DeepFake犯罪に対抗する新戦力、AIデータ社がAI映像鑑定基盤の検証を開始 ― 国立情報学研究所(NII)発のフェイク判定AI技術を活用 ―

■ DeepFakeがもたらす新たな脅威に、AIが挑む
現在、DeepFake(ディープフェイク)技術を悪用した犯罪が世界的に増加しています。
SNSでは著名人になりすました偽動画や、児童の顔をポルノコンテンツに合成した映像が拡散され、名誉毀損やプライバシー侵害といった深刻な問題を引き起こしています。
さらに、AI生成映像を用いたeKYC(オンライン本人確認)詐欺や、株価操作・世論誘導を目的とした偽の「発言動画」など、金融・行政・法務分野における悪用も報告されており、「映像=客観的な証拠」という前提は揺らぎつつあります。こうした状況への対抗手段として、映像の真贋を客観的に評価できる技術基盤の整備が急務となっています。
■ AIデータ社、AI映像鑑定基盤を構築し検証を開始
企業データとAIの利活用カンパニー、AIデータ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 佐々木隆仁、以下AIデータ社)は、国立情報学研究所(NII)が研究開発を進めるDeepFake判定AI技術「SYNTHETIQ VISION」を活用し、AI映像鑑定基盤の検証環境を社内に構築し、その有効性や運用方法の評価を開始しました。
現時点では、実際の運用・サービス提供に向けた「検証フェーズ」であり、以下のような点を中心に評価を進めています。
・犯罪、トラブル事案を想定した各種サンプル映像に対する判定傾向
・従来の目視・手作業による確認プロセスとの比較
・法的な証拠能力や、内部統制・監査プロセスへの組み込み可能性
・捜査機関・自治体・企業等との連携を見据えた運用フロー
商用サービスとしての提供開始時期や提供形態については、これらの検証結果を踏まえて今後検討してまいります。
■ フェイク映像判定AI「SYNTHETIQ VISION」とは
SYNTHETIQ VISIONは、国立情報学研究所(NII)が研究開発を進めているフェイク映像判定AIであり、公表されている情報等に基づく技術的な特徴は概ね次の通りです。
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生成・合成された顔映像に特有の“微細な生成痕跡”をAIが解析し、真偽の可能性をスコアとして出力することを志向した設計であること
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人間の目では判別が難しい映像についても、真偽の可能性を数値的に評価するアプローチを採用していること
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映像圧縮や再エンコード、一定の加工が施された後の映像に対しても、検出性能の維持を目指したモデル構成となっていること
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判定結果や関連ログを保存し、後からの再検証や監査プロセスで参照できるアーキテクチャを備えていること
AIデータ社では、これらの研究成果を活用しつつ、
・「人の目だけに依存しない映像鑑定」がどの程度実現し得るか
・既存の目視チェックや不正検知システムとどのように組み合わせるべきか
・証拠性・説明責任を踏まえた判定ログの管理・保存ルールをどう設計すべきか
といった観点から、「実務で使えるAI映像鑑定基盤」となり得るかを検証しています。
※本プレスリリースは、SYNTHETIQ VISIONの性能を当社として保証するものではなく、「当社が同技術を活用した検証を開始した」という事実をお知らせするものです。
■ 想定している活用領域と社会的インパクト
本AI映像鑑定基盤は、今後の検証結果や関係機関との協議を前提に、次のような領域での活用可能性を想定しています。
- 捜査機関/教育委員会
児童・生徒の顔を無断で合成した誹謗中傷動画、ポルノコンテンツ等に対して、
・DeepFakeの疑いがあるかどうかの一次スクリーニング支援
・被害申告時の証拠映像整理・記録支援
- 自治体・行政機関
なりすまし発言動画や誤情報拡散に関して、
・相談窓口に寄せられた映像の真偽判定の補助
・プラットフォーム事業者への削除要請や照会の際の技術的根拠資料の整備
- 金融機関/eKYC事業者
顔動画を用いたオンライン本人確認において、
・「なりすまし」「合成顔」の疑いがある映像の機械的な抽出
・高リスク取引や追加本人確認フローに回すためのスコアリング
- メディア企業/SNS運営事業者
投稿動画や広告素材に対して、
・配信前チェックや通報受付時の二次審査にAIスコアを活用
・自社ブランド毀損や偽情報拡散リスクの見える化
これらはあくまで「想定される利用シナリオ」であり、具体的な導入や運用形態は、各分野の専門家・関係機関との議論・実証を経て慎重に決定していく予定です。
■ 今後の展開
AIデータ社は、データ復旧・デジタルフォレンジック分野で培った経験を生かしつつ、以下のステップで本AI映像鑑定基盤の検証と高度化を進めていきます。
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実務に近いケースを想定したテストデータによる評価と課題抽出
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捜査機関、教育現場、金融機関、自治体などとの共同検証・実証実験の検討
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法的証拠性やガイドラインとの整合性を踏まえた運用ルールの整備
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既存のデータ復旧・調査サービスとの連携方法の検討
AIデータ社は、DeepFake技術の悪用による被害を少しでも抑止できるよう、現実的かつ検証に裏打ちされた形でAI映像鑑定基盤の実用化を目指します。
そのうえで、中長期的には、「映像の真偽を技術的に検証できる仕組み」が社会インフラの一部として位置づけられる未来を見据え、関係機関・研究機関との連携を進めてまいります。
■AIデータ株式会社について
名 称:AIデータ株式会社
設 立:2015年4月 資本金:1億円(資本準備金15億2500万円)
代表取締役社長:佐々木 隆仁
所在地:東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町ビル4F
URL: https://www.aidata.co.jp/
AIデータ社は、データインフラと知財インフラを基盤に、20年以上にわたり企業や個人のデータ資産を守り、活用する事業を展開してきました。1万社以上の企業、100万人以上のお客様から信頼を得ており、データ共有、バックアップ、復旧、移行、消去を包括する「データエコシステム事業」では、BCNアワードで16年連続販売本数1位を獲得しています。
データインフラでは、IDXのクラウドデータ管理や復旧サービスを提供するとともに、経済産業大臣賞を受けたフォレンジック調査や証拠開示サービスを通じて、法務分野でも高い評価を得ています。
一方、知財インフラでは、グループ会社の特許検索・出願支援システム『Tokkyo.Ai』や特許売買を可能にするIPマーケットプレイスの構築により、知財管理と収益化を支援。これらを統合し、生成AI『AI孔明™』によるデータと知財の融合プラットフォームを展開しています。また、防衛省との連携による若手エンジニア育成にも注力し、データ管理と知財保護を通じて社会基盤の強化に貢献しています。
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