潤滑剤とPEEKコーティングを組み合わせた世界初の低摩擦ソリューションの事業化に向け基本合意書を締結
2035年までに事業規模100億円の達成へ
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明、以下「当社」)は、コーティング技術に強みを持つ韓国のZenith Corporation(本社:梁山市、代表取締役社長:Younggon Joo、以下「ゼニス社」)と、その日本総代理店である株式会社グローバルコード(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:井上健吉、以下「GC社」)の3社で、当社の潤滑剤と、ゼニス社のPEEK※1を用いたコーティング(以下「PEEKコーティング」)を組み合わせた世界初※2の低摩擦ソリューションの事業化に向け、基本合意書を締結しました。当社は、2035年までに事業規模100億円の達成を目指し本事業の拡大を進めていきます。
※1 PEEK:耐熱性、耐摩耗性に優れた高機能プラスチック。
※2 当社調べ(2025年10月時点)。

潤滑剤は、摩擦を低減するために、自動車や産業機械などの摺動部(部品同士が接触して動く部分)で広く使用されています。さらに、基材の表面に耐熱性・耐摩耗性に優れたコーティングを施すことで、潤滑剤との相乗効果により、摩擦を一層低減します。当社は、これまで潤滑剤供給を中心に事業を展開してきましたが、コーティングとの併用により更なる低摩擦化の実現を目指します。
コーティング素材として広く使われてきたテフロンは、環境中で分解されにくいPFAS(Per-and Polyfluoroalkyl Substances)の一種であり、廃棄後も土壌や水中に長期間残留するため、環境への影響が懸念されています。このような背景から、非PFASで高機能な代替素材への期待が世界的に高まっています。当社は、その代替素材として、非PFASで耐熱性、耐摩耗性に優れた高機能プラスチック「PEEK」に着目しました。しかし、PEEKは基材への密着が難しいことから、コーティングとしての利用は限定的でした。
当社は、この課題に対し基材の表面に微細な凹凸を形成するアンカー構造を用いて高い密着性を実現するゼニス社の技術を採用しました。また、長年培ってきた潤滑剤の設計・処方技術を活かし、PEEKの特長を最大限発揮させる高機能潤滑剤を開発しました。これにより自動車や産業機械などの工業分野において、潤滑剤とPEEKコーティングを併用することで、更なる低摩擦化を実現します。なお、コーティング用途向けに塗料化されたPEEKの国内への輸入および基材へのコーティング施工は、ゼニス社の委託を受けてGC社が担います。
当社は、環境負荷低減と高機能化を両立させる新たな低摩擦ソリューションとして、国内外の潤滑剤供給先に対し、PEEKコーティングの提案と、それに適した潤滑剤の販売を進めます。これにより、自動車や産業機械などにおける省燃費・省電力化を促進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
【参考】
1. ゼニス社概要
URL:http://www.allivecoat.com/jp/index.php
Zenith Corporationは、韓国・梁山に本社を置くコーティング専門企業です。自社ブランドallive®シリーズとして、用途に応じた各種コーティングを展開しており、主に調理器具向けのコーティングに強みを持ちます。
2. GC社概要
株式会社グローバルコードは、大阪に本社を置く貿易商社で、化学、電子材料、半導体などの輸出入やOEM、食品輸入など、幅広く事業を展開しています。現在はPEEKコーティング事業にも注力しています。
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