600自治体・20万人が選んだ日本唯一の行政AI基盤──行政データの「探す」を超高速・横断で再構築するQommonsAI統合検索
独自開発「LawChunker」で法令検索精度92%達成、全国行政文書を5秒以内に横断検索、ドメイン特化RAG × 運用基盤 × 分散アーキテクチャ──600自治体との協働が生んだ一気通貫の技術体系
生成AIの社会実装を牽引するPolimill株式会社(本社:東京都港区/代表取締役:伊藤あやめ・谷口野乃花)は、行政向け生成AI「QommonsAI(コモンズAI)」の中核を担う非構造化データ基盤について、その技術設計の全容を公開いたします。
QommonsAIは、自治体向け生成AIとして導入シェアNo.1(※当社2025年12月調べ、他のサービスとバンドルされていないシングルのプロダクトにおいて)を獲得し、現在全国約600自治体・約20万人の職員が利用。ほぼ毎日2〜3自治体が新規導入を開始しており、行政AIのデファクトスタンダードとしての地位を確立しています。

■ 「RAGの当たり前」を超える、ドメイン特化の検索設計
法律条文は「第○条第○項ただし書き」「前項の規定により」といった複雑な階層構造と相互参照を持ちます。一般的なRAG実装では、単純なチャンキング(文書分割)により条・項・号のつながりが断片化し、AIが参照関係を解決できず、回答精度が著しく低下します。
Qommons Research Labが開発した「LawChunker」は、法令XMLの階層構造を解析し、条文の長さに応じて「条単位」「号単位」「固定長」を動的に切り替える可変長チャンキング技術です。RAG検索結果をコンテキスト最適化された形式でLLMへ提供する設計により、長文の全体像と一貫性を維持します。
この技術により、検索精度92%、従来比2.1倍の精度向上を達成し、ハルシネーション(AIの誤回答)を極小化しました。
重要なのは、この精度が「分割」「検索」「再ランキング」「コンテキスト構成」「評価」のすべてを回し続けた結果であるという点です。
■ 解析パイプラインの性能・単価最適化
ドキュメント取り込みは、量が増えた瞬間に「金と時間」が爆発する領域です。
QommonsAIは、AWS Batch上での並列処理・リソース最適化、OMPスレッド制御により、処理速度を2倍に高速化しつつ、ジョブ単価を維持することに成功しました。
■ 従来OCRの限界を超えるGenAIネイティブ解析
紙でスキャンされた過去の行政文書、図表やグラフを含む資料──従来のOCRでは、これらから「意味」を抽出することは困難でした。
QommonsAIは、最新のマルチモーダルAIを活用した「GenAIネイティブ解析」により、図表・グラフの意味理解、文書構造の完全抽出を実現。サーバーレスアーキテクチャで、コスト効率と品質を両立しています。
■ マイクロサービス前提の可観測性(Observability)
多くのRAGプロジェクトは、PoCでは動くものの、本番運用で障害対応に追われて破綻します。
QommonsAIは、開発初期から可観測性を設計に組み込みました。全リクエストに一意なrequest_idを付与し、FastAPIヘッダー経由で全マイクロサービスへ伝播。CloudWatch Logsから全ログを串刺し検索するStreamlitツールを独自開発し、障害発生時の原因特定スピード(MTTR)を数時間から数分へと短縮しました。
■ 全国規模を支える8地域分散アーキテクチャ
「全国自治体文書を5秒以内に横断検索」を実現するには、OpenSearch/Vector DBだけでは不充分です。メタデータ、権限、集計系はRDB側に残り、そこがボトルネックになります。
QommonsAIは、全国の議会議事録・行政文書を8地域のRDSで分散管理する独自アーキテクチャを構築。非同期データベース接続(asyncpg)の全面採用により、全国行政局員数十万人規模の同時アクセスにも安定して応答します。
■ 運用できる基盤への共通化・リファクタリングで「増え続けるコネクタ地獄」を止める
PDF、DOCX、HTML、CSV・・・──行政文書は多様なフォーマットで存在し、それぞれに対応するコネクタを増やし続けると、保守性が崩壊します。
QommonsAIは、コードベースの20%を削減し、PDF/DOCX/HTMLなどの処理を共通レイヤーへ集約(Commons統合)。DB/OpenSearch接続処理を統一し、保守性を大幅に向上させました。
■ プライベートナレッジ検索:「権限」という地獄を正面から扱う
庁内文書のセキュアな検索には、アクセス権限の制御が不可欠です。
QommonsAIは、アクセス権限を考慮したセキュアな社内文書検索と自動応答を実現。PDF/DOCX/CSVなどのマルチフォーマット対応、x4並列ワーカーによる並列Embedding生成で、高速インデキシングを実現しています。
■ 最先端LLMを国内リージョンで
QommonsAIは、業務内容に応じて以下の最先端生成AIモデルを選択可能です。
・GPT-5.2(標準モード/高推論モード)
・Claude 4.5系モデル(国内リージョン)
・Gemini 3 Pro
・純国産LLM「PLaMo 2.1 Prime」(国内リージョン)
特定のモデルに依存せず、用途・思想・セキュリティ要件に応じた最適な選択が可能。Claude 4.5系モデルではすべてのデータ処理がJP CRIS等で国内処理を具体保証する唯一のクラウド環境であるAWS国内リージョン上で稼働しています。
■ なぜ「無料」なのか──技術基盤を進化させるため
QommonsAIは、各団体1,000アカウントまで利用文字数の制限なく無償で提供しています。
600自治体・20万人が日常的に利用することで蓄積される「行政ドメインの知見」「失敗パターン」「評価データ」が、QommonsAIの技術基盤を日々進化させています。
この技術体系は、「ドメイン特化RAG」「解析パイプライン最適化」「可観測性」「分散アーキテクチャ」「権限制御」のすべてを、本番運用前提で一気通貫に構築した結果です。
QommonsAIは、日本の行政DXを支える社会インフラとして、今後も、驚くような技術革新を推進してまいります。
■ QommonsAIについて
Polimill株式会社が提供する自治体向け生成AIツール「QommonsAI(コモンズAI)」は、国内外の法律・政策・論文・自治体事例など数千万件のデータを基に、エビデンスベースで自治体課題を支援します。2025年12月末時点で全国600以上の自治体で導入されており、2026年には1,200自治体で利用されると見込んでおり、議会対応、政策立案、住民対応、広報業務など、幅広い業務で活用されています。1自治体1000アカウントまで無料、QommonsAI上にさまざまなツール(一部有償)を展開し、行政標準の巨大なディストリビューションを展開します。QommonsAIの公式👉https://info.qommons.ai/
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