製造業のナレッジ継承に関わる課題を解決する、LLMを活用した製造現場の支援システムを開発
設計・製造ソリューション展DMS2024にて参考展示
NECは、製造業のナレッジ継承に関わる課題を解決するため、LLM(Large Language Model:大 規 模 言 語 モ デ ル)を活用し、製造現場における設備・品質不良、生産効率低下等の問題の解決を支援するシステムを開発しました。問題発生時などにおける作業員からの問い合わせに対し、LLMが製造現場で発生したトラブルの情報や過去のノウハウ、ナレッジをもとに回答するシステムとなります。2024年度中の提供開始を目指します。
本システムを「設計・製造ソリューション展」(会期:2024/6/19(水)~21(金)、会場:東京ビッグサイト 南展示棟)にて紹介します。
【背景】
製造業においても就業者の高齢化が進んでおり、近年、熟練工の退職によりナレッジが喪失するリスクが増大しています。また、厚生労働省の2022年の能力開発基本調査(注1)では、調査対象事業所約7千社のうち、能力開発や人材育成に関する問題を抱えている事業所は8割を超え(注2)、多くの企業がナレッジ継承に関わる課題に直面しています。
【システム概要】
本システムは、ナレッジ継承に関わる課題に対応するため、経験が浅くノウハウが少ない作業員が直面する問題の早期解決を支援します。
長年製造業の現場で蓄積してきた、熟練作業員が持つ様々な業務ノウハウ(例:過去のトラブル対応情報や日報など)をシステムに事前に登録します。製造現場で問題が発生した際に作業員がチャット形式でシステムに問い合わせをすると、事前登録をした過去の業務ノウハウをもとに、最適な情報やナレッジの回答を導きだします。このようにLLMが問題の原因やその対処方法の気づきを提供します。
匠(熟練工)のナレッジを構造化するデータモデルテンプレート、問い合わせを効率化するプロンプトテンプレートをセットで活用することで、高精度な回答を可能にします。
【本システムを使った実証】
NECは、クライアントゼロ(注3)の考え方のもと、2024年3月にNECプラットフォームズ(甲府事業所)にて技術検証を行いました。
本検証では、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)の仕組みを用いることで、AIハルシネーションを抑制しつつ、現場で過去に起きた事象や原因などの質問内容に合った情報を、高い精度で呼び出すことを実現しました。
NECは本システムの更なる性能向上を実施し、2024年度中の提供開始を目指します。また、今後もLLMを業務適用する共創活動を推進し、製造現場のニーズに応じたLLMの活用を推進していくことで、製造業DXを加速していくことに貢献します。
NECはDXに関して、ビジネスモデル、テクノロジー、組織・人材の3軸で、戦略構想コンサルティングから実装に導くオファリングなど、End to Endのサービスを提供しています。さらに、従来型のSIerから「Value Driver」への進化を目指し、その価値提供モデルを「BluStellar(ブルーステラ)」(注4)として体系整理しました。業種横断の先進的な知見と研ぎ澄まされた最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導きます。
なお、NEC は本システムを「設計・製造ソリューション展」(会期:2024/6/19(水)~21(金)、会場:東京ビッグサイト 南展示棟)にて参考展示します。
以上
(注1)厚生労働省 令和4年度「能力開発基本書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00127.html
(注2) 文部科学省、厚生労働省、経済産業省.“2023年版ものづくり白書(全体版)
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2023/pdf/all.pdf
(注3)NEC自身をゼロ番目のクライアントとして最先端のテクノロジーを実践することで、「活きた」経験をリファレンスとしてお客様や社会に提供する考え方。
(注4)「BluStellar(ブルーステラ)」は実績に裏打ちされた業種横断の先進的な知見と長年の開発・運用で研ぎ澄まされたNECの最先端テクノロジーにより、ビジネスモデルの変革を実現し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導き、お客様を未来へ導く価値創造モデルです。
<本件のお問い合わせ先>
NEC スマートインダストリー統括部
E-Mail:smart_industry_llm@iiot.jp.nec.com
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