No.1表示広告は、「事実に基づくべき」8割。購買意欲に影響するも、効果は減退傾向

「No.1表示広告」に関する意識調査2022年

株式会社マクロミル

株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役社長 グローバルCEO:佐々木徹 以下、当社)は、テレビCM やWeb広告などで度々目にする、「No.1」「ランキング1位」「業界トップ」などを謳った広告(以下、No.1表示広告)に関する消費者の意識を調査し、3年前に行った同調査と時系列で比較をしました。

調査手法はインターネットリサーチ。全国20~69歳の1,000人を対象に調査。調査期間は2022年7月27日(水)~7月28日(木)。
■トピックス
  1. 7割近くが月に数回以上見聞きするNo.1表示広告。半数以上は不快感を抱く可能性も
  2. No.1表示広告の印象、「好感が持てる」「興味を持つ」「信頼できる」「買いたくなる」はいずれも半数以下
  3. 好印象では「人気がある」、悪印象では「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」
  4. 購入意欲への影響は若い世代ほど高いが、3年で減退傾向。60代への影響度低下は顕著
  5. No.1表示広告を「増えたと感じる」が過半数、「事実に基づくべき」は8割にのぼる

■調査結果
1.7割近くが月に数回以上見聞きするNo.1表示広告。半数以上は不快感を抱く可能性も

No.1表示広告は、普段どの程度見聞きされているのでしょうか。頻度を尋ねると、「週に何度も」は37.3%、「月に数回」は31.0%と、合計68.3%の人が、月に数回以上見聞きしていると回答しました。

 また、見聞きした際に持つ印象は、「好感を持つことが多い」15.2%、「好感を持つこともあれば、不快感を持つこともある」54.8%、「不快感を持つことが多い」12.7%でした。“No.1”を謳われたからといって、それを目にした人が必ずしも好感を持つのではなく、広告の内容によっては不快感を抱く可能性のある人が半数以上いることが分かりました。

【図1】 No.1表示広告との接触状況 (ベース:全体1,000名/単一回答)【図1】 No.1表示広告との接触状況 (ベース:全体1,000名/単一回答)

【図2】 No.1表示広告との接触時の印象 (ベース:全体1,000名/単一回答)【図2】 No.1表示広告との接触時の印象 (ベース:全体1,000名/単一回答)

 

2.No.1表示広告の印象、「好感が持てる」「興味を持つ」「信頼できる」「買いたくなる」は、いずれも半数以下
No.1表示広告を見聞きした際、消費者はその商品やサービスにどのような印象を持つのでしょうか。2019年の同調査と比較してみました。

「興味を持つ」「好感が持てる」「信頼できる」「買いたくなる」のいずれも、あてはまる計(とてもあてはまる+ややあてはまる)のスコアが3年で微減しました。No.1表示広告をより慎重に判断するようになっているようです。

【図3】 No.1表示広告の商品・サービスに対する印象(2019年と2022年の比較) (ベース:全体1,000名/単一回答)【図3】 No.1表示広告の商品・サービスに対する印象(2019年と2022年の比較) (ベース:全体1,000名/単一回答)

3.好印象では「人気がある」、悪印象では「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」
さらに、No.1表示広告を見聞きした際の商品やサービス対する具体的な印象について、好印象と悪印象に分けて尋ねた結果を見ていきます。

好印象の上位5つは、「人気がある」「流行っている」「期待できそう」「勢いがある」「宣伝が上手い」となりました。1位の「人気がある」は、27.4%と、2位と5ポイント以上の差があり突出していますが、全体の3割にも届いていません。一方、悪印象の上位5つは「うさんくさい」「信ぴょう性に欠ける」「押し付けがましい」「売り込まれているように感じる」「企業の自己満足」の順でした。上位2つの「うさんくさい」「信ぴょう性にかける」は4割に迫る結果となりました。 
 

【図4】 No.1表示広告に対する印象上位5位(好印象と悪印象) (ベース:全体1,000名/複数回答)【図4】 No.1表示広告に対する印象上位5位(好印象と悪印象) (ベース:全体1,000名/複数回答)

4.購入意欲への影響は若い世代ほど高いが、3年で減退傾向。60代への影響度低下は顕著
No.1表示広告は、消費者の購入意欲にどの程度影響しているのでしょうか。年代別に比較しました。

影響する計(かなり影響する+やや影響する)で見てみると、2022年は若い世代ほどスコアが高く、20代では約半数の49.7%でした。しかし、2019年と比べると、ほとんどの世代でスコアが低下しました。特に60代が顕著で、影響すると回答した人は3割にも満たない結果となりました。

【図5】 No.1表示広告は購入意欲に影響するか(年代別/2019年と2022年の比較) (ベース:全体1,000名/単一回答)【図5】 No.1表示広告は購入意欲に影響するか(年代別/2019年と2022年の比較) (ベース:全体1,000名/単一回答)

5.No.1表示広告を「増えたと感じる」が過半数、「事実に基づくべき」は8割にのぼる
最後に、No.1表示広告に対する考え方を尋ねました。

広告が増えたと感じる計(そう思う+ややそう思う)は54.7%と過半数を占める一方で、「消費者へのアピールに最適だ」と考える人は35.5%にとどまっており、No.1表示広告との接触は高くなっているものの、アピールにつながっていると考える人は少ないことが分かります。

また、昨今No.1表示広告は、恣意的な調査によって不当な「No.1」が作り上げられるなどの問題もでてきていますが、「事実に基づくべきだ」は79.9%、「行政は広告の規制の強化をすべきだ」は42.2%となっており、No.1表示広告を行う側の誠実な姿勢を求められていることがうかがえます。

【図6】 No.1表示広告に対する考え方 (ベース:全体1,000名/単一回答)【図6】 No.1表示広告に対する考え方 (ベース:全体1,000名/単一回答)

「No.1 表示広告」は若い世代を中心に、購買意欲に影響しており、効果的な手法である一方で、広告の内容によっては、半数以上が不快感を抱く可能性があることが確認できました。2019年の調査と比較すると、好感や興味、信頼性なども微減していることから、消費者が広告内容を慎重に判断している様子がうかがえます。調査会社や広告主である企業が消費者の信頼を得るためには、誠実かつ公平な調査結果に基づいた訴求を行うことが求められていることが分かります。

マクロミルグループは、当社が保有するパネルから得られる多種多様なデータを活用し、革新的なサービスを提供することで、マーケティングビジネス領域全体にイノベーションを拡げることを目指しています。これに併せて、本調査によって明らかになった事象や調査会社としてのあるべき姿を念頭に、これからもその社会的な役割を果たすことを追求します。

                                                以上
■調査概要『「No.1表示広告」に関する意識調査』
調査主体:マクロミル
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:全国20~69歳の男女(マクロミルモニタ会員)
割付方法:平成27年国勢調査による、性別×年代の人口動態割付/合計1,000サンプル
調査期間:2022年7月27日(水)~2022年7月28日(木)

■株式会社マクロミルについて
マクロミルは、国内オンラインリサーチ業界のリーディングカンパニーです。市場シェアNo.1※の豊富なリサーチ実績とノウハウ、世界21カ国で50拠点を展開するグローバルネットワーク、独自に構築した消費者パネルから得られる多種多様なデータを活用し、お客様のマーケティング課題の解決に向けて最適なソリューションを提供します。創業時から育んできたデータネイティブな発想で、お客様のビジネスに成功をもたらすData Culture構築の原動力となることを目指します。

(※オンライン・マーケティング・リサーチ市場シェア=マクロミル単体および株式会社電通マクロミルインサイト、株式会社H.M.マーケティングリサーチのオンライン・マーケティング・リサーチに係る売上高(2021年6月期)÷一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)によって推計された日本のMR業界市場規模・アドホック調査のうちインターネット調査分(2020年分)(出典:一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)2021年6月24日付第46回経営業務実態調査))

【株式会社マクロミル 会社概要】
代表者 :  代表執行役社長 グローバルCEO 佐々木徹
本社  :  東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー 11F
設立  :  2000年1月31日
事業内容:  マーケティングリサーチおよびデジタル・マーケティング・ソリューションの提供
売上高 :  49,810百万円(2022年6月期)
U R L  :  https://www.macromill.com

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会社概要

株式会社マクロミル

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URL
https://www.macromill.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー11F
電話番号
03-6716-0700
代表者名
佐々木徹
上場
東証プライム
資本金
10億9000万円
設立
2000年01月