-博報堂キャリジョ研 「PMS(月経前症候群)実態調査」-
PMS症状自覚ありの4人に1人「PMSによる体の不調は仕方がない」。PMS症状での休暇取得率は症状自覚者でもわずか3%。
※調査設問における「PMS(月経前症候群)」とは、月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをさします。また、 「PMDD(月経前不快気分障害)」とは、PMSの中でも抑うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラなどの精神症状が主体のものをさします。 意識調査のため、医学的な診断としてのPMS/PMDDとは一部異なる可能性があることをご了承ください。
【調査結果のポイント】 ①女性の80%強が「PMSを知っている」、症状自覚は「そうかもしれない」も含めて55%と半数超え。 ②PMSを自覚したのは「就職した時期」が最多で33%。中学校や高校など各学生時代をあわせると「44.3%」と学生時代に自覚したひとも多い。 ③PMSの対処法は「無理をしない」「体を温める」など意識的なものが多く、「病院で処方された薬を飲む」は8%と少数派。「特に何も行っていない」も18%と目立つ結果に。 ④PMS/PMDDでの休暇取得率は、全体で2%、PMS自覚者でも3%。「PMSやPMDDによる不調は仕方がないと思っている」が自覚者の4人に1人にのぼり、「男性にもPMSやPMDDをもっと理解してほしい」「女性同士でも辛さをわかってくれないことがある」などの声が目立った。 |
今回の調査結果からも、PMSやPMDDに関する知識や理解の促進、サポートする商品・サービスの拡大が求められていると考えられます。博報堂キャリジョ研は今後も女性のヘルスケア領域において、ナレッジ提供や商品・サービス・事業開発のプラニングなどの協業ワークに取り組んでまいりたいと思います。
【調査概要】
PMS(月経前症候群)調査
実施時期: 2022年3月
調査方法: WEBアンケート(全国)
調査対象者: 20~50代の月経のある女性
※分析では、働く女性の健康に関する実態調査結果(厚生労働省委託 女性労働協会/H16)の「年齢別月経順調、月経不順、閉経」の割合を基にウェイトバックをして算出。
調査主体:博報堂キャリジョ研
調査実施機関:株式会社ディーアンドエム
【結果詳細】
①女性の80%強が「PMSを知っている」、症状自覚は「そうかもしれない」も含めて55%と半数超え。
PMSの認知は「名前を知っている」程度も含めて80%、定義を見せての自覚を聞くと「そうかもしれない」も含めて55%と半数を超えることが明らかになった。また、PMDD(月経前不快気分障害)に関する認知は43%とPMSの半数程度であるが、定義を見せての自覚も43%とほぼ同数であり、自覚している人が症状名まで認知している様子がうかがえる。
②PMSを自覚したのは「就職した時期」が最多で33%。中学校や高校など各学生時代をあわせると「44.3%」と学生時代に自覚したひとも多い。
PMSやPMDDを自覚した時期で最も多いのは「就職をした時から」で33%。学生時代に自覚したひとをあわせると44%に達し、10~20代のうちに自覚する人が多いことがわかった。
③PMSの対処法は「無理をしない」「体を温める」など意識的なものが多く、「病院で処方された薬を飲む」は8%と少数派。「特に何も行っていない」も18%と目立つ結果に。
行っている対処法(*1)は「無理をしない」「休息を十分に取る」「睡眠の質改善・十分な睡眠」「体を温める」が30%超え。今後行ってみたい対処法には、行っている対処法以外では「ストレッチやヨガ」「バランスのいい食事」「アロマなどのリラックスグッズ」など。意向では「病院処方の薬」よりも「漢方薬」の方がスコアが高い結果となった。
*1 行っている対処法について
「生活者の主観的な対策」として、PMS自覚がある対象者に対し、「あなたはご自身のPMSまたはPMDDに対して、どのようなことを行っていますか」という質問に「当てはまる」「今後行ってみたい」と回答した人
④PMS/PMDDでの休暇取得率は、全体で2%、PMS自覚者でも3%。「PMSやPMDDによる不調は仕方がない」が自覚者の4人に1人にのぼり、「 PMSやPMDDで学校や仕事を休むのは大げさだと思う」「PMSやPMDDのことで病院に行くのは気が引ける」など症状を自覚しながらも遠慮する声や、「男性にもPMSやPMDDをもっと理解してほしい」「女性同士でも辛さをわかってくれないことがある」など周囲への理解を求める声が目立った。
PMS/PMDDでの休暇取得率は現状5%にも満たず、「PMSやPMDDによる不調は仕方がない」という諦めの声も。「 PMSやPMDDで学校や仕事を休むのは大げさだと思う」「PMSやPMDDのことで病院に行くのは気が引ける」など症状を自覚しながらも周囲を憚る声やまた、「男性にもPMSやPMDDをもっと理解してほしい」「女性同士でも辛さをわかってくれないことがある」などの周囲へ理解をもとめる声も目立った。
【クレアージュ東京 レディースドッククリニック 大島乃里子先生によるコメント】
PMSの主な症状は、イライラ・のぼせ・下腹部の痛みや膨満感・腰痛・胸の痛み・むくみ・めまい・怒りっぽくなる・頭痛・頭重感・肩こり・情緒不安定・憂うつ感・集中力の低下・睡眠障害・倦怠感・関節痛・社会からの引きこもりなどが挙げられます。症状は多岐にわたり、年齢差や個人差も大きいことも分かっています。
最近では、在宅勤務でストレスがなくなりPMSが楽になった社会人も多い一方で、一人暮らしの大学生で友人にも会えずリモート講義の毎日で、ストレスと運動不足のためPMSが悪化した人もみられます。ストレス、睡眠不足、運動不足、食事の偏りなどでも悪化するため、生活が大きく変化する時期にはPMSが起こりやすい可能性があります。対処法としては、低用量ピルやセロトニンを調節する薬、漢方薬や利尿薬などで症状を緩和することが可能です。クリニックでは、生理痛などの月経困難症と合わせてPMS予防として低用量ピルを使っている方もいらっしゃいます。低用量ピルも漢方も、種類がたくさんあって選べないという方も多いと思いますので、是非婦人科の先生と相談して自分に合った処方を見つけて頂きたいです。
大島 乃里子(おおしま のりこ)
クレアージュ東京 レディースドッククリニック婦人科 顧問
日本産科婦人科学会専門医
日本婦人科腫瘍学会専門医
【博報堂キャリジョ研とは】
「働く女性(キャリジョ)」有志で立ち上げられた、博報堂および博報堂DYメディアパートナーズの社内プロジェクト。「働く女性が生きやすい“ニュートラルな社会”をつくる」ことをビジョンに、女性に関する様々な調査・研究、有識者ヒアリングを重ね、その知見を生かした企業コミュニケーションコンサルティングやメディアでの情報発信によるソーシャルアクションを行ってきました。「キャリジョ」という言葉を使わなくなる未来を目指し、これからも情報発信活動やプログラム開発を行っていきます。
公式ホームページ:https://www.hakuhodo.co.jp/career-woman-lab/
Mail: career-woman-lab@hakuhodo.co.jp
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