STとYOGITECH、STM32マイコンの機能安全設計パッケージを発表

柔軟で低価格なSTM32向けプラットフォームが、IEC 61508機能安全規格に準拠するシステムの開発期間短縮と開発コスト低減を実現

STマイクロエレクトロニクス

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)と、機能安全ソリューションの大手プロバイダであるYOGITECHは、32bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32ベースの機能安全設計が要求されるシステムの認証取得を簡略化する柔軟なソフトウェア設計支援パッケージを開発しました。

2013年11月に開始されたこの共同プロジェクトでは、機器設計を支援するSTM32用セーフティ・マニュアルと、機能安全規格(IEC61508:2010)に基づく認証を受けたSoftware Test Libraries(fRSTL)が作成されました。YOGITECHは、安全性の分析・検証に特許取得済みのホワイトボックス・アプローチ「fRMethodology」を利用し、従来のブラックボックス・テストよりも確実な自己診断率を保証するfRSTLならびに関連ツール(fRTools)を開発しました。

ユーザは、STM32用セーフティ・マニュアルを参照し、独自のソフトウェア・テスト・ライブラリ(STL)を開発することができます。同マニュアルは、st.com より無償ダウンロードが可能です。一方、ターンキーSTLとしてYOGITECHのfRSTL_STM32ライブラリを使用することで、IEC 61508安全度(SIL)2/3の認証取得にかかる時間が短縮され、テストコストと開発リスクを最小限に抑えることにもつながります。いずれの場合も、専用のオンチップ診断回路を搭載した特殊なセーフティ・マイコンを使用せずに、STM32を搭載した安全性が重視されるシステムの認証取得を可能にします。

STのマイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャであるMichel Buffaは、次の様にコメントしています。「STM32ファミリは、今回提供を開始した機能安全設計パッケージにより、IEC 61508規格の対象となる安全性が重視されるさまざまな産業機器に最適なソリューションを提供します。セーフティ・マニュアルが必要なガイドラインと安全性に配慮したSTM32の使用例を提示する一方、手頃なライセンス条件で提供されるYOGITECHのライブラリを使用することで、迅速で確実なSIL認証プロセスが可能になります。」

YOGITECHの最高経営責任者(CEO)であるSilvano Mottoは、次の様にコメントしています。「当社はSTとのパートナーシップを通じて、STM32のユーザに対し、品質と利便性に優れた標準製品を提供しています。fRSTL_STM32 Software Librariesは、安全性が重視されるシステムに対する当社のIP製品ポートフォリオを拡張し、ICに適用されるIEC61508規格や関連規格に準拠するソリューションの主要サプライヤとしてのYOGITECHの地位を確実なものとしています。」

これらのマニュアルとライブラリは、STM32 F0 / F1 / F2 / F3 / F4 / L1の各シリーズに対応しており、安全性が重視されるシステム向けに高い性能と豊富な機能を提供する500品種以上の製品の選択肢を提供します。今後、STM32のその他の製品シリーズにも順次対応していく予定です。fRSTLソフトウェア・ライブラリは、系統的耐性(SC3)に関する機能安全規格(IEC61508:2010)、およびSIL2(HFT:ハードウェア故障耐性 0)とSIL3(HFT 1)までに該当するアプリケーションで利用可能なDC故障モデルによる自己診断率に準じ、TUV Rheinland社によって認証されました。また、セーフティ・マニュアルには、ISO 13849、IEC 62061、IEC 61800、IEC 60730、ISO 26262等、その他の機能安全規格の枠組みにおける結果の利用方法についても記載されています。

詳細情報 : STM32向け機能安全パッケージ
IEC 61508の対象となる安全性が重視される産業機器には、危険区域へのアクセス制御用システム、機械オペレータの保護制御システム、ロボット・コントローラ等が含まれます。特に、ロボット市場は急速に成長しており、国際ロボット連盟は、2017年までに全世界で28万台以上のシステムが出荷されると予測しています。

STは、セーフティ・マニュアルとYOGITECHの自己診断ライブラリをSTM32を搭載する機器の機能安全認証取得に役立てている複数の顧客と協力しています。

国際的なビジネス・サービス・プロバイダのBrunel社のプロジェクトマネージャーであるWolfgang Pietsch氏は、次の様にコメントしています。「当社は、安全性に関するプロジェクトにおいて、STM32およびfRSTLを採用しています。当社は、セーフティ・マニュアルと共に、安全性が重視される環境でのSTM32の使用方法だけでなく、ソフトウェア診断に対するfRSTLライブラリの利用により、大幅な時間短縮とシステム統合の簡略化を実現しています。」

石油採掘装置の世界的リーダーであるAtlas Copco社のHans Gustavsson氏は、次の様にコメントしています。「当社は、ISO13849準拠のシステムをリリースする予定ですが、開発時間を短縮するため、fRSTLライブラリを利用することに決めました。STM32、STM32向けセーフティ・マニュアルおよびfRSTLを組み合わせることで、安全性の重要度に関わらず、ほぼ全ての組込み製品開発に同一プラットフォームを利用し、コードとツールを再利用することができます。また、ソフトウェア・テスト・ライブラリのもう一つのメリットは、ハードウェアのみに依存するソリューションと比べ、より優れた低消費電力システムの設計が可能になることです。」

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、「センス & パワー、オートモーティブ製品」と「エンベデッド・プロセッシング ソリューション」の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。エネルギー管理・省電力からデータ・セキュリティ、医療・ヘルスケアからスマート・コンスーマ機器まで、そして、家庭、自動車、オフィスおよび仕事や遊びの中など、人々の暮らしのあらゆるシーンにおいてSTの技術が活躍しています。STは、よりスマートな生活に向けた技術革新を通し、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。2014年の売上は74.0億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st-japan.co.jp )をご覧ください。

YOGITECHについて
2000年に設立されたYOGITECHは、半導体メーカーやシステム・インテグレータ向けのサービスならびにソリューションを提供する大手プロバイダで、機能安全上の課題に対処する企業を支援しています。faultRobust技術には、fRMethodology、fRTools、fRTrainings、fRIPs、fRSTL等が含まれており、機能安全に関するワンストップ・サプライヤとして、一貫して取り組んでいます。取引先には、自動車、産業機器、医療、鉄道など、多種多様なセーフティ・アプリケーション分野の大手半導体メーカーや大手システム・インテグレータが含まれます。YOGITECHは、ISO 26262ワーキング・グループのメンバーで、Part 10 - Annex A "ISO26262 and microcontrollers"(ISO26262 and microcontrollers)の作成を主導した他、新たに設立されたISO 26262半導体ワーキング・グループのメンバーとして積極的に活動しています。

◆YOGITECHへのお問い合わせ先
Daniela Gravino
Marketing Assistant
+3905086351
daniela.gravino@yogitech.com
http://www.yogitech.com

◆STへのお客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
マイクロコントローラ・メモリ・セキュアMCU製品グループ
TEL: 03-5783-8240 FAX: 03-5783-8216

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会社概要

STマイクロエレクトロニクス

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URL
http://www.st.com/jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220
代表者名
マルコ・カッシス
上場
未上場
資本金
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設立
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