FRONTEOリーガルレポート(2024年 秋)企業の有事対応に関する実態調査を公表
2社に1社が「過去5年で不正・不祥事あり」と回答し、不正対応を課題認識するも、平時のコンプライアンス対策にてKPI指標を設定している企業は23%
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)は、企業の有事対応に関する実態調査「あなたの会社のコンプライアンス体制と弁護士事務所活用状況」を行い、結果をウェブサイトにて公開しました。
【調査結果レポートダウンロードURL】
https://lp.fronteo.com/FLLP_WP_2024AW.html
【調査概要】
調査実施期間:2024年10月4日~11月8日
調査対象:FRONTEOのリーガルプラットフォーム「FRONTEO Legal Link Portal」* 登録会員
* 企業の法務・知財担当者や管理部門責任者等と、第一線で活躍する国内外の弁護士・エキスパートをつなぐ、国内最大級の会員制リーガルプラットフォーム(https://legal.fronteo.com/fllp/)。2020年6月開設。オンラインセミナーや動画コンテンツを発信し、2024年12月現在、登録会員数 1万8000人以上、掲載動画900本以上、講師登壇者数360人以上。
回答者属性:主に企業の法務・知財、コンプライアンス・ガバナンス・リスクマネジメント、内部統制・監査、総務・人事・財務経理、経営管理などの担当者
調査方法:インターネット調査
有効回答数:130
調査主体:FRONTEO
調査結果では、過去5年以内に社内で何らかの不正・不祥事に対応した経験があるとした回答者が50%に上り、2社に1社で不正・不祥事が発生している実態と、それらへの対応が企業において切実な課題となっていることが示唆されました。発生した不正・不祥事の種類(複数回答)は「労務不正(各種ハラスメントなど)」が最も多く38%、次いで「情報漏洩(顧客情報や機密情報などの流出)」22%、「セキュリティインシデント(ウイルス感染、サイバー攻撃など)」21%が上位となりました(図1)。
平時のコンプライアンス対策について、KPI・効果測定のための指標を設定しているかの設問では、「設定している」とする回答は23%に留まりました(図2-1)。一方、「設定を検討中」「設定の予定はないが、必要性を感じている」など、設定への必要性を認める回答者は64%に上りました。具体的な指標(複数回答)としては「従業員サーベイ・意識調査の結果」 「コンプライアンス違反の件数」「研修の実施回数や受講率」などを挙げた回答が多く、また2つ以上を選択した回答者が73%に上り、多くの企業が複数の指標で運用していました(図2-2)。
不正・不祥事対応経験があるとした回答者が、その際に利用した外部サービスとしては、「弁護士事務所」が最多で62%でした。主要取引先の弁護士事務所を知った経緯は「既存取引」が57%と最も多く、「紹介」19%、「イベント/セミナーを見て」12%などが続きました。また、既存取引のある弁護士事務所を利用したとする回答者のうち、43%が他の弁護士事務所や弁護士にセカンドオピニオンを「求めたことがある」と回答し、「求めたことはないが、検討している」も23%に上りました。セカンドオピニオンを求めたことがある回答者に、その理由を尋ねた設問(複数回答)では、「ファーストオピニオンの確度を上げるため」97%、「ファーストオピニオンとは別の選択肢が欲しかったため」44%などの回答が上位でした。
長島・大野・常松法律事務所 弁護士 勝 伸幸 氏のコメント
「本調査結果で最も印象的だったのは、コンプライアンス施策の指標・効果測定を既に設定又は検討している企業が一定割合見られた一方で、予想以上に多くの企業が「必要性を感じつつも検討まで至っていない」と回答した点でした。
近年のトレンドとして、コンプライアンス・プログラムに投資をするだけで評価されるのではなく、自社の施策・仕組みに効果があること、特に、効果があるか否かを自社なりに検証し、それを示すことができるかが評価される時代へと変わってきています。効果がない施策に人的・金銭的投資を継続してきた企業と、主体的に施策の効果を把握しようと努め、何らかのエビデンスをもとに効果があると考える施策に注力してきた企業とでは、後者の方が優れていることは自明です。今後、企業犯罪・不正が発生したとしても、海外当局によりコンプライアンス・プログラムが評価される場面などにおいて、自ら効果検証をしながら、仕組みをアップデートし続けてきた企業の方が不起訴やより有利な内容の処分につながる評価を受けることが予想されます。
今回の回答の中で、KPIを設定済みの企業の8割が例として挙げている、(1)従業員サーベイの結果 (2)コンプライアンス違反の件数 (3)研修実施回数や受講率、といった指標は、データの得やすさ・分かりやすさという観点から利用される典型的な指標といえます。次のステップとしては、自社にとって意味のある具体的指標の検討を継続し、内容によっては独自指標の設定にも挑戦してほしいと考えます。コンプライアンス・プログラムの中で各施策の目的が何かを具体的に定義し、それに対する現状(どの程度実現できているか)を把握するためのデータを探し、作り、取得することが重要です。例えば、従業員サーベイの際にも、他社と共通の質問とは別に、各企業が目指す状態を踏まえ、何をどのように聞くかという具体的な設問設計や、分析の仕方が重要といえます」
〈勝 伸幸 氏プロフィール〉
2015年長島・大野・常松法律事務所入所。2022年にNYU School of Law、Stern School of Business卒業。その後、Kirkland & Ellis LLPにてホワイトカラークライム等の分野を中心とした1年間の研修を経て2023年帰国。一般企業法務に加え、主な専門分野は、企業・組織のコンプライアンス、リスク・マネジメント、国内外の危機管理・企業不祥事対応、不正調査等。近時は、データ分析を活用したコンプライアンス・プログラムの有効性検証・整備に力を入れ、組織風土の検証等にも携わる。
■FRONTEOについて URL:https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。
KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障、リーガルテックAIの各分野で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金898,618千円(2024年8月31日時点)。
※FRONTEO、KIBITはFRONTEOの日本における登録商標です。
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