花王、欧州化学工業連盟より「European Responsible Care® Awards 2025」で「特別表彰」を受賞
先導的イノベーションによるプラスチック削減と資源循環型社会に向けた挑戦を評価
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、このたび、欧州化学工業連盟(Cefic)が主催する「European Responsible Care® Awards 2025」(ヨーロピアンレスポンシブルケアアワード)*1において「特別表彰」を受賞しました。本賞は欧州の化学産業における、レスポンシブル・ケア(安全・環境・責任ある化学物質管理)を推進する取り組みを表彰するもので、花王はプラスチック削減と循環型社会に向けた先導的なイノベーションが高く評価されました。
*1 Responsible Care® Awards 2025 - cefic (英語)

花王は、資源循環型社会の構築に向けて、2040年までにプラスチック包装容器使用量とプラスチック再資源化に関与した量が等しくなる「ごみゼロ」、2050年までにプラスチック包装容器の使用量を再資源化量が上回る「ごみネガティブ」の達成をめざしています。今回の受賞では、プラスチック包装容器におけるプラスチック使用量削減と、廃棄PETを原料とした高耐久アスファルト改質剤によるアップサイクルの取り組みが高く評価されました。これらの活動はいずれも、革新的な技術と、生活者や自治体など多様なステークホルダーとの連携によって実現しています。審査員からは、「花王は約30年前から先駆的に取り組みを開始し、継続的な成果と革新を重ねてきた」との評価が寄せられました。
受賞にあたり、藤井健吉研究主幹/研究戦略・企画部部長は、「SAICM*2を端緒とする責任ある化学物質管理の国際表彰である 『European Responsible Care® Awards 2025』において『特別表彰』を受賞できましたことを、大変光栄に思います。花王は30年以上、プラスチック削減やつめかえ文化の醸成を通じ、生活者の行動変容と資源循環の社会実装に取り組んできました。これら独自の取り組みを国際的に評価いただいたことをうれしく受け止めています。今後も世界のステークホルダーと共に、責任ある化学物質管理と持続可能な社会の構築に貢献してまいります」としています。
*2 Strategic Approach to International Chemicals Management:国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ
プラスチック包装容器におけるプラスチック使用量削減
花王は包装容器において、1991年に花王として初めてつめかえパックを発売して以来、30年以上にわたり、プラスチック使用量の削減に取り組んでいます。内容物の濃縮化による容器のコンパクト化や、つめかえ・つけかえ用製品の開発・普及を進めてきました。現在、日本の日用品市場におけるつめかえ・つけかえ用製品は、2023年時点で全製品出荷数の約80%を占めています*3。
*3 日本石鹸洗剤工業会 「石鹸洗剤業界における容器包装プラスチック使用量の推移」(重量ベース)
花王は2015年から、プラスチック包装容器の資源循環型社会の実現をめざし、「リサイクリエーション」活動を展開しています。「リサイクリエーション」は、使い終えたものを再び資源に戻す「リサイクル」と、新たな価値を生み出す「クリエーション」を組み合わせた花王独自の考え方です。全国の自治体、企業、生活者と連携し、使用済みつめかえパックの回収と再資源化を推進しており、2024年12月末時点で累計約268万枚(約48.2トン)を回収しました。さらに2023年には、使用済みつめかえパックの水平リサイクル技術を実用化し、再生材料を一部に使用したつめかえパックを開発、数量限定で発売しています。
2023年5月 ニュースリリース
花王とライオン、使用済みつめかえパックを協働で水平リサイクル 再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化
2023年5月 ニュースリリース
廃棄PETを原料とした高耐久アスファルト改質剤におけるアップサイクル
生活者向けの製品に加えて、高耐久アスファルト改質剤「ニュートラック」においてもプラスチック使用量削減に貢献しています。廃棄されるPET素材を独自技術によって改質剤に変換し、アスファルト舗装に添加することでその耐久性を、最大で5倍高めることができます。舗装の高耐久化により、路面の損傷を低減し、補修工事に伴うCO2 排出量の削減にもつながります。日本国内では40万m2以上の道路や駐車場などでの採用実績があり、その取り組みは、欧州、米国、タイや台湾にも広がっています。
廃PET活用高耐久アスファルト改質剤「ニュートラック 5000」シリーズ
「European Responsible Care® Awards」とは
レスポンシブル・ケアは、化学品製造・管理において法令順守を超え、「人と環境を守る」「資源を効率的に使う」「透明性を高める」「ステークホルダーと対話する」といった責任ある行動を推進する国際的な自主イニシアティブです。「European Responsible Care® Awards」は、花王が所属する欧州化学工業連盟が主催しており、こうした取り組みを表彰・促進することで、業界内およびバリューチェーン全体でのベストプラクティスを共有し、化学産業全体における安全・環境・持続可能性の向上に寄与することを目的としています。
賞は5つのカテゴリーに分かれており、花王は「カテゴリー2:業界の境界を超えて 化学製品の価値・供給チェーン全体にレスポンシブル・ケアの理念を広げる」での受賞です。このカテゴリーでは、化学産業のバリューチェーン(サプライヤー・顧客・パートナー等を含む)全体を巻き込んだ、安全・環境・エネルギー・持続可能性の活動を対象に、責任ある調達や透明性の向上、知識共有をする取り組みが表彰されます。
関連情報
2019年4月 ニュースリリース
花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表
花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)について
花王グループは130年以上にわたり、「豊かな共生世界の実現」、つまり「Kirei Lifestyle」(キレイライフスタイル)の実現に取り組んでいます。日本語の「きれい」という言葉は、清潔、秩序、美、といったすべての状態を意味しています。「きれい」とは、外見だけではありません。自分のため、他の人々のため、私たちをとりまく自然界のため、美しさを創造しようとする生き方をも表します。花王グループは、生活者の持続可能な暮らしの実現をめざし、2019年にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定しました。2030年までに少なくとも10億人が、よりこころ豊かな暮らしを送り、100%の製品が全ライフスタイルにおいて、科学的に地球が許容できる範囲内の環境フットプリントとなることをめざしています。
詳細は、花王ウェブサイト内「サステナビリティ」をご覧ください。
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