あなたは見抜くことができますか?
現代を鋭く抉り、読者を鮮やかに翻弄。推協賞受賞作を含む、傑作ミステリ短篇集。
2018年、『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞しデビューした結城真一郎さん。その後もコンスタントに作品を発表しつづけ、21年には本作にも収録されている「#拡散希望」で第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。二転三転するプロットや伏線回収の巧みさ、YouTuberを題材にした、テーマの現代性等が高く評価され、平成生まれ初の受賞者に。(短編部門では第2回山田風太郎氏、第48回加納朋子氏に次ぎ、史上3番目の若さでの受賞)また、同年には三冊目の長編作品である『救国ゲーム』を刊行し、現在第22回本格ミステリ大賞の候補作に選出、とデビュー以来、スター作家への階段を一足飛びに駆け上ってきました。
新潮社はそんなミステリ界大注目の結城さんの最新作『#真相をお話しします』を6月30日に刊行いたします。
このたび本書のカバーを解禁。あわせて著者コメントを発表します。
現代を鋭く抉り、読者を鮮やかに翻弄。推協賞受賞作を含む、傑作ミステリ短篇集。
2018年、『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞しデビューした結城真一郎さん。その後もコンスタントに作品を発表しつづけ、21年には本作にも収録されている「#拡散希望」で第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。二転三転するプロットや伏線回収の巧みさ、YouTuberを題材にした、テーマの現代性等が高く評価され、平成生まれ初の受賞者に。(短編部門では第2回山田風太郎氏、第48回加納朋子氏に次ぎ、史上3番目の若さでの受賞)また、同年には三冊目の長編作品である『救国ゲーム』を刊行し、現在第22回本格ミステリ大賞の候補作に選出、とデビュー以来、スター作家への階段を一足飛びに駆け上ってきました。
新潮社はそんなミステリ界大注目の結城さんの最新作『#真相をお話しします』を6月30日に刊行いたします。
このたび本書のカバーを解禁。あわせて著者コメントを発表します。
■なぜミステリで「現代」を描くのか。ミステリの可能性とは。
本作ではYouTuberやマッチングアプリ、精子提供、リモート飲み、など「現代的なテーマやガジェット」がふんだんに取り込まれています。現代的なテーマにミステリを織り交ぜたかつてない読み味は、まさに新世代ミステリの幕明けを予感させます。今だからこそ、そして、「当事者」のひとりである結城さんの世代だからこそ書けたといえる、批評性に富んだ作品です。
なぜ作品に「現代的要素」を取り入れてみようと思ったのか。結城さんは次のように語ります。
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結城:新たな技術や価値観がもたらされる中で生じる「日常の歪み」や「新たな動機」に興味がありました。生活をより豊かにするための技術や道具が世に出てくれば、当然のようにそれを悪用する人もでてきます。新たな価値観が世に浸透すれば、当然のようにそこから「今までの常識では考えられない動機」も生まれます。
例えば、“迷惑系YouTuber”は「視聴回数を稼ぐため」に迷惑行為、下手したら犯罪行為に及びますが、これはほんの十年前では考えられなかった「動機」です。しかし、事実としてそれを楽しみにしている視聴者も居ますし、それが先の「動機」をより切実なものとしている側面もある。また、それらの迷惑行為に対して否定的であるいっぽうで、「でも、それをされたら、人はどういう反応をするのだろう」と怖いもの見たさにも似た興味を覚えてしまう自分が居るのも事実でした。
このもやもやとした割り切れない感情が原体験となり、ならば作品を通じて「すこぶる歪で、従来の常識ではとても考えられないけれど、いまを生きる私たちとどこか地続きのようにも思えてしまう事件・人間模様」を描いてみたいと思ったのです。
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そして、「現代」を持ち込むことは、ミステリを“進化”させる可能性も秘めていると言います。
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結城:「現代的なテーマ」とミステリについては、親和性が高く、可能性は無限に広がっていると感じます。例えば捜査技術の発展により古典的なトリックの一部が陳腐化してしまったりする例をよく聞きますが、先述の通り、「現代的なテーマ」ひいては「新たな技術や価値観」からは従来ではありえなかった目新しい動機・トリックが産み落とされる余地が多分にあると考え、本作でも自分なりに実践したつもりです。
ただ、執筆の根底には、あくまでエンターテイメントとして、普遍的な人間の心理を描くのだという意識もありました。どれだけ時代が移り変わり、技術が発展しようとも、結局最後に人を突き動かすのは「普遍的な欲求・感情」であろうとも予感もしています。それをいかに自然な形で物語に忍び込ませたのか、ぜひご注目いただければ幸いです。
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■本書収録「日本推理作家協会賞」受賞短編、異例の全文無料公開!
『#真相をお話しします』より、「日本推理作家協会賞」受賞短編「#拡散希望」を全文収録した無料お試し特別版を各電子書籍書店にて配信中。新潮社HPでも全文をお読みいただけます。ぜひご一読ください。
*【電子書籍】全文収録・無料お試し特別版
https://ebook.shinchosha.co.jp/book/E053311/
Kindle版:https://www.amazon.co.jp/dp/B09YCY982H/
*【新潮社HP】全文無料公開・試し読み
https://www.shinchosha.co.jp/book/352234/preview/
■いち早く『#真相をお話しします』をお読みいただいた書店員さんから絶賛コメント到着!
- 啓文社西条店 三島政幸さん
そしてその違和感は、間違っていない。
ただその展開があまりにも想定外、『驚愕』の一言ではとても片づけられない。
物語世界が文字通りひっくり返るぞ。これが結城真一郎の本当の凄さだ!
- ときわ書房 本店 宇田川拓也さん
「ミステリ」というマジックを使いこなし、驚きも戦慄も感動も自在に紡ぐ鮮やかな手際は、
同時にままならない現代の輪郭をもありありと浮かび上げてみせる。
優れたミステリが、時代とひとを残酷なまでに映し出す
磨き抜かれた鏡となることを証明した、極めつきの傑作集だ。
- 紀伊國屋書店仙台店 齋藤一弥さん
―彼らを侮らないほうが良い―
まさにこの言葉に凝縮された、ヒヤリとさせる短編集でした。
■『#真相をお話しします』あらすじ
家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。
■著者紹介:結城 真一郎(ユウキ シンイチロウ)
1991年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。2018年、『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞し、2019年に同作でデビュー。2020年に『プロジェクト・インソムニア』を刊行。同年、「小説新潮」掲載の短編小説「惨者面談」がアンソロジー『本格王2020』(講談社)に収録される。2021年には「#拡散希望」(「小説新潮」掲載)で第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。同年、三冊目の長編作品である『救国ゲーム』を刊行し、第22回本格ミステリ大賞の候補作に選出される。
■書籍概要
【タイトル】#真相をお話しします
【著者】結城 真一郎
【判型】四六判(224ページ)
【本体価格】1,705円(税込)
【発売日】2022年6月30日
【ISBN】978-410-352234-8
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/352234/
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