7/13(⽔)にポジティブ政治⼼理学国際セミナー1 をオンライン開催 ウェルネスと公正︓⼼理学と社会的次元

国立大学法人千葉大学

千葉⼤学国際⾼等研究基幹 研究⽀援プログラム「公正社会研究の新展開」では、本プロジェクト構成員から国際的に新しく提起された「ポジティブ政治⼼理学(以下にて詳説)」に関して国際セミナーを開催します。初回は「ウェルネスと公正︓⼼理学と社会的次元」をテーマとし、社会的次元も含めた⼼理学的研究において国際的に著名なアイザック・プリレルテンスキー教授(⽶国マイアミ⼤学)にオンラインで講演していただきます。
プリレルテンスキー教授は、コミュニティ⼼理学の世界的権威で、個⼈的・組織的・コミュニティなどに関する多次元的ウェルビーイングの概念を提唱されています。同教授は『⼼理学のフロンティア』で⼩林正弥教授(千葉⼤学⼤学院社会科学研究院)が寄稿した特集「共通善のための⼼理学︓市⺠性・正義・ウェルビーイング」の客員編集者も務められ、今回はこのテーマに即して「ウェルネス・公正・(称賛に値する)価値――共通善の⼼理学的基礎」と題した講演をしてくださいます。 
また、⼼理学および社会科学の観点からワーク・エンゲイジメント研究で著名な島津明⼈教授(慶應義塾⼤学総合政策学部)にご討論いただき、本プロジェクト構成員からの関連コメントも予定しています。 
貴重な機会ですので、多くの⽅々が参加してくださることを願っております。 

■⽇時︓2022 年 7 ⽉ 13 ⽇(⽔)10:00-12:00
■開催⽅法︓オンライン(ZOOM) 
 ↓お申し込みはこちらから(参加費無料)

■アジェンダ︓
10:00-10:10【開会挨拶】⽔島治郎(千葉⼤学教授/「公正社会研究の新展開」代表)
10:10-10:50【講演】アイザック・プリレルテンスキー(マイアミ⼤学教授)
          "ウェルネス・公正・(称賛に値する)価値--共通善の⼼理社会的基礎"
10:50-11:25【コメント】島津明⼈(慶應義塾⼤学教授)
       【コメント】⼩林正弥(千葉⼤学教授)
11:25-12:00【応答と質疑】
       【閉会挨拶】⽔島治郎(千葉⼤学教授)
■司会︓⽯⼾光(千葉⼤学教授)
■⾔語︓英語

イベントポスターイベントポスター

本セミナーに関連する研究成果をご紹介します。
  • ウェルビーイング調査結果 公正な社会が⼈びとの幸福を増⼤
Frontiers in Psychology(2021,12)の特集「共通善のための⼼理学――世界における市⺠性・正義・ ウェルビーイングの相互依存」で発表した 2 つの論⽂*1)において、⼩林正弥教授は、ポジティブ政治⼼ 理学という新しい概念を国際的に提起し、ポジティブ⼼理学*2)と政治哲学との学際的なアプローチを理 論的に⽰して、それに基づいた実証研究を世界で初めて⾏いました。その結果、コロナ禍において、正 義・公正がウェルビーイングに好影響をもたらしていることを⾒出しました。

第 1 論⽂「政治哲学とポジティブ政治⼼理学――共通善のための学際的枠組み」︓主要な現代政治哲学 を「個⼈主義/集団主義」と「倫理的/⾮倫理的」の⼆軸によって整理し、それぞれとシティズンシップ (市⺠性)、正義、ウェルビーイング(良好な状態、以下WB)との関連性を⽰しました。その中で、コ ミュニタリアニズム(善や共同性など、地域や家族などの中で培われる価値観を重視する政治哲学の⽴ 場)において、市⺠性や正義とウェルビーイングがもっとも密接に関連しています。 この整理は、⼼理学の知⾒に基づいて、政治哲学の理解を深めるためにも寄与します。「従来の⼼理学 /ポジティブ⼼理学」という対⽐と同じように、「従来の政治哲学/ポジティブ政治哲学」という対⽐を考 えることができて、功利主義やコミュニタリアニズムはポジティブ政治哲学とみなすことができるから です。このような枠組みによって、共通善を探究するための(社会科学を含めた)学際的協⼒が可能にな ります。

第 2 論⽂「政治哲学の⼼理学的検討――⽇本における市⺠性・正義・ウェルビーイングの相互関係」︓ 上記の枠組みに基づき、代表的な政治哲学に基づく仮説を想定し、2 回のインターネット調査( ⺟数 5000,2020 年/ ⺟数 6885, 2021 年)の結果をもとにそれぞれの妥当性を検証しました。その結果、 市⺠性、正義、WB(もしくは政治的WB)間に強い相関が明らかになりました。また、これら 3 つの 相関関係のほぼ全てについて、美徳に関連するWB指標を⽤いた相関関係の⽅が、快楽に関係するWB 指標を⽤いた相関関係よりも⾼いことがわかりました。これらの知⾒はコミュニタリアニズムに基づく 仮説と整合的です。 また、市⺠性と正義は、⼀般的なWBよりも政治的WBと密接に関連していました。さらに、格差解消 とWBには正の相関があり、社会で格差が減少している⽅が⼈々のWBは⾼まる傾向があることがわか りました。快楽に関連するWB指標よりも美徳に関連するWB指標を⽤いた⽅が、倫理的正義とWBと の相関の⽅がより⼤きいものでした。これは、福祉などによる分配的正義は倫理的側⾯に関連があるこ とを⽰しています。これらは、コミュニタリアニズムに基づく仮説と整合的です。市⺠性・正義・WBの 3 つの概念の関係は政治哲学において重要な点なので、これらの結果は、他の政治哲学に⽐して、コミュ ニタリアニズムの信憑性を⾼めるものです。

*1)第 1 論⽂︓”Political Philosophies and Positive Political Psychology: Inter-Disciplinary Framework for the Common Good”, 13 December 2021, (https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.727818)
    第 2 論⽂︓”Psychological Examination of Political Philosophies: Interrelationship Among Citizenship, Justice, and Well-Being in Japan”, 28 February 2022 (https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.790671)
*2)ポジティブ⼼理学︓幸福や繁栄など、良い⽅向の⼼理について科学的に検証・実証を試みる⼼理学
 

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会社概要

国立大学法人千葉大学

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URL
https://www.chiba-u.ac.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33  
電話番号
043-251-1111
代表者名
横手 幸太郎
上場
未上場
資本金
-
設立
2004年04月