鉄道・電力・通信などの社会インフラ現場の障害対応における状況把握と判断を迅速化する、現場状況共有システムを開発

タイムライン・地図表示とAI活用により、関連情報を統合・可視化し、現場対応から報告業務までをトータルで支援

株式会社 日立製作所

本システムのイメージ図

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、鉄道・電力・通信などの社会インフラ現場における障害発生時の状況把握と情報連携の迅速化に向け、現場状況共有システム(以下、本システム)のプロトタイプを開発しました。今後、お客さまとの効果検証を実施したうえで、2027年度中の提供開始をめざします。

 本システムは、社会インフラ現場で発生した設備障害・事象を起点に、各所に分散する関連情報を統合し、対応状況を示すタイムラインと、GIS*1を活用して障害発生箇所や現場作業者などの動きを表示する地図を一つの画面で連携表示します。これにより、「いつ・どこで・何が起き、どのように対応が進んでいるか」を、時間軸と場所軸の両面から直感的に把握できます。

 また、現場からリアルタイムで入力した情報は、AIによって自動で整理され、関連事象に紐づけて管理されるため、現場や指令所*2、関係部署などが最新状況を共有でき、状況確認の問い合わせの削減と迅速な判断・対応を支援します。さらに、生成AIを活用した対応経過の要約や報告書の自動作成、過去事例の検索・参照機能を備え、障害対応から事後の報告業務までの一連の業務を効率化します。

 なお、安全確保に関する判断や措置は、各事業者が定める運用・保安ルールに基づいて行われます。本システムは、設備障害・事象の発生後における関係者間の円滑な情報共有と共通状況認識の形成を支援し、安定的な社会インフラ運営に貢献していきます。

*1 GIS(Geographic Information System/地理情報システム):地図上にさまざまな情報を重ね合わせて表示・分析するシステムの総称

*2 指令所:社会インフラ現場における運用・障害対応の中枢機能を担う管理拠点の総称

■背景

 社会インフラ現場では、鉄道の信号や踏切、電力や通信の設備などで障害が発生した際、利用者や社会への影響を最小限に抑えるため、迅速な対応が求められます。しかし、設備の状態や対応状況に関する情報は、電話・口頭・チャットなど複数の手段で共有されるほか、ホワイトボードへの手書き管理に依存するケースも多いため、情報が分散しやすくなっています。

 その結果、障害対応の経過や障害発生箇所、現場作業者の状況を一元的に把握することが難しく、指令所に状況確認の問い合わせが集中するなど、迅速な情報共有や判断の妨げとなっています。また、対応後も経緯や判断材料が体系的に残らず、振り返りや再発防止に活用しにくいほか、個人の経験に依存したノウハウが暗黙知化しやすく、組織で共有・継承しにくい状況にあります。

 日立はこうした課題の解決に向け、新たな事業創生をリードする戦略SIBビジネスユニットの支援のもと、鉄道・電力・通信をはじめとする社会インフラ分野で培った指令業務における運用知見や情報管理ノウハウを活用し、本システムのプロトタイプを開発しました。


■本システムの特長

 本システムは、鉄道・電力・通信設備などの社会インフラ設備の障害対応における業務支援を対象としており、以下の3つの特長を備えています。

本システムの画面イメージ

(1)分散した情報を一元的に紐づけ、タイムライン・地図表示で可視化

 本システムは、現場で発生した事象を起点に、設備台帳や図面、作業情報などの関連情報と、リアルタイムな対応状況を紐づけ、一つの画面で統合的に可視化します。障害発生から復旧までの経過を示すタイムラインと、GISにより障害発生箇所や現場作業者などの動きを表示する地図を連携させた直感的なUI*3により、「いつ・どこで・何が起き、どのように対応しているか」を時間軸と場所軸の両面から把握できます。

 これにより、指令所だけでなく、現場などを含めたすべての関係者が共通の画面で、広域の状況把握から個別事象の詳細確認までできるため、情報収集・整理の負担を軽減し、タイムリーな情報連携を支援します。

*3 UI:User Interface(ユーザーインターフェース)


(2)現場からのリアルタイム入力とAIによる情報の自動整理

 現場作業者はスマートフォンからテキスト・画像・動画に加え、音声でも状況報告が可能です。入力された情報から、AIが「いつ・どこで・何が起きたか」「どの設備に関する情報か」といった要素を自動で抽出します。不足情報は既報内容などを踏まえて補完し、種別・設備・場所・日時などの項目に構造化したうえで、関連事象に紐づけて管理します*4。これにより、断片的な報告や情報が増えた場合でも最新状況を把握しやすくなり、状況確認の問い合わせを削減するとともに、迅速な判断・対応を支援します。

*4 本技術については特許出願済みです。


(3)生成AIによる報告業務効率化と対応履歴の蓄積・活用

 生成AIを活用し、タイムライン上に蓄積された対応経過の要約や報告書を自動で作成します。これにより、従来は手作業で行っていた対応後の情報整理や報告書作成の業務を効率化し、担当者の負担軽減を支援します。

 また、タイムラインで蓄積された情報は履歴として管理され、過去事例の検索・参照に活用できます。これまで属人的だったノウハウを、組織の知見として蓄積・再活用できるようになるため、対応の振り返りや再発防止に役立てることができます。


■今後の展望

 日立は、2026年度中に実施予定の鉄道事業者との効果検証を通じて、現場運用への適合と機能の高度化を進め、2027年度中の提供開始をめざします。また、並行して、AIによる関連図面・情報の検索や、設備情報との連携による状況認識精度の向上など、お客さまのニーズを踏まえた機能強化を継続します。あわせて、電力・通信などの他分野への展開も視野に、現場運用の効率化と安定的な社会インフラ運営に貢献していきます。


■Hitachi Social Innovation Forum 2026での紹介について

 本システムは、日立が2026年9月3日(木)~4日(金)に開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2026 JAPAN」において、ご覧いただけます。

 展示会場の「EX49: 現場の今をつなげる現場状況共有システム」にてご紹介する予定です。

 詳しくは、公式サイト(https://www.service.event.hitachi/regist/)をご覧ください。

日立製作所について

 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざし、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.com/ja-jp/をご覧ください。


お問い合わせ先

株式会社日立製作所  社会システム事業部

 モビリティソリューション&イノベーション本部
お問い合わせ:社会インフラITシステム:日立

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会社概要

株式会社 日立製作所

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URL
http://www.hitachi.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
德永 俊昭
上場
東証1部
資本金
-
設立
1920年02月